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審査における主な指摘事項

第 2 章 風力発電所

2.7 審査における主な指摘事項

経済産業省・環境審査顧問会・風力部会における議事録を収集して分析し、審査におけ る主な指摘事項を整理した。資料収集の対象としたのは、2015 年度の第 1 回~第 16 回の 計 16 回分であり、方法書段階が 19 事業、準備書段階が 15 事業である。

指摘事項の整理結果は、下図に示すとおりであり、方法書段階で「動物・生態系」(平 均約 6 件)、「騒音及び超低周波音」(平均約 3 件)、「事業計画」(平均約 2.5 件)、準備 書段階で「動物・生態系」(平均約 8 件)、「騒音及び超低周波音」(平均約 7 件)、「大気 質」(平均約 3 件)であった。

注 1) 2015 年度:第 1 回~16 回の風力部会での指摘件数を集計。

注 2) 事業数は、方法書:19 事業、準備書:15 事業

図 32 経済産業省・環境審査顧問会・風力部会における指摘件数

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

事業計画 大気質 騒音及び超低周波音 振動 水質 流向・流速 底質 地形及び地質 動物・生態系 植物

11.

景観 人と自然との 触れ合いの活動の場 廃棄物等 風車の影 温室効果ガス等 放射性物質 その他

件数(件/事業)

準備書

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

事業計画 大気質 騒音及び超低周波音 振動 水質 流向・流速 底質 地形及び地質 動物・生態系 植物 景観 人と自然との 触れ合いの活動の場 廃棄物等 風車の影 温室効果ガス等 放射性物質 その他

件数(件/事業)

方法書

主な指摘事項と前倒環境調査における留意事項は次ページの表に示すとおりであり、事 業計画等について、以下に留意する必要があると考えられる。

【事業計画について】

・工事用道路等の設置が想定される場所を事前に検討し、事業実施区域に含める。

・各自治体のガイドラインや重要な地形等の区域を事前によく確認し、リスクが高い場 所は事業実施区域から除外することを検討する。

・方法書には調査計画の妥当性を確認するために必要な事業計画の情報を記載する。

・前倒環境調査の結果を活用して、環境影響の回避・低減を図る。

【近傍他事業との累積的影響に係る調査、予測、評価について】

・近傍に計画中の風力発電所の設置事業がある場合は、可能な限り調査計画の内容等に ついて調整を図る。

なお、環境影響評価項目ごとの調査地点、時期の設定方法に関する指摘事項については、

次ページの表に示すとおりであり、手戻りのない調査計画の立案を行う必要があると考え られる。

1 事業計画 工事用道路等の計画がある場合、それも含めて対象事 業実施区域を設定すること。

工事用道路等の設置が想定される場所を事前に検討し たうえで対象事業実施区域を設定し、もれのない調査を 行う。

2 各自治体のガイドライン等によって好ましくないとされて いる場所に計画する場合は、その計画の必要性とその 協議状況についても説明すること。

※方法書は建設できることが決まってから提出すべき。

各自治体のガイドライン等を事前に確認して事業の実施 可否を判断したたうえで、前倒環境調査及びアセス手続 に着手する。

3 重要な地形を含む区画は計画から除かれるべき。含む 場合は理由を明示すること。

重要な地形及び地質等の文献調査で把握できるリスクは 事前に確認する。

4 方法書の段階で配置計画および発電設備の緒元等を示 し、調査地点との関係を議論できるようにすること。

準備書の段階で追加調査等の指摘を受けないように、方 法書に調査計画の妥当性を確認するために必要な事業 計画の情報を記載する。

5 アセス時の調査を生かし、改変を最低限にするような造 成あるいはルート、設置位置を検討し、設計の最適化を 計ること。

前倒環境調査の結果を活用して、環境影響の回避又は 低減が図れるような事業計画を立案する。

6 大気質 気象観測地点は、地形の影響を受けず、データに代表 性がある地点を選定すること。

地域特性を事前に把握したうえで、適切な調査地点を設 定する。

7 降下ばいじんの測定を行わないならば、現況の粉じん濃 度が非常に低いことを示した上で、影響が少ないことが わかりやすい記載とすること。

現況の粉じん濃度が非常に低いことを示せない場合に は、降下ばいじんの測定も行う。

8 騒音及び 超低周波

低周波音の測定時には、調査地点の近隣で風向風速を 観測するように努めること。また、風雑音防止のための措 置を示すこと。

低周波音の測定と併せて風向風速も測定する。また、風 雑音防止のための措置を行う。

9 準備書作成に移る調査段階で、風力発電機の配置、及 び調査地点の選定が適切であるかどうかを再度確認する こと。

風力発電機の配置は概略であっても事前に検討し、事 業による影響を適切に予測、評価できる調査地点を設定 する。

10 騒音については、バックグラウンドの影響で環境基準を 超えている場合でも、事業による影響がかなり低いレベ ルであるという評価もありえる。

バックグラウンドの値が大きい場合には、現地調査により その状況を把握する。

11 水質 評価項目に水の濁りを入れないことに対して、土堤で 囲った範囲で浸透が完全にできるという根拠を示すこと。

排水が完全にできるという根拠を示せない場合は、評価 項目に水の濁りを追加し、現地調査も行う。

12 動物・生 態系

方法書において、生態系の注目種として選定する種や、

調査内容を明言していない場合は、準備書段階で、手 戻り的な意見が出る可能性があることを想定しておくこ と。

準備書の段階で追加調査等の指摘を受けないように、方 法書に調査計画の妥当性を確認できる情報を記載する。

13 植物 保安林が行政界や法律による線引きで分かれている場 合であっても、林の環境が同様であれば、実際の環境条 件によって事業区域から外すよう判断すること。

保安林を回避する必要がある場合には、改変を回避する 範囲を保安林の境界線のみで判断するのではなく、実際 の環境条件によって回避する範囲を判断する。

14 移植措置については、生育環境条件の調査を具体的に 行ったうえで移植措置、場所の選定を行うこと。

やむを得ず植物の移植を行う必要が生じた場合は、生育 分布の調査と併せて生育環境条件の調査も行う。

15 景観 風力発電機の可視領域と近接住居等との位置関係がわ かる可視領域図を作成し、風車の配置等の検討により、

地域の日常生活における眺望景観改変の低減化を図る こと。

風力発電機の配置の確定にあたっては、近隣住居等の 地点からの可視領域図を用いた検討も行う。

16 景観に対する累積的な影響については、全周囲の景観 についての評価についても検討すること。

近傍に計画中の風力発電事業がある場合は、対象事業 方向のみではなく、他事業方向の景観写真も撮影する。

<主要な指摘の区分>

 ①:事業地の環境影響リスクに対する指摘  ②:調査、予測等の技術的な指導

 ③:調査、予測結果等を事業計画へ適切に反映させることに関する指導  ④:適切な環境アセスメントを行うための助言等

    調査等の手戻りにつながる指摘

指摘事項の要約 前倒環境調査における留意事項

No. 項目 主要な指 摘の区分

表 62 顧問会における指摘事項と前倒環境調査における留意事項

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