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大塚森古墳周辺の地形

ドキュメント内 大塚森古墳の研究 (ページ 33-36)

福島県立博物館

専門学芸員 

竹  谷  陽二郎

大塚森古墳は

、 

宮城県北部

、 

加美郡加美町米泉の丘陵末端の台地上にある

。 

すぐ東方には旧中新田

町との境界があり、 

遺跡は旧中新田町中心地から北西に約2kmの位置にある

。 

遺跡南方には東西に延

びる低地があり、 

田川と鳴瀬川が平行に東流している

。 

両河川は旧中新田町市街地の西方で合流して 東南方に流れる

。 

旧中新田町市街地から東方には江合川沿いに広大な平野が開け

、 

その中心に大崎市 ( 旧 古 川 ) が あ る

遺跡周辺の地形を次のように区分した 。  それぞれの分布は第23図に示したとおりである 。

1

.

丘陵

田川より北側の遺跡を含んだ地域には

、 

比較的起伏の少ない丘陵が発達している

。  丘陵の尾根の延

びは

、 

北西一南東ないしは北北西一南南東の方向性をもち

、 

南東に新次高度を減じている

この丘陵を構成している岩石は

、 

石英安山岩質の軽石凝灰岩を主とするもので

、 

火山の噴火によっ て生じた火砕流堆積物である

。 

旧中新田町下多田川の道路沿いには

、 

ほぼ水平に堆積した石英安山岩 質の凝灰岩からなる大露頭が見られる (第20図)

。 

また

、 

宮崎町柳沢の丘陵末端部の崖でもこの地層 をよく観察できる (第21図)

。 

ここの岩相は凝灰岩˜凝灰角藤岩が主体で藤岩や砂岩が挟在しでいる

凝灰岩は大粒の軽石・石英・角関石・岩片などを含む石英安山岩質の軽石質凝灰岩である

。 全体とし

て地層は水平に近いが

、 

露頭の下部において

、 

擬灰角標岩が下位の凝灰岩を斜めに削り込んでいるの が認められる

。 すなゎち、

凝灰岩を形成した火砕流が

、 

ここでは少なくとも2回あったことが分かる

これらの岩石は

北村(1956)による北川石英安山岩に相当する

。 後にYamada

( l 9 8 8 ) は こ れ を 北川凝灰岩と改称した

。 

この地層は加美町宮崎北方の北川流域に模式的に見られ

、 

旧名で花山村・ 鳴

子町・岩出山町・宮崎町・小野田町にかけて広く分布している 。

北川凝

l民 岩は 、 遺跡の北西約30km

に位置する

、 

鳴子町鬼首地域にあった鬼首火山より噴出した火砕流堆積物である

。 

その活動は何回か

繰り返しており、 

噴出の年代は更新世前期と考えられている

2 .

台地

前述の丘陵の頂部は平坦な台地状の地形となっており、 

それぞれの面は極めてゆるく南東の方向に 傾斜している

面の海抜高度は西方の加美町根岸北方でl27m、 

上孫沢で100m、 遺跡付近で50m、

旧中新田町城生で40mと、 

南東方向に高度を減じている

。 

この台地面は河岸段丘面ではなく、 北川 凝灰岩を形成した火砕流による堆積原面が保存されているものと考えられる

3 . 段丘

田川および鳴瀬川流域の、加美町谷地森・鳥嶋・小泉および北区・月崎・清水などの地域において

河岸段丘の発達がみられる

。 

田川北岸においては

、 

先述の丘陵の線辺部にも小範囲に分布する

。  面の

-

24

-高度は

、 

田川北岸では

、  西方の鳥嶋で55m、 鳥屋ケ崎で55m、 孫沢で50m、 米泉で40m、 

遺跡付近

の羽場で35mである 。  田川と聘瀬川に挟まれた小泉付近では55m、 鳴瀬川南岸の月崎では60m、 

水では45mの高度をも っ。 

段丘面は下流に向かって順次高度を減じている

。 

この面下は砂礫層を中

心とした河川堆積物よりなり、 

形成時期は更新世後期と考えられる

4 .

河岸平野・谷底平地

田川および鳴瀬川に沿つて

、 

前述の段丘の河川側に河岸平野が分布する

。 

河岸平野は段丘面より 

1 段低く 、 両者は3m程度の高度差で接する 。 面高度は、 田川沿いにおいては 、 上木舟で 5 4 m、 下木舟 で41m、沼ケ袋で35m、造跡付近の米泉で3lm、鳴瀬川沿いにおいては、月崎で48m、 八幡で31

mであり、

それぞれ下流に向かって高度を減じる

。 河岸平野の堆積物は砂礫層よりなり、その堆積年

代は完新世と思われる

また 、 

上述の丘陵を開析して流れる小河川沿いには

、 

河岸平野と連続した谷底平地が続いている

5 .

自然堤防

田川と鳴瀬川との合流点東方に位置する旧中新田町市街地の大部分は、 河川の自然堤防上に立地し て い る

。 市街地の高度は30m足らずである 。

市街地東方は後背湿地であり

、  27m程度まで高度を減

じている

大塚森古墳は、上述の丘陵末端部の台地上にある(第22図)

。 台地面の海抜高度は約50m、

面は南 南東方向に平均1度10分という極めて緩い角度で傾斜している

。 遺跡の地山は石英・角因石・軽石

を含んでおり、 上述の北川凝灰岩が風化したものと思われる

引用

・ 参考文献

北村  信  (l956)  東北地方脊梁山脈周緑に発達する石英安山岩類の層位学的間題に

いて.  地球科学

.

no28

p.

14

-

22

.

宮城県  (l981)  土地分類基本調査  古川  5万分のl

宮城県企画部土地対策課

. 55pp.

通産省工業技術院地質調査所(監修)(1992)  日本地質図大系  東北地方

朝倉書店

.

135pp.

Yamada . E 

(l988)  Geologic 

development of 

theOnikobe caldera,Northeast 

Japan .

withspecialreference

to 

its 

hydrothermalsyste

m Rep.GeoL 

Surv. Japan

,

no2

l

68

,

p.61 - 190

25

- 2()

-第20図

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第22図

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