第4章 計画の内容
第1節 基本目標Ⅰ あらゆる分野における男女共同参画の促進
1 多様な選択が可能となる意識づくりと教育・学習の推進 現状と課題
男女共同参画社会とは、男女が性別に関わりなく、人として尊重され、個性と能力を十分 発揮することができる活力ある社会です。その社会を実現するためには、男女が固定的な性 別役割分担意識にとらわれることなく、 主体的に物事を考え選択する力を身につける必要が あります。
全国の男女別の進学率の推移(図表 23)では、高等学校等への進学率は、男女の差はほぼ ありませんが、女子の大学(学部)への進学率は長期的にみると上昇傾向にあるものの依然 として約 10 ポイントの差があります。
そのため、子どもの頃から学校をはじめ、家庭や地域などさまざまな場面で、男女共同参 画に関する正しい知識や自立の意識を育むとともに、 情報があふれる中でのメディアリテラ シーの向上、自らの意思によって多様な生き方が選択できるよう教育・学習を推進していく 必要があります。
図表 23 学校種類別進学率の推移
96.2 96.9
54.0 45.6
9.5 15.0
0 6.0 20 40 60 80 100
27 30 35 40 45 50 55 60 2 7 12 17 22 25
男 女
(年) 高等学校等
大学(学部)
短期大学(本科)女子のみ
大学院
(%)
昭和 平成
資料:内閣府「平成26 年度男女共同参画白書」
推 進 方 針
固定的な性別役割分担を反映した社会通念や慣行を見直し、町民一人ひとりが男女共同参 画の理解を深め、男女がともにさまざまな選択が可能となるような意識づくりに取り組みま す。
また、子どものころから人権が尊重されることの大切さや、個性や能力を社会で十分発揮 できることの大切さを学び、自らの意思によって多様な生き方を選択できるよう教育・学習 を充実します。
推進施策 施策の内容 担当課
a 男女共同参画に関す る意識啓発
・男女共同参画講演会の実施
・啓発紙の発行
・広報、パンフレット、町ホームページ等 による情報提供
・計画書、 各種統計の男女別データの整備、
公表
企画課
b 男女平等を進める教 育環境の整備
・心の教育の推進
・個性に応じた進路指導の推進
・人権教育研修の実施
学校教育課
c 男女平等意識を育て る家庭教育の推進
・プレママ・パパ(出産育児)教室
・家庭教育講座の推進
子育て支援課
生涯学習課
2 さまざまな分野での活躍の支援
現状と課題
地域においては、少子高齢化や1人暮らし世帯の増加が進み、町民相互の社会的なつなが りの希薄化など、 その相互扶助機能が弱体化しつつあります。 そのため、 福祉、 環境、 防犯・
防災、まちづくり等の分野において、住民全体が協力して課題の解決に取り組む必要があり ます。
町民アンケートによると「組織の会長は男性の方が向いているか」について(図表 24) 、 意識ではそう思わないが男女とも5割を超えていますが、実態では、男性の方が向いている が男女とも5割を超えており、 地域行事やPTAなど現場活動の担い手の多くが女性である にも関わらず、意思決定の場では女性の参画が少ないのが現状です。男女が協力し、同じ関 わり方で活動することが大切であり、 男性と同様に女性の登用を積極的に進める必要があり ます。
今後は、地域のあらゆる分野において、男女共同参画の視点に立って、男女が協力して取 り組んでいくための意識や環境づくりが必要となります。
図表 24 「組織の会長は男性の方が向いているか」についての意識と実態
資料:町民アンケート
推 進 方 針
さまざまな分野で男女共同参画の視点を活かした取組みができるよう男女の均等な参画 を推進し、男女がともに活動できるよう支援を行います。
推進施策 施策の内容 担当課
a 団体における女性の 登用促進
・委員推薦団体への女性の登用促進への協 力要請
企画課
b 活 力 あ る ま ち づ く り を 支 え る 分 野 へ の男女の参画
・防災や福祉など地域における活動への男 女の均等な参画の促進
・観光産業における女性の活躍の促進
総務防災課 健康福祉課 観光課
〇神奈川なでしこブランド(女性の活躍促進)
「神奈川なでしこブランド」とは
県内の企業や団体から、 女性が開発に貢献した商品を募集し、 審査をしたうえで優れた ものを「神奈川なでしこブランド」として神奈川県が認定しています。つまり、 「神奈川 なでしこブランド認定商品=女性が開発に貢献した商品」となります。
