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基板温度の変化による測定結果…………………………………………….…34~36

第 5 章 測定結果及び評価

5.5 基板加熱の変化による測定結果

5.5.1 基板温度の変化による測定結果…………………………………………….…34~36

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上図はスパッタ雰囲気をN2のみ、スパッタ圧0.3Paで固定し、基板加熱を室温、150~300℃

まで50℃ずつ変化させた時のXRD測定結果であり、Fig5.5.1はSi基板上で作製したものに

対しFig.5.5.2はガラス基板上で作製したものを示した。

上図より温度が低いと強度が弱く半値幅も広いため結晶性が良くないことが確認できる。

また、異なる回折ピーク位置が確認できることから、ランダム方位な多結晶であると考え られる。それに対し 200℃、250℃で作製したものは強度が強く、半値幅が狭いため結晶性 が良くなっていることが確認できる。しかし 300℃まで加熱した場合、結晶性は悪くなり、

異なる回折ピークも確認でき、ランダム方位な多結晶になった。

基板の温度が低い場合、ターゲットから飛び出した粒子は基板に衝突した際エネルギー が小さく安定した位置に移動することができなくなり、結晶の構造が悪くなってしまう。

逆に温度が高い場合、基板に到着した原子が再蒸発してしまった可能性が考えられる。ま た、基板上に作製された薄膜は、温度が高くなるにつれて膜厚が薄くなっていることから、

再蒸発の量は温度の上昇により増えていると考えられる。

ガラス基板上での結果を見ると、200℃の時強度が強く表れている。加熱源としてランプ ヒーターを用いているため、透明なガラス基板で作製した場合Si基板に比べて薄膜に熱を 与えやすかったことがその要因と考えられる。

実験結果から 200℃~250℃で最も安定した結晶構造ができ、参考にした文献では 200℃

で実験が行われている場合が多かったことを考え、以降の実験は基板加熱を200℃に固定し て行う。

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Fig5.5.3は透過率測定結果、Fig5.5.4は透過

率、膜厚から求めた光吸収係数測定結果であ る。また、室温の結果は縦軸を10倍して表記 している。

基板加熱温度が高くなることで可視領域に おいて透過率が高くなっていることが分かる。

膜厚が薄くなったことや、結晶の並びが良く なったことが原因であると考えられる。

また、バンドギャップエネルギーは、高エネ ルギー側にブルーシフトしている。さらに高温 にして作製することでZnOのバンドギャップ エネルギーに近づくと考えられる。

ZnO の融点は非常に高く、加熱温度が高温

であってもZnOの作製は可能である。本研究で

は 300℃まで行っているが、さらに温度を上げ

ることでZnOに近づくと考えられる。

5.5.2 スパッタ圧の変化による測定結果

2 3

0 1 2 3 4 5 [10

10

] 6

室温 200℃

300℃

(Eα)2 (eV2 cm-2 )

Photon energy (eV)

1.78 eV 2.42 eV 2.56 eV

0 1000 2000

0 20 40 60 80

室温 200 ℃ 300 ℃

Wavelength (nm)

T ra ns m it ta nc e (%)

Fig.5.5.3 透過率測定結果

Fig.5.2.4 光吸収係数測定結果

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Table5.5.2 作製条件

上図はスパッタ雰囲気をN2のみ、基板加熱を200℃で固定し、スパッタ圧を0.3Pa~1.5Pa まで変化させた時の XRD 測定結果であり、Fig5.5.5 は Si 基板上で作製したものに対し

Fig.5.2.6はガラス基板上で作製したものである。

測定結果より0.5Paの条件で作製した場合が最も強度が強く半値幅も狭くなっており、最

基板加熱[℃] 200

スパッタ圧[Pa] 0.3~1.5

スパッタ電力[W] 100

スパッタ時間[min] 90

0 500 1000

0.3Pa

ZnO(002)

半値幅 0.71°

0 2000 4000

0.5Pa

ZnO(002)

半値幅 0.54°

0 1000 2000

0.75Pa

Int e ns it y (c ount s)

ZnO(002)

半値幅 0.69°

0 1000 2000

1.0Pa

ZnO(002)

半値幅 0.77°

20 30 40 50 60 70 80

0 1000 2000

1.5Pa

2 θ (deg)

ZnO(002)

半値幅 0.67°

0 4000 8000

0.3Pa

ZnO(002)

半値幅 0.46°

0 5000 10000

0.5Pa

ZnO(002)

半値幅 0.48°

0 200 400 600

0.75Pa

Int e ns it y (c ount s)

ZnO(002) ZnO(101)

半値幅 0.54°

0 200 400

1.0Pa

ZnO(002) ZnO(101)

半値幅 0.75°

20 30 40 50 60 70 80

0 500 1000 1500

1.5Pa

2θ (deg)

ZnO(002)

半値幅 0.46°

Fig.5.5.5 スパッタ圧変化(Si基板) Fig.5.5.6 スパッタ圧変化(ガラス基板)

