7. 環境社会配慮
7.3 基礎情報収集
図7.3-1の⻘線に示す調査対象地域における環境基礎情報を2次データの収集(環境局
が発行する環境モニタリングレポート、調査対象地域周辺にて実施している事業の環境モ
インドネシア国パティンバン港高速道路事業準備調査(PPP インフラ事業)【予備調査】
調査報告書
ニタリングレポートなど)および現地踏査により確認した。主な確認内容を下記に示す。
(1) 大気
スバン県の環境局(Dinas Lingkungan Hidup:DLH)は大気モニタリングを行っているが、
2018年は下図のAir-1およびAir-2に示す2地点において、合計4回(3月、5月、8月お よび11月)に実施している。全てのモニタリング項目(SO2、CO、NO2、O2、PM2.5、PM10、
TPS、NH3およびH2S)において、基準値以内であった。
チカンペック−パリマナン間の有料高速道路にて、大気モニタリング(CO、NO2、SO2
およびTSP)を実施しており、本調査の調査対象地域付近ではOP-5とOP-6に示す地域で
モニタリングを行っている。2018年第2期のモニタリングでは、全ての項目が基準値以内 であった。
調査対象地域周辺は始点および終点付近に比べて交通量も少なく、また現地踏査にて調 査対象地域内に大気に深刻な影響をもたらす汚染源は特に確認されなかった。従って、収 集した始点および終点付近の情報を参照すると、調査対象地域は全般的に基準値以内と想 定されるが、次の調査段階で測定が必要である。
出典:DLHおよびBina Margaより入手したチカンペック−パリマナン間の有料高速道路のモニタリング 情報に基づき調査団作成
図 7.3-1 大気および騒音のモニタリング地点
(2) 水質
スバン県には、チプナガラ(Cipunagara)川、チアサム(Ciasem)川、チラマヤ(Cilamaya)
川の3つの河川が流れており、DLHはこれらの河川の上流および下流において水質モニタ リングを行っている。各河川のモニタリング地点を下図に示す。
チプナガラ川では、2018年の3月の下流でのモニタリングにおいて、六価クロムが基準 値をわずかに超過していた。チアサム川では、2018年2月のモニタリング結果において上 流および下流において水銀が基準値を上回り、下流での BOD と六価クロムが基準値を上 回っていた。チラマヤ川では、上流及び下流ともに、BOD、COD、DO、全リンが基準値を 上回っていた。また、下流でのカドミウム、銅、および水銀が基準値を上回っていた。
環境局が実施している水質モニタリングは調査対象地域から離れており、また、調査対 象地域周辺での水質モニタリングデータは確認できなかったことから、調査対象地域の水 質を評価することは難しい。次の調査段階において、水質調査が必要と考えられる。
出典:DLHの情報を基に調査団作成
図7.3-2 水質のモニタリング地点
(3) 騒音
DLH は大気と同じ地点および頻度で騒音モニタリングを実施しており、全モニタリン グ地点において基準値を上回っている。また、チカンペック−パリマナン間の高速道路に おいても大気と同様に騒音モニタリングを実施しており、基準値を上回っていた。
大気と同様に、始点・終点地点においては基準値を上回っているが、調査対象地域内に おいては騒音に影響を及ぼす事項は特に確認されなかったことから基準値以内と想定され るが、次の調査段階で測定が必要である。
(4) 土壌
スバン県のBAPPEDAが作成した土壌区分図によると、調査対象地域では沖積土、湿粘 土、およびミネラルを含んだ赤土が分布している。
インドネシア国パティンバン港高速道路事業準備調査(PPP インフラ事業)【予備調査】
調査報告書
(5) 洪水
スバン県のBAPPEDAが作成した洪水分布図によると、調査対象地域に含まれる6つの 市のうち、北部に位置する4つの市が洪水地域とされている。
(6) 自然保護区および希少種
調査対象地域内で保護区に指定されている場所は確認されなかった。既存調査にて希少 種の種類や生息地を確認できる資料なかったことから、次の調査段階で現地調査が必要で ある。
(7) 文化遺産
調査対象地域における文化遺産は、シリワニ(Siliwani)王の妻であったニィ・スバン・
ララン(Ny Subang Larang)の墓地である。墓地はビオン(Biong)市およびチカウム(Cikaum)
市に位置しており、調査対象路線はビオン市を通過するが、計画線形から墓地までは約6 – 7 km離れている。
(8) 少数⺠族・先住⺠族
スバン県の教育局 (Dinas Pendidikan Kabupaten Subang)への聞き取りにて、スバン県では 大部分がSundaneseであり、他にBatik、JavaneseおよびChineseが居住しているとのこと であった。調査対象地域での少数⺠族・先住⺠族について既存情報では確認できなかった ことから、次の調査段階での確認が必要である。
(9) 水利用
調査対象地域内の表流水の主な水利用は、農業用灌漑、養殖池、沐浴であった。農業用 灌漑は、Perum Jasa Tirta II事業によって整備されている。
(10) 土地利用
スバン県の BAPPEDA が作成した土地利用図によると、スバン県の主な土地利用は水 田、森林、プランテーション、沼、空地、養殖池および住宅地である。現地踏査にて、調 査対象地域の主な土地利用は、水田、プランテーション、養殖池および小規模の住宅地で あることを確認した。