認定した商品を県が
PRすることにより、 企業に女性の活躍の効果について理解してい ただき、 経営戦略として自主的に女性の登用を推進していただくことと同時に、 女性の活 躍促進に向けての社会機運の醸成が図られることを期待しています。
企業・団体にとっては、商品の販売促進はもちろん、企業・団体のイメージアップにも つながることとなります。
認定商品は「子どもを守りたい」 「快適に生活したい」 「環境にやさしい」というような 誰もが持つ普遍的な願いをかたちにしている質の高いものが多く、 女性のみならず、 さま ざまな人たちの生活を豊かにする可能性をもっています。
第1回神奈川なでしこブランド認定商品(平成 25 年度 44 件中、箱根町内の認定2件)
資料:神奈川県ホームページ
3 政策・方針決定過程への女性の参画等の促進
現状と課題
男女共同参画社会を実現していくためには、政策や方針の立案・決定過程において女性の 参画を拡大していくことが重要です。
本町の審議会等の女性委員比率は、平成 26 年度 17.9%で、教育委員会などの執行機関で ある行政委員会への女性の登用率は、 7.1%と 10 年前の割合からほぼ変化がない状況にあり ます(図表 25) 。
また、本町の一般行政職の女性管理職比率は、平成 19 年度の 3.2%から上昇傾向にあり、
平成 26 年度は 14.0%となりました(図表 26) 。
今後は、女性の政策や方針の立案・決定過程への参画を促進するためにも、ポジティブ・
アクション(積極的改善措置)や人材の育成、審議会委員を公募の周知を工夫するなどさま ざまな対策により、審議会等委員や管理職への女性の積極的な採用・登用の拡大を図る必要 があります。
図表 25 審議会等と行政委員会の女性委員比率の推移
図表 26 本町の女性管理職比率の推移
注:各年度4月1日現在注:各年度4月1日現在
( % ) 区 分 1 8 年 度 1 9年 度 2 0 年 度 2 1年 度 22 年 度 2 3 年 度 2 4年 度 2 5 年 度 2 6年 度 審 議 会 等 の
女 性 委 員 比 率
1 7 .8 17 . 4 1 7 .4 1 9. 0 20 . 9 2 3 .2 20 . 4 1 9 .7 1 7. 9 行 政 委 員 会 の
女 性 委 員 比 率
7 .1 7 . 1 7 .1 7. 1 7 . 1 7 .1 7 . 1 7 .1 7. 1
( 人 ・ % ) 1 9 年 度 2 0 年 度 2 1 年 度 2 2 年 度 2 3 年 度 2 4 年 度 2 5 年 度 2 6 年 度 8 3 8 2 7 6 7 7 7 1 7 3 7 1 7 2
う ち 女 性 管 理 職 4 6 7 6 6 8 8 9
4 . 8 7 . 3 9 . 2 7 . 8 8 . 5 1 1 . 0 1 1 . 3 1 2 . 5 6 2 5 9 5 3 5 2 4 8 4 8 5 0 5 0 う ち 女 性 管 理 職 2 4 4 4 5 7 7 7 女 性 比 率 3 . 2 6 . 8 7 . 5 7 . 7 1 0 . 4 1 4 . 6 1 4 . 0 1 4 . 0 う ち 一 般 行 政 職
管 理 職 総 数 区 分 管 理 職 総 数
女 性 比 率
推 進 方 針
政策や方針の立案・決定過程において、男女双方の意見が反映されるよう、積極的に審議 会等における委員の男女比率の均衡を図ります。また、男女共同参画の推進を担う人材の育 成に努めます。
推進施策 施策の内容 担当課
a 審議会等への男女共 同参画の促進
・審議会、委員会への女性の登用促進
・女性職員の管理職への積極的登用の実施
企画課 総務防災課 b 男女共同参画の推進
を担う人材育成
・各課等の女性人材情報の一元化
・町女性団体の育成
企画課 生涯学習課
基本目標Ⅰの目標値
指 標
平成 25 年度 実績値
平成 31 年度 目標値
男女共同参画講演会の参加者数 55 人 60 人
プレママ・パパ(出産育児)教室における父親参加率 43% 45%
審議会、委員会への女性登用率 19.7% 30%
一般行政職の女性管理職比率 14.0% 30%
女性委員ゼロの審議会、委員会の数 8 7
ドキュメント内
はこね男女共同参画推進プラン(第2次).pdf
(ページ 42-48)