第4章 施策展開
⑧ 地域密着型特定施設入所者生活介護 事業者指導課
概要
定員が 29 人以下で、介護事業者としての指定基準に合致し、その指定を受けた有料老人ホ ーム等の施設であり、利用者に入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機 能訓練及び療養上の世話を行うサービスです。
現状 現在本市にはサービス提供事業者はありません。
方針 特定施設については、広域型の施設整備が進み、十分に需要を満たしていると考えられるた め、第 7 期では整備しない方針です。
単位:ケ所(床)
125
重点施策9 介護サービスの適切な運営
(概況)
○ 要介護(要支援)認定者数の増加に伴い、将来的な介護需要の増加が続く見込みである 一方で、若年人口は減少し続けており、介護人材の確保・育成が喫緊の課題となっていま す。
○ 公益財団法人介護労働安定センターが実施した平成28年度介護労働実態調査の結果によ ると、介護事業所職員の離職率は高く、約7割が勤務年数3年未満で離職しており、事業所 の従業員不足や良質な人材の確保が課題となっています。
○ 増加する介護ニーズに対して、高齢者の自立支援や介護者の負担軽減、介護人材確保な どの観点から、国では介護ロボットの導入を促進していますが、同調査結果によると、約8 割の介護事業所が介護ロボットの導入に至っていません。
〇 市内介護事業所や関係団体からの聞き取り調査では、「様々な機会を捉え人材確保に努 めているが、余裕を持った配置が難しくなっている」、「人材を募集しても人が集まりに くい、特に、学卒者や未経験者の反応が鈍い」など、介護人材の確保に苦慮している状況 が見られました。
○ 一方で、「必要な人材は確保できている」という事業所もあり、こうした事業所では、充 実した福利厚生やキャリアップにつながる研修体制、系列法人間での適切な人材配置など、
働きやすい環境づくりに向けて、様々な工夫を凝らしていました。
○ 介護人材不足が一層深刻となることが予測される中、貴重な介護人材を有効活用し、真 にサービスを必要としている人に必要なサービスが提供されるよう、高齢者やその家族が、
介護保険法の本旨を理解し、高齢者自らがその有する能力の維持向上に努めつつ、各種サ ービスを適切に受けることの大切さを意識してもらうことが求められています。
○ 総合事業の開始に伴い、多様なサービスの提供や適正な事業者の指定など、保険者であ る市が果たすべき役割は一層大きくなっています。
現状
岡山県における介護人材の不足感
資料:(公財)介護労働安定センター「介護労働実態調査(H28)」 192
283 339
420 489
533
0 100 200 300 400 500 600
H12 15 18 21 24 27
(億円)
2.9 2.9 3.8 9.4 9.4 10.3
22.9 11.8
7.2 2.6
12.5 19.8 17.9
27.1 20.9
15.9 11.4
11.5 19.8
23.6 10.3
22.9 20.9
73.9 85.7 79.5
57.3 47.2 61.5
27.1 46.4
0% 20% 40% 60% 80%
介護支援専門員 PT・OT・ST等 生活相談員 看護職員 介護職員 サービス提供責任者 訪問介護員 全体
大いに不足 不足 やや不足 適当 過剰
岡山市における介護給付費の推移
(第6期計画の主な取組・評価)
◇介護人材の確保・育成
介護人材の確保・育成に向けて、県との共催による認知症介護に関する各種研修を実施 しました。本市独自の介護人材育成・確保策として、介護サービスや仕事への理解の醸成 を図る「交流事業」と、事業者の困難事例への対応力強化や事務効率化を支援するために 専門講師を派遣する「派遣事業」に取り組むとともに、実地指導等により介護職員の処遇 改善加算が適切に運営されているかなどについて確認を行いました。
◇適切なサービス等の確保
適正な事業者の指定、指導・監督や、ケアマネジャーや介護事業所職員、在宅医療・療 養を支える医師、看護師、薬剤師等への研修等により、サービスの質の確保を図りました。
総合特区デイサービス改善インセンティブ事業により、利用者の状態の維持・改善に積 極的に取り組む事業所を評価し、インセンティブを付与することで、介護サービスの質の 向上を図りました。また、サービス付き高齢者住宅や有料老人ホームに居宅サービスが併 設されている形態の事業者については重点的に指導を行いました。
◇公平・公正な運営
