第 5 章 オープンソース・ベストプラクティス
5.3 基盤系業務、連携システムでの導入事例
アンケート回答者に対して、電話、電子メール等で個別に確認を行なったところ、基盤系業務システムへ の OSS 採用はほとんど進んでいないことが明らかになった。大手ベンダや中堅ベンダが提供する基盤系 業務パッケージでは、Windows Server および Oracle が指定されていることが多く、オープン系システム と混同されているのが現状のようである。
一方で、都道府県のように大規模な自治体になるほど、SOA(Service Oriented Architecture)の考 え方を用いてシステムを実現することを念頭においており、システム間連携を考慮している。そのため、シス テム間で連携させるためにメッセージの仕様を検討しているものの、大規模な自治体では基盤系システム は汎用機で稼動しているものが多いため、まだ対応できていないケースが多いと考えられる。
5.3.1 北海道
● 電子申請のサーバには Linux、Apache、Tomcat、PostgreSQL を利用している。コントローラに ついては、.Net, Java, PHP の複数の言語が使えるようになっている。 公的個人認証を必要としな い簡易申請機能 については、PHP で動いている。
● 道が道内の自治体153団体と協議会を作って、仕様を決めて、株式会社 HARP に発注している。
ASP として、120 団体に機能を提供している。
● 開発・運用プロジェクトマネジメントは HARP 社が行い、個々の機能の開発については、道内のベ
5.3 基盤系業務、連携システムでの導入事例 ンダ 23 社が行なっている。OSS にすることで HARP 社仕様を明確にして、小分けにした開発とし たため、道内の中小のベンダでも参入する機会ができた。
● PostgreSQL のアクセス時間についてパフォーマンスの問題があったが、それ以外は特に問題は なかった。
5.3.2 浦添市(沖縄県)
● ウェブサイトにはパッケージを使っているが、その内部では Linux, PHP, PostgreSQL を使っ ている県内ベンダが構築したものである。運用は職員が行なっている。
● 実 証 実 験 の 端 末 と し て Solaris の SunRay を 使 っ て お り 、 一 部 の 文 書 を 除 け ば OpenOffice.org で問題ない。窓口端末としては、切り替えられるシンクライアントは使い勝手 がいいので、今後増やす予定である。
● 基幹系システムの基盤部分を Java を使って Web アプリケーションとして開発することを研究 として公募を出した。地元ベンダでも保守できるようにソースは全部公開してもらう予定になっ ている。