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報、国内雑誌に1報採択されたほか、学会報告(国内)も1件おこなった。また学術論文英文3報、和 文 2 報が投稿準備中である。

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国際学術雑誌に 3 報、国内雑誌に1報採択されたほか、学会報告(国内)も1件おこなった。また学術論文英文3報、和 文 2 報が投稿準備中である。

科研費基盤研究 (C) 「被災地での学びを地域や世代を超えて伝える災害伝承・防災教育システムの開発」が採択さ

れ、研究を開始した。東北大学にて震災や復興について学び、被災地(名取市閖上)を訪問して現場実習(慰霊碑等を

見学、語り部さんの講話を聴く、被災者の方々と交流)を行った 10 名の大学生が、地域と世代を超えて震災伝承を行う

ために、自分たちの力で災害伝承・防災教育の出前授業を企画し、 11 月 9 日に東京都の中学校で実施した。当該の活

動実践に関しては地方紙に掲載された(河北新報 2020 年 2 月 11 日付)。また、 2020 年 3 月 4 日には兵庫県の高校で

実施予定であったが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で中止となった。しかしながら、大学生によって構築された

複数の防災教育授業案が蓄積された。なお、防災出前授業の企画開始から中学校での授業実践までのプロセスと学

生たちの認知・心理面での変化に関して、 2020 年 3 月に第 26 回大学教育研究フォーラム(オンライン開催)にて発表し

た。

2019 年度の部門活動報告

部門名 人間・社会対応研究部門 報告者氏名 奥村 誠 部門目標

災害への人間と社会の対応を研究する。具体的には、人間の災害認知と行動のメカニズムを把握し、被災地支援のた めの技術を提供し、地域の歴史や文化を災害から守りつつ災害対応に活かし、災害対応力を高める社会システムや法 制を提案し、歴史的視点で防災や復興を再評価して、内外の地域に有効な方策を提案する。

2019 年度の部門活動報告

部門内勉強会、南海トラフ地震対応、 BCP 研究会への参加や、科研費プロジェクト、シンポジウム、社会貢献事業を 通して,分野横断的な活動が活発に行われた。分野ごとの特徴的な活動は以下の通りである。

災害認知科学研究分野は、災害を生きる力8因子について,基礎認知科学研究と質問紙の災害教育応用を進め査 読論文 4 報を公開した。新たに災害伝承・防災教育システムの開発に関する科研費研究を開始し,大学生の被災地で の学びから教育実践に至るプロセスでの学生たちの認知・心理面の変化の研究を進めた。

被災地支援研究分野は共同研究体制を活用し、災害対応を考慮した地域施設の維持・更新マネジメントの研究、 Big Data による災害影響の把握の研究を進めた。また,アジア・欧米・日本国内での大規模災害からの復興計画と実施、居 住地移転、住宅復興に関する現地大学・現地政府・国際援助機関との連携研究を行った。

歴史資料保存研究分野は、 2019 年台風 19 号での宮城県南部の被災歴史資料の救援、自然災害での被災資料の 応急処置方法の研究、自然科学分野と連携した歴史災害研究、臨床心理学者チームの被災者のアイデンティティ回復 に関する研究、間文化研究機構、神戸大学との連携事業で北日本の大学との連携構築を行った。

防災社会システム研究分野は、事業継続計画 (BCP) の連続講座の開催などの普及活動や、既往災害の社会経済的 分析、教訓の研究・発信、地域産業復興の研究に取り組んだ。 2019 年 11 月 30 日に都市住宅学会学術講演会を開催 し、被災地を含めた「人口減少社会における都市住宅政策の在り方」について発表と議論を行った。

災害文化研究分野は、文理融合災害研究のシンポジウム「歴史が導く災害科学の新展開 Ⅲ 」を開催し、講演・報告を まとめた報告書を刊行した。また年度内に発生した自然災害に対して、「文化財マップ」を作成し、被害推定情報を文化 財関係者と共有するとともに、これを活用した史料の被災状況調査を実施した。

2019 年度の分野活動報告

分野名 災害認知科学研究分野 報告者氏名 邑本 俊亮

分野目標

本研究分野では、複雑な物理・社会的環境における人間の知覚・判断・行動の認知過程について、様々な心理学・認 知科学・脳科学的手法を用いた基礎研究を行うとともに、その成果をより人間の認知特性に適した防災・減災・復興のシ ステム設計に反映させる応用研究を行う。

2019 年度の分野活動報告

東日本大震災の被災者を対象とした調査から開発した「災害生きる力」8因子(人をまとめる力、問題に対応する力、

人を思いやる力、信念を貫く力、気持ちを整える力、きちんと生活する力、人生の意味の自覚、生活を充実させる力)