要介護認定の適正化、ケアプランの点検、住宅改修等の点検、縦覧点検・医療情報との 突合、介護給付費通知の主要5事業をはじめとする適正化事業を推進してきましたが、今後、
介護給付の適正化をより一層推進することで、介護保険制度の持続可能性を確保していく 必要があります。
◇費用負担に対する配慮
介護保険料・介護サービスの利用に係る利用者負担割合について、介護保険料の独自減 免や社会福祉法人による利用者負担軽減制度の実施など、低所得者に対して過重な負担と ならないよう配慮しています。
○ 介護や支援が必要な高齢者が、安心で適時・適切なサービスを選択できるためには、介 護保険制度が安定的に運営されることが重要です。介護人材の確保・育成・定着や、介護 サービスの質の一層の向上を進めるとともに、増加が続く介護給付の適正化に向けて、市 民への周知・啓発を一層進める必要があります。また、サービス利用者への各種情報提供 や相談体制の充実、低所得者への配慮等を引き続き行う必要があります。
課題認識・基本的な考え方
主な指標(単位) H27 H28
ケアプランの点検(件) 107 184
要介護認定の適正化(認定調査状況チェック)(件) 12,918 13,049
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(1)介護人材の確保・育成・定着
・ 介護人材の確保・育成・定着に向けて、中長期的な視点を持ちながら、介護事業所や 関係団体等と連携し、様々な取組を総合的に進めます。学生など若年層への介護職の魅 力・やりがい等を発信するとともに、離職した介護人材の呼び戻しや中高年齢者等の就 労促進を進めます。
・ 介護事業所への講師派遣による課題解決や離職防止支援、就労環境の改善の働きかけ、
介護職員の資質向上やキャリア形成に向けた各種研修等により、介護人材の育成・定着 を図ります。
(2)介護事業者への支援
・ 介護ロボットの貸与等を通じて介護事業所、介護人材等の負担軽減を図るとともに、
利用者の状態を維持・改善する事業者への評価・インセンティブの付与や、事業者への 適正な指導・監督等を通じて、介護サービスの質のさらなる向上を進めます。
(3)介護保険サービスの質の確保と向上
・ 介護サービスの利用者が安心して多様なサービスを利用できるよう、わかりやすい情 報提供や相談・苦情対応に努めるなど、情報提供・相談体制を充実させます。あわせて、
様々な場面を通じて、地域包括ケアシステムや介護保険制度の趣旨、「自立」の意味等 について、市民理解の醸成を進めます。
・ 要介護認定や介護給付の適正化をさらに進め、適切なサービスを確保し、結果として、
介護給付費や介護保険料の増大を抑制し、持続可能な介護保険制度の構築を進めます。
・ 引き続き、低所得者に対する費用負担の配慮を行い、必要なサービスを安心して利用 できる体制づくりを進めます。
施策展開の方向性
○国の推計では、2025 年(平成 37 年)における福祉・介護人材の需給ギャップは全国で約 38 万人とされ ており、そのうち岡山県では約 6 千人に達する見込みです。こうした中、本市においても福祉・介護人材不 足の解消策の一つとして、外国人人材の活用等を進める施設があります。
1 障がい福祉施設の事例(外国人人材の活用等)
・ある施設では、系列や連携している専門学校に、現地で面接を行った東南アジアの外国人学生を入学させ、
要件を満たす学生には奨学金を支援することで、より優れたスキルを有する人材を積極的に育成しています。
また、日本人・外国人共通の技能・給与体系等の判定基準を適用しており、スキルの高い人材に高い給与を 出せるようにして、自発的な定着につなげています。
2 特別養護老人ホームの事例(外国人人材の活用等)
・ある施設では、経済連携協定(EPA)を活用し、常勤・非常勤を含めた全職員 55 人中 4 人について、外 国人人材を採用しています。いずれの方もインドネシアの出身で、介護サービスの提供に支障のない程度の 日本語会話能力を有しています。将来的には、訪問サービスへの外国人人材の活用を図りたいとのことです が、訪問サービスは、より自立度の高い高齢者へのサービス提供となり、一層高度な日本語会話能力が求め られるため、まずは、施設への外国人人材の定着・活用を進めたいとのことでした。
・当施設では、外国人人材の定着に向けて、国で定められた日本語研修に加え、市の観光名所への案内や地 元町内会との交流等の独自の取組を行っています。
コラム 福祉・介護施設等での外国人人材の活用事例