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多様な主体の参画と連携

(1)基本的考え方

静岡県では、これから目指す都市づくりのあり方として、自分たちが暮らす都市がどうなって いくべきか、どのような都市を未来の世代に継承していくべきかを一人ひとりが考え、その目指 すべき将来都市像に向けて、みんなで一体となって誇りと愛着を持てる都市を創り上げていくこ とを基本理念に掲げた。

そして、一人ひとりの行動が積み重なって魅力的な静岡県が形成されることを理解し、全ての 県民が静岡県の都市づくりに対して夢と誇りが持てるよう、あらゆる機会を通じて一人ひとりの 意識改革を進めること、さらに、市町、住民、企業など地域の主体が一体となって都市づくりに 取り組むとともに、市町同士の相互連携、県による広域連携の強化により、都市づくりの担い手 の裾野を広げ、都市づくりの可能性を広げることを都市づくりの目標の冒頭に掲げることとした。

「都市計画」は、目指すべき将来都市像の実現のために様々な手続を経て決定されるものであ り、「都市計画」という共通のプラン、ルールを地域の貴重な共有財産として、守り、育ててい く過程の中で、都市そのものを住民にとっても誇りと愛着を持てる共有財産として形成していく ことができる。そして、自分の世代だけでなく、未来の世代に引き渡すことまで視野に入れて、

自分たちの暮らす地域に関心と責任を持つことにより、これまでのような行政が主体となった都 市づくりから脱却し、あらゆる多様な主体の参画と連携によるきめ細かい都市づくりを実現させ ることができる。

ただし、都市づくりの中でも「都市計画」の制度や仕組みは専門的で複雑なため、自分の地域 に関心と責任を持とうとする住民等が、その実現の手段としての都市計画に対する理解を深め、

積極的に提案していくためには、行政から分かりやすい情報を発信するとともに、住民等の積極 的な意向や思いを都市計画へとつなげていく努力を続けていく必要がある。

また、実際には都市づくりに関心を持つ住民等が都市計画策定の場に多く参画できていないの は、その仕組みが複雑であると真摯に受け止め、多様な主体が参画しやすいよう、きめ細かい参 加方法を取り入れていく必要がある。

〔参考〕「都市計画運用指針」(都市計画決定手続に係る基本的考え方)

近年、行政一般に対して、行政手続の透明化や情報公開、説明責任の遂行が求められており、都市 計画のように国民の権利義務に直接影響を与えることとなる行政手続については、特にその要請が高 まっている。

また、環境問題や少子・高齢化問題に対する関心が高まる中で、住民自らが暮らす街のあり方につ いてもこれまで以上に関心が高まっており、都市計画に対して住民自らが主体的に参画しようとする 動きが広がっているところである。

このため、今後の都市計画決定手続においては、以上のような状況を十分踏まえ、都市計画に対す る住民の合意形成を円滑化し、都市計画の確実な実現を図る観点から、これまで以上に都市計画決定 手続における住民参加の機会の拡大、都市計画に係る情報公開及び理由の開示等に意を用いていくべ きである。

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(2)都市計画における住民参加の促進

① 都市計画の検討・策定段階における住民意見の反映

都市計画に住民の意見を反映していくためには、計画の検討・策定段階から住民の意見を取り 入れる場面を設けることが重要であり、テーマとなる計画の内容や段階に応じて適切な参加方法 を取り入れていくことが肝要となる。

例えば、マスタープランのように広域的で総合的な観点を必要とする都市計画の場合は、全て の住民等の意見を取り入れて内容を調整していくことは現実的に不可能であり、あらかじめアン ケート等で多くの人々の意向を把握した上で素案を作り上げ、専門的知識を有するメンバーや住 民代表からなる委員会、さらに都市計画審議会において内容を詰めていく方法が適している。ま た、住民の代表として選出された議会が我が国の間接民主主義の根幹をなしていることを踏まえ、

都市の将来像や都市政策を方向づける計画策定段階では、議会への報告などのプロセスをより重 視することが考えられる。

一方、地区計画や具体の事業計画に関しては、その土地の所有者等に及ぼす影響が大きいため、

住民全体の意見よりも、局所的な地域住民の意見を優先的かつ重点的に取り入れていくことが必 要となる。このため、こうした地区レベルの場合は、計画策定の初期段階から住民に参加を呼び かけ、ワークショップ形式で内容を詰めていく方法が適していると言える。ただし、局所的な計 画であっても、都市構造や将来都市像に影響を持つような大規模プロジェクトの場合は、複数の 案を作成し、広く意見を聴いて一つの都市計画案に絞っていくプロセスを取り入れる必要がある。