(Sugiura et al., 2015) について、基礎認知科学研究と質問紙の災害教育応用が進んでいる。本年度は、査読付き論文が

国際学術雑誌に 3 報、国内雑誌に1報採択されたほか、学会報告(国内)も1件おこなった。また学術論文英文3報、和 文 2 報が投稿準備中である。

科研費基盤研究 (C) 「被災地での学びを地域や世代を超えて伝える災害伝承・防災教育システムの開発」が採択さ れ、研究を開始した。東北大学にて震災や復興について学び、被災地(名取市閖上)を訪問して現場実習(慰霊碑等を 見学、語り部さんの講話を聴く、被災者の方々と交流)を行った 10 名の大学生が、地域と世代を超えて震災伝承を行う ために、自分たちの力で災害伝承・防災教育の出前授業を企画し、 11 月 9 日に東京都の中学校で実施した。当該の活 動実践に関しては地方紙に掲載された(河北新報 2020 年 2 月 11 日付)。また、 2020 年 3 月 4 日には兵庫県の高校で 実施予定であったが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響で中止となった。しかしながら、大学生によって構築された 複数の防災教育授業案が蓄積された。なお、防災出前授業の企画開始から中学校での授業実践までのプロセスと学 生たちの認知・心理面での変化に関して、 2020 年 3 月に第 26 回大学教育研究フォーラム(オンライン開催)にて発表し た。

分野名 被災地支援研究分野 報告者氏名 奥村 誠

分野目標

巨大な災害に襲われた地域ではインフラや各種の機能が麻痺し、自らの力で救命、救急、復旧、復興を行うことが難し く、被災地の真のニーズを外部に伝えることも困難である。そのため被災地外の地域において、被災地の平常時の社会 経済状況を踏まえてニーズを想定し、効果的な支援を迅速に計画するための方法を研究する。

2019 年度の分野活動報告

(1) 供用期間中に災害によって機能が失われるリスクを加味したインフラの最適更新戦略を求めるモデルを構築し、イン フラマネジメントに防災の考え方を導入する道筋を示した。国内外で口頭発表を行った。

(2) 福祉系の施設を地域の防災力の向上に活用するための共同研究を 2017 年度から科研費挑戦的研究として実施 し,教育機能と避難機能の維持を目指した小中学校の維持更新計画に関する複数の査読論文を発表した。

(3) インドネシア,フィリピン,米国( NY )の災害復興過程を引き続き調査し,東北の復興過程との比較やガバナンスの 国際比較研究を行い,世界防災フォーラムなどの場で成果発表とディスカッションを行った。

(4) 携帯電話位置情報ビッグデータから災害時の通勤の取りやめなどの対応状況を把握する方法に関する災害研共同 プロジェクト研究の成果を,国内で口頭発表した。

(5) 近年の地方圏の被災地において、復旧・復興状況の視察とヒアリングを実施し、計画と実行における問題を掘り起こ す活動を行っている(平成 30 年 7 月西日本豪雨,令和 1 年 8 月佐賀豪雨, 10 月東日本豪雨など)。それらの知見を国 内研究会で報告し、論文発表を行っている。

(6) 被災地自治体等での直接的な活動は多くないが、東北地方整備局、宮城県、仙台市、亘理町において複数の委 員会委員を務め、その中で防災・減災の視点を反映させるように心がけた。

分野名 歴史資料保存研究分野 報告者氏名 佐藤 大介

分野目標

東日本大震災で被災した歴史資料の救済保全活動を通じて、日本列島の文化的特質である未指定の文書記録資料 の防災・災害対応に資する技法、および組織を検討する。あわせて、文化財・歴史分野内での対応を超え、人文学的な 災害・再生支援としての歴史資料の救済保全の意義を研究する。

2019 年度の分野活動報告

2019 年度は、 2019 年 10 月 12 日の台風 19 号に伴い被災した宮城県内の各地、特に県南の宮城県丸森町、白石 市、角田市で個人所蔵の歴史資料の救援を、行政、市民、さらに学生ボランティアとの協働で実施し、約 3 万点の被災 資料を救援した。あわせて、東日本大震災で被災した歴史資料の救済保全活動を、 NPO 法人宮城歴史資料保全ネット ワークとの協力の下で実施した。のべ 223 人の市民ボランティアの参加を得て、約 1500 点の処置を完了した。また、中 央大学のゼミ約 10 名を受け入れ、応急処置の体験実習を施した。

本所と人間文化研究機構、神戸大学との包括協定に基づく歴史文化資料保全ネットワーク事業では、 2019 年 8 月に 北海道大学との共催で、北海道地区と東北地区との若手自治体職員による災害対応経験の共有ワークショップを主催 するとともに、 9 月には宮城県丸森町の個人所蔵史料の共同調査を学生の調査実習と兼ねて行った。歴史再生のため の連携として、江戸時代の商人・小津久足の紀行文「陸奥日記」の共同研究を実施しており、今年度は福島県南部およ び栃木県域の内容を検討する研究会を 2 回開催した。なお、 2020 年 3 月に予定していた北日本協議会は、新型コロナ ウィルスの感染拡大により開催できなかった。

歴史災害研究としては、 2019 年 5 月の日本地球惑星科学連合大会でのポスター発表、同年 11 月の森林経済学会 秋季大会での査読つき発表で、 19 世紀初頭の北上川流域での洪水発生と、その遠因としての山林資源の枯渇、河底 上昇との関係について考察した。また西暦 1858 年・ 1859 年の東北地方太平洋岸における「やませ」の状況について、

災害研共同研究の一環として、地元の郷土史家の協力を得て約 1000 件のデータを収集した。

客員教授の上山眞知子ら臨床心理学者との共同で取り組む心理社会的支援としての研究については、 2019 年 9 月

の国際ドキュメンテーション委員会( CIDOC2019 京都市)での査読付き報告や、 2019 年 11 月の仙台宝才会議でのポ

スター発表にて、被災者のレジリエンス涵養に歴史資料保全が持つ固有の意義について国内外の関係者と共有した。