第1節 在宅医療・介護連携の推進
1 在宅医療・介護連携の推進
(1)目的・内容
在宅医療・介護連携の推進により、医療ニーズと介護ニーズを併せ持つ高齢者を 地域で支えていくため、日常生活圏域において必要となる在宅医療・介護連携のた めの体制を医師会等の協力を得て充実させます。
また、市民に、医療・介護サービスについて理解を深めてもらえるよう、的確な 情報提供とわかりやすく丁寧な説明を行っていきます。
(2)現状と課題 ア 現状
医師会に在宅医療・介護連携推進事業の一部を委託し、「安曇野市在宅医療連 携推進協議会(※1)」(以下「協議会」という)と「ワーキンググループ(※2)」 の活動を中心に、医師会・歯科医師会・薬剤師会・介護保険事業所等関係団体と 連携を図りながら取組を進めています。
特に、在宅医療・介護連携推進8事業のうち、「(ア)地域の医療・介護の資源 の把握」では、地域資源の把握のため「安曇野市医療と介護の連携マップ」を作 成し、活用を進めています。また「(イ)在宅医療・介護連携の課題の抽出と対 応策の検討」については、在宅医療連携推進協議会やワーキンググループ、多職 種による研修会等において課題の抽出と検討を進め、「(カ)医療・介護関係者の 研修」では、医療・介護関係者が一堂に会しグループワークによる研修を行って おり、「(キ)地域住民への普及啓発」では関連する内容をテーマに市民公開講座 を行っています。
(※1) 安曇野市在宅医療連携推進協議会
医師会が主体となり、在宅医療・在宅療養のため多職種の機関・関係者間の連 携体制を構築し、また問題点を協議することにより、在宅医療の充実を図ること を目的に平成 26 年度に設立されました。
協議会は、医師会・歯科医師会・薬剤師会・介護保険事業所等と市の担当者に より構成されており、在宅医療・介護連携事業の推進のための課題の抽出や対応 策の協議の場としての重要な組織として位置づけられています。
(※2) ワーキンググループ
在宅医療・介護連携事業を推進するため、安曇野市在宅医療連携推進協議会に
所属する委員のうち医療・介護の代表者と市担当者により、平成 28 年度に組織 化されました。在宅医療連携推進協議会と連携を図りながら、課題の抽出や対応 策の協議、研修会の企画を始め、在宅医療・介護連携事業の推進のための具体的 な進め方を協議する活動をしています。
イ 課題
安曇野市在宅医療連携推進協議会とワーキンググループの活動を中心に、在宅 医療・介護連携推進8事業を実施しています。この間、医師会・歯科医師会・薬 剤師会・介護保険事業所等関係団体との連携も進み、顔の見える関係づくりにつ ながっています。
今後、医療ニーズと介護ニーズを併せ持つ高齢者の増加を見据え、現在進めて いる事業をさらに推進するとともに、日常生活圏域における在宅医療・介護連携 のための体制の充実が重要となります。
そして市民に対しては、的確な情報提供により、理解を深めていただくことが できるよう取り組む必要があります。
(3)本計画内の方針と目標
現在進めている在宅医療・介護連携推進事業について、医師会・歯科医師会・薬 剤師会・介護保険事業所等関係団体との連携をさらに進め、以下のとおり一層の充 実に向け取り組んでいきます。
ア 地域の医療・介護の資源の把握
地域における在宅医療及び介護に関する情報の収集、整理及び活用を行う事業 では、市内医療・介護関係者向けに作成した「安曇野市医療と介護の連携マップ」
の活用を進めるとともに、最新情報の収集等による改訂版を作成し、平成 31 年 度の配付を目指します。
イ 在宅医療・介護連携の課題の抽出と対応策の検討
医療・介護関係者による安曇野市在宅医療連携推進協議会とワーキンググルー プ等の会議をより充実させ、課題の把握及びその解決に資する必要な施策を検討 していきます。
ウ 切れ目のない在宅医療と介護の提供体制の構築推進
医療・介護関係者による安曇野市在宅医療連携推進協議会、ワーキンググルー プ等の会議により、在宅医療及び在宅介護が円滑に提供される仕組みの構築に向 けた方策の企画及び立案に向けた取り組みを進めていきます。
エ 医療・介護関係者の情報共有の支援
市内において、医療機関と介護支援専門員における情報共有のための情報提供 書(入退院時)など既存の情報共有ツールの活用が進んでいる状況を踏まえ、高
オ 在宅医療・介護連携に関する相談支援
地域の医療・介護関係者からの在宅医療・介護連携に関する相談に応じるため、
中央地域包括支援センター内に配置したコーディネーターが相談支援や連携に 関する取組を行います。
カ 在宅医療・介護関係者に関する研修
医療・介護関係者に対する研修を充実させ、在宅医療・介護連携のために必要 な知識の習得や向上を目指します。
キ 地域住民への普及啓発
在宅医療・介護連携に関する市民公開講座の開催と内容を充実させ、市民の理 解がより深まるよう取り組みます。
ク 在宅医療・介護連携に関する関係市区町村との連携
