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多様化する現代女性のライフコースによる消費の変化

ドキュメント内 研究指導 マーケティング理論研究指導 (ページ 45-49)

第3章 女性消費者行動に関する先行研究

第7節 多様化する現代女性のライフコースによる消費の変化

実店舗における女性消費者行動の特徴 オンラインにおける女性消費者行動の特徴

①多くの女性消費者は快楽で買い物を楽しんで いる。

①オンライン・ショッピングに対する認識的、

感情的、行動的態度すべてにおいて、男性より 低い傾向が示された。

②多くの女性は製品やサービスの品質を重視す る傾向を持っている

②女性のオンライン・口コミの関与度は男性よ り高い。

③多くの女性は目新しい商品やファッションに 非常に興味を持っている。このように、バラエ ティ・シーキングの傾向を持つ女性消費者は数 多くいる。

③オンライン・口コミが女性消費者の購入意図 に対する促進的な効果は男性より高い。

④女性消費者は多すぎる商品や情報に困惑しや すい傾向がある。

④オンラインで買い物をする時、女性はより多 くて複雑な情報検索行動を行う。

⑤女性(例えば、ワーキングマザーなど)は、

時間とエネルギーをムダにしないことを重視し ている。

出所:筆者作成

第7節 多様化する現代女性のライフコースによる消費の変化

第1項 多様化する現代女性のライフコース

ライフコース(life course)とは、年齢別に分化した役割と出来事を経て、個人が一生の間にたどる 人生の道筋のことを指している(

Elder, 1977

)。人は一生の間に、就学や就職、結婚、出産などのラ イフイベントを経験し、その選択に伴って、様々な役割を取得していく(青木

, 2008

)。例えば、就 業に伴って、仕事上の役割を取得する。また、結婚によって夫や妻の役割を、さらに出産によって、

親という家族の役割も取得する。ライフコースの概要を示したものが図3−4である。就業や結婚、

出産といったライフイベントの選択の結果により、さまざまなライフコースが描かれるようになる。

図3−4 人生の道筋としてのライフコース

出所:青木,(2008)p.13 一部修正

日本の女性を取り巻く経済的、社会的状況は過去十年間に急激に変化しており、その変化は、働 く女性の増加を意味する労働力の女性化に現れている(由井・若林・中澤・神谷

, 2007

)。

青木

(2008)によれば、日本では、1970

年代半ば以降の女性のライフコースは、晩婚化や非婚化な

どの結婚行動の変化、晩産化や少産化のような出産行動の変化、それに、高学歴化や雇用労働者化 などにより、多様化してきた。

現代の女性は、かつてのように、結婚か仕事かという二者択一的なライフコースの選択だけでは なく、結婚と出産の後もそのまま継続して就業し、あるいは結婚や出産を契機に仕事から離れ、一 定の期間で家事と育児に専念し、その後再び仕事に戻るという中断再就職型のライフコースを選べ る。このように、これまで最も標準的なライフコースであった専業主婦という生き方も、多様なラ イフコースの中のひとつに過ぎなくなった(青木

, 2008)

岡本・松下

(2002)は、

現代女性のライフコースが働き方を軸として多様化してきた現状を踏まえ、

ライフイベントの中でとくに就業に焦点を当て、結婚や出産などを加えて、類型化した。岡本・松

下(

2002)によれば、現代女性のライフコースは8つに分けられる。それは、①専業主婦型(仕事

は結婚、出産まで)、②両立型(結婚しても、仕事を続ける)、③非婚就業型(結婚しないで仕事)、

DEWKS

型(出産しても仕事)、⑤

DINKS

型(子供持たないで仕事)、⑥中断再就職型、⑦出産延

期型、⑧結婚延期型である。

第2項 ライフコースの多様化と消費者心理の変化

青木

(2008)によれば、女性ライフコースの多様化に起因する深層ニーズは3つある。それは、自

分づくり、切り替え、備えづくりである。

1) 自分づくり:ライフコースの多様性は、他人との関係性に基づく役割よりも、自分という役割 就業(職業の

選択)

出産(家族の 選択)

結婚(配偶者 の選択)

就学(学歴の 選択)

を中心に置いている。自分づくりから派生するニーズには、3種類ある。派生ニーズの詳細お よび具体例は、表3−5に示す通りである。

2) 切り替え:女性の生活活動は、家事、母事、親事、仕事、外事、私事の6つに分けられる。女 性は限られた時間と空間内で、それらの活動をこなす必要がある。そのため、彼女たちは切り 替えのニーズを持っている。切り替えから派生するニーズは、3つある。その内容と例を表3

−6に示す。

3) 備えづくり:先の人生の不確実性が高まる一方、その不安に対して、ある程度の支出を伴って、

その不安を解消したいという気持ちが大きくなる。備えづくりから派生するニーズは3つある。

その内容と例は、表3−7に示すとおりである。

表3−5 自分づくりニーズと行動の例

派生ニーズ 行動の例

①いつまでも自分を高めたい:自分投資・自分磨き

資格や検定などの取得

発信・参加型のソーシャルメディアの利用 女性の起業

②役割を自分流に楽しみたい:キャラづくり

ブランド育児用品 キャラ弁

③自分の歩みを確認したい:ポジション確認 出版物・日記 出所:筆者作成

表3−6 切り替えニーズと行動の例

派生ニーズ 行動の例

①自分の世界へトリップしたい:モード転換 モバイルと IT グッズ

②明日への活力を充電したい:解放

旅行 ご褒美消費

③省手間以上の価値が欲しい:納得感追求

外食カレー 日常食宅配 出所:筆者作成

表3−7 備えづくりニーズと行動の例

派生ニーズ 行動の例

①アクシデントに備えたい:安全性確保 医療保険

②行動の選択肢を持っていたい:自由度確保 マンションの購入

③老後も自分らしく生きたい:将来生活準備 株式、債券の投資 出所:筆者作成

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