また、住民の参加を呼びかけるに当たっては、自分たちが暮らす地域の都市計画の内容や制度 の仕組みについて知るところから始める必要があり、都市計画そのものをテーマにした勉強会や 講習会を開催するだけでなく、インターネット等を通じて広く情報を発信するほか、防災・防犯、

介護・福祉などの分野でも、都市計画が持つ役割や効果の重要性について情報を提供していく必 要がある。

計画の段階に応じた住民参加、住民意見反映の方法としては、例として図 2-2-1 のような組み 合わせが考えられる。

図 2-2-1 計画の段階に応じた住民参加、住民意見反映のイメージ 広域的

総合的

局所的 具体的

・事前アンケート等による意向把握

・住民代表、専門家による内容検討

・議会における内容審議

・パブリックコメント

・公聴会、公告縦覧 など

・素案段階での説明会・勉強会

・パブリックコメント

・公聴会、公告縦覧 など

・まちづくり協議会等の開催運営

・ワークショップ形式での内容検討

・公聴会、公告縦覧 など

参加を促すため の情報提供 都市の現状・

課題や目標等

(都市計画基礎 調査結果や災 害危険区域等)

都市計画制度 の仕組・役割

(都市計画決定 状況や各制度 の目的概要等)

成功事例や 支援制度 マスタープラン

等の策定

都市計画の決定

(地域地区等)

具体の 事業計画等

住民参加・意見反映方法の例

〔参考〕「都市計画運用指針」(都市計画に関する知識の普及及び情報の提供)

都市計画が円滑かつ的確に決定され、その内容が実現されるには、決定された都市計画を住民自ら がまちづくりのルールとして受入れ、これを積極的に遵守していく姿勢が根底になければならない。

その意味で、身近なまちづくりについて住民自らが主体的に参画しようとする動きが広がっている 中、これまで以上に都市計画への住民参加を、実効性のあるものとすることが求められているといえ る。

また、都市計画の提案制度の積極的かつ適切な活用を図る観点からも、住民が自らの居住する地域 について定められている用途地域等の都市計画の内容について知ることや、都市計画制度について日 常の生活環境を支える重要な制度インフラとして関心を深めることが重要である。

このため、地方公共団体にあっても、地域住民に対して、都市計画制度についての理解を深めると 同時に、まちづくりに参画しやすい環境の整備に資するよう、都市計画に関する知識の普及及び情報 の提供に努めることが肝要であり、このための方策として、地域の実情に応じて例えば以下のような 取組を行うべきである。

・都市計画制度に関する講習会、ワークショップ等の開催

・まちづくり協議会等への支援

・都市計画に関するパンフレット等の作成

・都市計画に関するホームページの作成、インターネットの活用 等

特に、上記のホームページの作成、インターネットの活用については、近年、インターネット利用 者が急激に増加しており、今後、従来の「市政だより」等の手法に代わって住民が都市計画にアクセ スする有効な方法になると考えられることから、例えば、住民にわかりやすい都市計画制度について の基本的な解説、既に定められている都市計画に関する情報提供(図面を含む。)、公聴会・説明会 の開催日時の通知、都市計画案の縦覧の期間、場所等都市計画決定手続についての情報提供、現在定 めようとしている都市計画の案の内容についての情報提供(図面を含む。)、意見募集等に活用する ことが考えられる。

② 都市計画情報 GIS の活用

静岡県では、インターネット上の「都市計画情報 GIS」を通じて、県内の都市計画情報及び屋 外広告物規制情報の公開を行っている。このうち、都市計画情報としては、土地利用(都市計画 区域、区域区分、用途地域、その他の主な地域地区等)、都市計画道路、都市計画公園等の都市 施設の位置情報を地図上で確認できるようになっている。

なお、都市計画情報 GIS は、「静岡県統合基盤地理情報システム」の一部を構成するものであ り、このシステムでは、都市計画情報以外にも、南海トラフ巨大地震の被害想定、地質情報、文 化財情報のほか、農産物直売所やおすすめスポットまで網羅している。

こうした GIS 情報は、住民等にとっても視覚的に理解しやすい情報であることから、都市計画 に対する住民等の理解を深める手法として積極的に活用するものとする。

③ まちづくりリーダーの活用

静岡県では、地域のまちづくりをリードする人材、さらに、都市計画等に関する知識や意義の 普及啓発を果たせる人材を育成することを目的として、「まちづくりリーダー」の養成を行って きた。これまでに養成講座を修了したまちづくりリーダーは、地域の活性化、自然保護・共生、

歴史・文化等の様々な分野で活躍しているほか、各種審議会等への参加を通じて地域のまちづく

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