3.4. シミュレーション実験
3.4.3. 報酬制度の導入効果
回答の数
(図3-2)に、報酬PTを変化させたときの、回答の数(1つの質問への平均回答数)
の質問者平均を示す。この結果より、報酬PTを高めると、どのコミュニティ環境にお いても回答の数は低下することが分かった。
図 3-2: 報酬PTを変化させたときの、回答の数の変化
回答の質
(図 3-3)に、報酬 PT を変化させたときの、回答の質(質問者の知識特性と回答と の平均マッチ度)の質問者平均を示す。この結果より、報酬PTを高めると、どのコミ ュニティ環境においても回答の質は向上することが分かった。
図 3-3: 報酬PTを変化させたときの、回答の質の変化
質問努力(質問のしやすさ)
(図 3-4)に、報酬 PT を変化させたときの、質問者の質問努力の変化を示す。この 結果より、同質性z=0.5(質問者と回答者の同質性が中間のコミュニティ環境)、同質性
z=0.7(質問者と回答者の同質性が高いコミュニティ環境)では、報酬PTを高めるにつ
れて質問努力が低下していることが分かった。ただし、同質性 z=0.3(質問者と回答者 の同質性が低いコミュニティ環境)においては、報酬PTが低い制度の場合において(PT
が 0.0~0.2までの間において)、報酬 PT が中間的なときよりも質問努力が低いことが
分かった。
図 3-4: 報酬PTを変化させたときの、質問努力の変化
また、(図3-5)に、同質性z=0.5(質問者と回答者の同質性が中間のコミュニティ環 境)における、報酬PTを変化させたときの質問者の返報閾値と質問努力、回答者の回 答努力の関係を示す。同様に、(図3-6)に同質性z=0.3(質問者と回答者の同質性が低 いコミュニティ環境)、(図3-7)に同質性z=0.7(質問者と回答者の同質性が高いコミュ ニティ環境)での結果を示す。この結果より、報酬PTの高さに応じて、返報閾値と回 答努力が増加していることが分かる。また、質問者の質問努力が、回答者の回答努力の 増加に反比例して低下していることが分かる。
図 3-5:同質性z=0.5(質問者と回答者の同質性が中間のコミュニティ環境)における、
報酬PTを変化させたときの返報閾値、質問努力、回答努力の関係
図 3-6:同質性z=0.3(質問者と回答者の同質性が中間のコミュニティ環境)における、
報酬PTを変化させたときの返報閾値、質問努力、回答努力の関係
図 3-7:同質性z=0.7(質問者と回答者の同質性が中間のコミュニティ環境)における、
報酬PTを変化させたときの返報閾値、質問努力、回答努力の関係
図 3-8: 同質性z=0.3と同質性z=0.7のコミュニティ環境での、報酬PT=0.0における 質問努力と回答数の関係の違い
(図3-8)に、図4で同質性z=0.3のコミュニティが他のコミュニティ(同質性z=0.5、
0.7)と異なり、報酬PTが低い場合においてPTが中間的な場合よりも質問努力が低く なっている要因を表した結果を示す。(図3-8)は、報酬PTが低い(PT=0.0)制度の場 合における、同質性z=0.3のコミュニティにおいてどのような質問と回答のマッチング が行われているかを検証するために、質問者の質問努力に対応する回答数をプロットし た図である。なお、比較のために、同質性z=0.7の場合のプロットも同時に示している。
図8の結果より、同質性z=0.3のコミュニティにおいては、質問努力が高い質問者に対 してのみ回答が集まるのではなく、質問努力が低い質問者でも回答が集まっているとい う違いがあること、また、質問努力の値が同質性z=0.7のコミュニティに比べて低いこ とが分かった。