長野県と松本圏域関係市村による、「松本圏域在宅医療・介護連携行政連絡協 議会(幹事会)」や担当者会議を中心に、在宅医療・介護連携に関する協議によ り、広域的な連携を目指します。
第2節 認知症施策の推進 1 認知症施策の推進
(1)目的・内容
新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)に基づき、認知症の人が住み慣 れた地域で安心して暮らし続けるために、認知症の容態の変化に応じて、適時・
適切に切れ目なく保健医療サービス及び福祉サービスが提供される仕組みを構 築し、また、医療や介護に携わる者の認知症対応力の向上のための取り組みを推 進するとともに、認知症に精通する医療機関、介護保険事業所、専門職等と連携 し、認知症の人を地域で支えるための各種施策を進めます。
(2)現状と課題 ア 現状
(ア)認知症初期集中支援チームの運営・活用
認知症の早期診断・早期対応に向けた支援体制を構築するため、医師会等と の連携により、平成 29 年度に中央地域包括支援センター内に認知症初期集中 支援チームを1チーム設置し、業務マニュアルに基づいた支援が開始されてい ます。
(イ)認知症地域支援推進員の活動の推進
平成 27 年度より市の認知症施策を中心となり推進する認知症地域支援推進 員を市内3か所の地域包括支援センターに計3人配置しました。医療機関や介 護サービス及び認知症カフェ等の関係機関と連携を図り、認知症の方やその家 族を支援するための相談業務等を実施しています。
認知症とその進行に合わせたサービスや支援をまとめた「安曇野認知症ガイ ドブック(認知症ケアパス)」を平成 27 年度に作成し、全戸配布を行うととも に、その内容についての普及啓発を行っています。
認知症カフェの設置の推進では、施設開設時の補助事業や運営に対する補助 事業、認知症地域支援推進員による活動支援などを行っており、平成 29 年8 月末で5か所の認知症カフェが運営されています。
(ウ)権利擁護の取組の推進
松本市社会福祉協議会が設置・運営する成年後見支援センターに対し補助金 を交付し、成年後見に関する相談支援・法人後見受任の業務や市民後見人の育 成・活用について連携しながら進めています。
(エ)地域の見守りネットワークの構築
「認知症見守りネットワーク」事業を行っています。これは認知症により外 出後戻れなくなる危険性のある対象者を、地域において見守るためのネットワ ークで、家に戻れなくなった場合の早期発見とそれに伴う事故等の発生防止に つなげています。
各団体が日常業務の中で異変に気付いた際に市に連絡することで、安否確認や、
事故防止につなげています。
(オ)認知症サポーターの養成と活用
市民が認知症と認知症の方への対応方法に関する知識と理解を深めること ができるよう、認知症サポーター養成講座を実施しており、養成数は平成 29 年8月末で 4, 743 人となっています。
(カ)独自事業
相談支援では、市医師会主体の安曇野認知症ネットワークを活用しています。
このネットワークは、認知症の早期発見のためのツールを活用し、「専門医」
と「協力かかりつけ医」との連携により、認知症の早期発見・早期対応を図る ためのシステムです。
医師会・地域包括支援センターが主体となり、地域包括支援センターに介護 支援専門員から寄せられた認知症の対応困難なケースに関し、その支援のため の安曇野認知症ケア会議を開催していましたが、平成 29 年度からは在宅医療・
介護連携推進事業の中の多職種による研修会に検討の場を移しています。
地域において自主的な活動を行っているグループ(おおむね 10 人以上)に 対し、認知症予防活動と認知機能低下者を支える活動をしていただくための支 援としてファイブ・コグ検査(認知機能検査)を行い、認知症予防活動とその 評価に活かせるようにしています。
イ 課題
新オレンジプランに基づき、認知症初期集中支援チームによる支援や認知症地 域支援推進員の活動、権利擁護の推進や認知症サポーターの養成等の認知症施策 を推進してきました。今後増加が見込まれる認知症の人への対応のために、これ らの事業をさらに推進していく必要があります。
(3)本計画内の方針と目標
新オレンジプランに基づいて、認知症の容態の変化に応じて、必要な医療・介 護などのサービスや支援が提供されるようネットワークの形成を目指すととも に、認知症ケア向上を図るための取り組みを推進していきます。このため、認知 症地域支援推進員を中心に医療機関や介護サービス・地域の支援機関等との連携 をさらに進めていきます。
ア 認知症初期集中支援チームの運営・活用の推進
平成 29 年度に設置した認知症初期集中支援チームについては、市医師会と連 携し、未受診や介護サービス未利用者などの認知症の方に早期に関わることで、
早期診断・早期対応に向けた支援体制の構築を目指します。チームの運営にあた っては、医療機関や介護サービス事業者・既存の相談機関との連携を深めるとと もに、検討委員会において支援チームの活動状況を協議する中で、運営・活用の 推進を図ります。
イ 認知症地域支援推進員の活動の推進