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壁画間移動体としての応用

ドキュメント内 細管内移動体に関する基礎的研究 (ページ 151-155)

8 . 1   はじめに

私たちの生活環境の中で,壁面聞を移動するロボットがあれば,

人聞が入って行けないような建物と建物の聞の狭い隙聞を自由に移 動することができ,壁面聞を倉庫代わりに利用したり,または道路 の側溝などに詰まったごみや落ち葉などを,両壁面を伝わって移動 しながら清掃することができるなど,私たちの生活に大変役に立つ.

現在,実用化されている壁面を移動するロボットは,鋼板でできた 壁面を磁石などの電磁力を使つての片壁面への吸着移動,および真 空ポンプを使った負圧による片壁面への吸着移動するロボットが開 発されている

[ 6 8 ] .

ところがロボットの内部構造は,アクチュエータのコントロール 回路などを含み複雑な構造となり,そのため,ロボット自体の自重 も重くしていることが多い.また以前に,壁面聞を移動する移動体 の研究は,佐藤ら [70]が行っており,その移動方法は,移動体の両 側に斜めに細長い弾性毛を植え付けて,壁面聞の幅を変えて壁面で 弾性毛の先端を加圧し,その弾性毛のたわみ力を利用して移動する

もので,移動体が一方向移動する研究結果の報告がされている.

8 . 2   壁面間移動体について

8.2.1  弾性板型壁面間移動体の移動方法

本研究で行っている細管内移動体は,主に細管内を移動するため の研究であるが,細管の内部は平行な壁面であり、移動体は平行な 壁面聞を移動する.このことから利用できるものとして,考えられ る応用技術としては,細管内を移動するばかりではなく,平行な壁 の聞であれば,どの場所でも移動可能である.例えば,建物と建物 の聞の壁を移動することも,細管の壁面聞を移動するのと同じ移動

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状況である.このため,細管内移動体の移動技術を壁面間移動技術 にも応用できると考え.実際にどのような応用ができるのか,以下 にその応用技術を述べる.

本研究の壁面間移動体の移動方法は,壁面聞は固定された状態で 移動体自体が振動して移動する.そして,複雑化する内部構造をな るべく無くし,もっと簡単な構造で壁面聞を移動するロボットの開 発を目指す.その結果考案された移動機構は,移動体に傾斜角度を 持つ,細長い弾性板を取り付け,弾性板の先端が壁面に対して斜め に接触させて,弾性板を圧電アクチュエータのパイモノレフ振動でた わみ振動を起こさせ,その振動を推カとして,弾性板の先端が壁面 を滑走して壁面聞を移動する,

実際に壁面聞を移動する移動体を製作して移動実験を行い,弾性 板を加振する圧電アクチュエータの印加電圧の大きさを変えて,移 動体を前後進の2方向移動させる実験を行ったので,以下にその実 験結果の考察を述べる.

8.2.2  壁画間移動体の構造

製作した移動体の構造を図8.1に示す.図8.1bの両側の圧電アク チュエータは,長さ 40mm,幅16mm,厚さ 0.53m mの大きさのも のを使用し,パイモルフ振動をする.aの保持部で二つの圧電アク チュエータを圧着して固定する.cは弾性板としてりん青銅板を使 用し,りん青銅板の大きさは厚さ 0.05mm,幅8mm,長さ約15mm で,圧電アクチュエータの端にりん青銅板の端を圧着固定した.ま た,壁面倒に接触するりん青銅板の先端は, R4mmで丸く削つであ る.りん青銅板を使用したのは,加工性が良くぱね特性が優れてい る.移動体は,幅が 5mmの溝のガイドレール上を前後進する.り ん青銅板の先端が接触する壁面dは透明のアクリル材質を使用し,

りん青銅板は始めに初期接触角度を600 として壁面に接触させる.

両側の圧電アクチュエータに同時に矩形波パルスの印加電圧を与え ると,圧電アクチュエータがパイモルフ振動し,移動体は,aを中 心に,傘が聞いたり閉じたりする開脚運動をする.印加電圧を与え ないときは,りん青銅板の先端が壁面に接触して静止しているが,

印加電圧を与えると,りん青銅板の先端が壁面に保持されてたわみ 振動をする.次に, 600 に傾けたりん青銅板の接触先端とアクリル

第8章壁面間移動体としての応用 壁面との静摩擦係数を測定すると,図8.2の前進方向には0.4,後進 方向には

0 . 1 9

となった.前進の摩擦係数は,後進の摩擦係数の約

2

倍あり,このことは,前進方向よりも後進方向の方が滑りやすいこ

とを示している.

a  : Atachingpart 

b  : Piezoelectric actuator  c  : Phosphor bronze plate  d  : Wall surface 

図 8.1::壁面間移動体の構造

8 . 2 . 3  

実験方法

実験方法は,図8.1の移動体を,図8.2のガイドレ}ル上を移動 する台車に取り付け,台車はガイドレール上を滑らかに移動する.

両側の圧電アクチュエータに同時に印加周波数

5 0 0 H z

を与えて振動 を起こさせ,圧電アクチュエータの印加電圧を25¥

‑pから70

V p

̲p

まで5

V p

̲p刻みで与えて,前後進時の移動速度を測定し,それを5 151 

回繰り返して,その平均値を求めた.なお,台車を含めた移動体の 自重は約15.4gである.

USC1.l.lT.or 

争 B a 伽 副 号 。)(0

図 8必壁面間速度測定の実験装置

8.2.4  実験結果

移動体の速度測定実験の結果を図8.3に示す.図8.3は,縦軸は速 度

( m m / s )

,横軸は印加電圧

( V

p̲p)を示す.また,グラフ内の各測 定点での実線の縦幅は,測定値のばらつきの程度を表す.図8.3の 実験結果から,移動体は圧電アクチュエータの印加電圧が小さいと きは後進し,印加電圧を大きくしていくと,前進に切り替わり,さ らに印加電圧を大きくしていくと,前進速度も大きくなっていく傾 向となった. このことは,圧電アクチュエータの印加電圧の大き さを変えることによって,りん青銅板のたわみ振動の振幅が変化し て,壁面に対するりん青銅板の接触先端のカが変化し,その反力で もって移動体が前進および後進すると考えられる.

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