40 も結晶性が良いことが確認できる。

ガラス基板上で作製した薄膜は0.3Paと0.5Paにおいて、強度と半値幅を見ると結晶性は 非常に良くなっている。しかしSi基板上では1.0Pa、ガラス基板上では0.75Paを超えると 結晶性が悪くなる。スパッタ圧を高くすることで、真空層内に窒素分子が多く存在するた め衝突する確率が高くなり、基板に対し垂直に衝突しない粒子が増えたことや窒素分子と の衝突によってエネルギーが失われてしまったことから、基板を加熱した効果が小さくな ってしまったと考えられる。0.75Pa において、Si 基板上の薄膜に比べ、基板加熱の効果が 高いガラス基板上で作製した薄膜の結晶性が悪いことから、衝突によるエネルギーの損失 が大きかったのではないかと考えられる。

5.5.3 基板温度変化についてのアニール処理による結果

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Table5.5.3 アニール条件

Fig5.5.7 はTable5.5.1 の作製条件で作 製した試料をTable5.5.3の条件でアニー ル処理したものをXRD測定したもので ある。

アニール処理は 900℃で行ったため ガラス基板では耐えられないので、Si 基板で作製した薄膜のみアニール処理 を行った。

Fig5.2.1と比較すると、加熱温度が低

い時、アニール処理の効果が高かった。

基盤加熱を室温、150℃で作製した薄 膜はアニール後、強度が強くなり半値 幅も狭くなったことから、結晶性が良 くなったことが分かる。その際、特に ZnO(002)の 成 長 度 合 い が 大 き い 。

Fig5.2.1を確認すると温度が高くなるに

つれて ZnO(002)の強度は強くなってい

ることを含め、その方位が最も加熱に よる効果が高いことが認められる。

200℃の場合、半値幅が狭くなり、粒 子が成長しサイズが大きくなったこと が確認できる。それに対し強度は弱くな っている。

250℃の場合、結晶性は悪くなっていることが確認できる。半値幅が広がっていることか ら粒子サイズが小さくなっていることが確認される。アニール時の加熱による成長は観測 できなかった。また、強度が極端に弱くなっていることから、加熱により基板と薄膜の膨 張率の違いにより薄膜がはがれてしまったことが原因と考えられる。

300℃の場合、アニール処理を行うことによってランダム方位な多結晶であった粒子が単

アニール雰囲気 窒素

アニール温度[℃] 900

アニール時間[min] 1

Fig5.2.7 アニール処理結果

0 100 200 300

室温

ZnO(110)

ZnO(002)

半値幅 0.28°

0 100 200

150 ℃

ZnO(103)

ZnO(002)

半値幅 0.29°

0 400 800

200℃

Int e ns it y (c ount s)

ZnO(002)

半値幅 0.44°

0 200 400 600

250℃

ZnO(002)

半値幅 0.76°

20 30 40 50 60 70 80

0 20 40 60 80 100

300 ℃

2 θ (deg)

ZnO(002)

半値幅 0.60°

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結晶に近づいている。薄膜作製後、アニールによりエネルギーを受け取り粒子がさらに安 定した位置に移動したことが要因と考えられる。

アニール処理を行うと全ての試料で導通が確認された。アニール前も導通が確認された 試料があったが、どれも抵抗が非常に大きいが、アニール後は抵抗が小さくなっている。

本研究では薄膜作製を透明基板としてガラス基板を用いたため、アニール処理を行うこ とができなかった。前述したようにSi基板上で作製した薄膜より、ガラス基板上で作製し た薄膜は結晶性が良かったことから、今後は石英基板を用いて薄膜作製を行い、アニール 処理をした薄膜の測定・評価を行いたい。

5.5.4 スパッタ圧の変化によるアニール処理測定結果

43 Fig5.5.8はTable5.5.2の作製条件で作製

した試料をTable5.5.3の条件でアニール 処理した薄膜のXRD測定である。

Fig5.5.5と比べると半値幅が狭くなっ

ているため、粒子が成長したことが確認 できる。これは基板加熱温度を200℃で 作製したことが一番の要因であると考 えられる。

スパッタ圧が高くなるほどアニール の効果が大きくなることがグラフより 読み取れる。アニールの際、アニールに より得たエネルギーによって結晶の成 長が促されたと考えられる。スパッタ圧 が高い状態で作製した薄膜は失ったエ ネルギーが大きかったため、アニール処 理による結晶性の改善が大きかったと 考えられる。

0 200 400 600 800 1000

0.3Pa

ZnO(002)

0 1000 2000

0.5Pa

ZnO(002)

0 1000 2000

0.75Pa

Int e ns it y(c ount s)

ZnO(002)

0 1000 2000

1.0Pa

ZnO(002)

20 30 40 50 60 70 80

0 1000 2000 3000

1.5Pa

2 θ (deg)

ZnO(002)

Fig5.2.8 アニール処理結果

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