第 9 章 多項式について
9.2 多項式に関する大域変数
70 第9章 多項式について 5),4=-1(mod 5)となる(実際,3-(-2)=4-(-1)=5(mod 5)となるので,絶対値では{0,1,2}だけを考え れば良い事になります.その為,その分計算を簡単に行う事が可能になります.
modulusを再設定した時点で式が既にCRE表現となっていると,正しい結果を得る為には,式に
再びratを作用させる必要があります.即ち, exp:rat(ratdisprep(exp))を実行しなければならない 事に注意して下さい.
尚,modulusに素数でない正整数を設定しようとすれば,設定は実行されるものの警告が出力され ます.尚,素数でない正整数を設定する事はあまり意味がある事ではありません.例えば,modulusに 4を設定すると(2x+ 1)(2x+ 1)は1となり,xとx2の項が消えてしまいます.
newfac
デフォルト値:[false]
trueであれば,factorは新しい因子分解ルーチンを用います.
ratalgdenom デフォルト値:[true]
trueであれば,分母の有理化を許容します.これを実行する為には, CRE表現を利用しなければ なりません.
ratdenomdivide デフォルト値:[true]
falseであれば,ratexpandを作用させた式に対して,分子の項を分離する事を抑制します.
ratepsilon
デフォルト値:[2.0e-8]
有理数に変換する際に用いられる許容範囲.ratepsilonよりも小さな浮動小数点は無視されます.
浮動小数点を有理数に変換したくなければ, keepfloatをtrueに設定します.
(%i30) ratepsilon;
(%o30) 2.0e-8
(%i31) ratsimp((1+2.0e-8)*x);
rat replaced 1.00000002 by 1//1 = 1.0
(%o31) x
(%i32) ratsimp((1+2.0e-7)*x);
rat replaced 1.0000002 by 5000001//5000000 = 1.0000002 5000001 x
(%o32)
---5000000
この例で示す様に,ratsimpを作用させた場合に,ratepsilonよりも小さな数が無視されて,浮動小 数点が有理数に変換されている事が判ります。
ratexpand
デフォルト値:[false]
trueであれば,それらが一般形式に変換されるか表示された時にCRE式が展開され,falseであれ ば,それらは再帰的な形式に置かれます.
ratfac
デフォルト値:[false]
trueであれば,CRE有理式に対して部分的に因子分解された形式で出力します. 有理的操作の 間,factorパッケージを実際に呼ばずに,式を可能な限り因子分解します.これでメモリ空間を節約 し,計算時間を幾らかを節約します.有理式の分子と分母は互いに素とします.
例えば,rat((x^2 -1)^4/(x+1)^2)は(x-1)^4*(x+1)^2となりますが,各部分の因子は互いに 素とは限りません.
ctensr(component tensor manipulation)パッケージでは,ratfacがtrueなら, ricci,einsten,riemann とweylテンソルとスカラ曲率が自動的に因子分解されます.但し,これはテンソルの成分が幾つか の項で構成されている事が判っている場合に対してのみ設定すべきです.
ratfacとratweightの手法は互換性が無いので,両者を同時に使っていけません.
ratprint
デフォルト値:[true]
falseであれば,浮動小数点の有理数への変換を報せるメッセージ出力を抑制します.
ratsimpexpons デフォルト値:[false]
trueであれば,簡易化中に式の羃に対し,自動的にratsimpが実行されます.
ratweights
ratweight函数で設定される,指定された重みのリストです.ratweightsやratweight()でそのリス トが見られます.
kill(...,ratweights) と
save(...,ratweights);
は両方共に動作する.
72 第9章 多項式について ratweyl
デフォルト値:[]
weylの共役テンソル成分の簡易化を制御する大域変数の一つです.trueであれば成分は有理的に 簡易化されます.facratがtrueであれば結果は因子分解されたものになります.
ratwtlvl
デフォルト値:[false]
ratweight函数を用いた式を纏める際の有理式(CRE表現)の切捨ての制御で用いられます.尚,
デフォルト値がfalseであれば,切捨ては生じません.
resultant
デフォルト値:[subres]
終結式の計算で用いるアルゴリズムを設定します.指定可能なアルゴリズムを以下に示しておき ます.
デフォルト subres モジュラー終結式アルゴリズム mod
hline縮約prs red
殆どの問題では,subresが最適です.単変数の大きな次数や2変数問題では, modがより良いで しょう.
savefactors
デフォルト値:[false]
trueであれば,幾つかの同じ因子を含む後の式の展開の処理速度向上の為,式の各因子がある函 数で保存されます.