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旧)

2.67 土 1.15 221士0.50

X, crystaline MEL;

MEL/EPO 1.06土0.00 233士 1.53

520士 1.37 *

***

30

コ長豊二山Σ邸E袷区

1.2.3 結論

本研究では3つのASDを調製し,物理化学的性質を評価した.調製した全てのASDでPH12の酸 性溶液での著しい溶解性の改善が認められ,特に MEL/EP0 で最も溶解速度が改善し,過飽和に達し

た.また, MEL恒P0 は40゜C/75%臨で30日間保存後に結晶化が認められず, ASDの欠点である長期 保存時の薬物の結晶化を抑制できた. MEL/EP0をラットに経口投与後のMEιの血奬中濃度の立ち上

がりは原薬のMEL と比較して改善した.しかしながら,第 1章のMELナノ粒子製剤(MEL/PVP)と 比較すると AUC。̲8が50%以下と低かった. MEL/EP0 は酸性溶液中ではナノ粒子製剤の MELΦVP よ

りも溶解性に優れるが,中性溶液中ではナノ粒子製剤のMELΦVPの溶解性がMEUEP0よりも優れて

いたため,中性溶液中での溶解性の差がAUCNの差につながったと考えられた

Kawabata らは酸性薬物である tra11ilast と Eudragit EP0 のASDが酸性溶液における溶解性を著しく 改善し,安定性に優れていたことを報告している【59]. ME工は酸性のHydroxy基と塩基性のtMazole基

をあわせ持つ薬物であり,酸性と塩基性の官能基を併せ持つ化合物は薬物分子間の相互作用が強いた

め結晶化が起こりやすいが, MEL の塩基性のthiazole基(PKa=4.2)よりも高い PKa を持っ EudragitEPO

の dimethylaminoethy1基(PKa=10.のが相互作用することにより ASD を安定化することができた.その

ため, Eudrag北EP0によるASD安定化のアプローチは酸性薬物のみならず,酸性と塩基性の官能基を

併せ持つ薬物に適用できると考えられた

第3章総括

近年,新規に上市される医薬品化合物の約40%は難水溶性化合物に分類され,ハイスループットス クリーニングで得られた医薬品候補化合物に占める難水溶性化合物の割合は増加傾向にあるため,難 水溶性化合物の溶解性改善は医薬品開発において重要な位置づけとなっており,種々のアプローチが 盛んに研究されている

第 1章ではMELのナノ粒子化による経口吸収性改善を目的として各種検討を実施した.迅速かつ

簡便な anti・precipitant スクリーニングを用いてナノ粒子製剤の凝集を抑制するポリマーを絞り込み, 湿式粉砕により調製した3種類のMELナノ粒子製剤の物理化学的性質を評価した.結果として,3種 類のMELナノ粒子製剤の溶解プロファイルはいずれも著しく改善したが, MELΦVP, MEL/POVAに

おいては保存時に凝集物の増加が認められた. MELΦVPは保存後も凝集物はほとんどなく,過飽和溶 液において過飽和を維持するポリマーはナノ粒子製剤を保存時の凝集を抑制できる傾向にあった MELΦVPの懸濁液をラットに経口投与した結果,末粉砕のMEL懸濁液と比較して吸収が速やかにな

り, AUC も増加した.これらの結果から,ナノ粒子化による MELの物性改善は速やかな薬効発現に 有効なアプローチであると考えられた

第2章ではMELのアモルファス固体分散体化によるラット経口吸収性改善を目的として各種検討

を実施した.フーリエ変換赤外分光光度計(FT・1R)解析及びプロトン核磁気共鳴分光法 CH、NMR)解

析の結果, MEL/EP0では相互作用によるピークシフトが認められ, ASD 中のMEL と EP0が相互作

用していることが示唆された.方,PVP及びHPCではFT、1R及び'H、NMR ともに著しいピークシフ トは認められず,40OC/75% N1で4週間保存後もMEL疋P0は結晶化が認められなかったことから,

MELとEP0分子間相互作用がMEL/EP0の安定化に寄与していることが示唆された.溶出試験の結果,

32

調製した全てのASDでPHI.2の酸性溶液での著しい溶解性の改善が認められ,特にMEL/EP0で最も 溶解プロファイルが改善した. MEレEP0をラットに経口投与後のMELの血柴中濃度の立ち上がりは

原薬のMEL と比較して改善した.以上の結果から, EP0 を用いてMELのASD を調製することによ

り, MELの溶解性改善及びアモルファス安定化を両立させたMELのASDが得られた

以上 2 つの検討結果は, MEL の物性及び経口吸収性の改善のみならず,新規の難水溶性医薬品候 補化合物の開発推進に寄与できるものと考える

33

第2部実験の部

2‑1

2‑1‑1

第1章実験の部

MEL 結晶は東京化成工業株式会社(東京都)から購入した.ヒドロキシプロピルセルロース 但ydroX沖ropylceⅡUlose,HPC)は日本曹達株式会社(東京都)より購入した.ポリビニルピロリドン (polyvinylP町olidone, PVP)は和光純薬工業株式会社(大阪府)から購入した. Eudragit EPO ((poly

実験材料

(butyl methacwlate・CO・(2・dimethylaminoethyl) methacwlate・CO・methyl methacwlate) 1:2:D, Eudragit L I00

(poly (methacylic acid・CO・methyl methacwlate) 1:D 及び Eudragit N PO (poly(ethyl acwlate・CO・methyl methacrylate・CO・trimethyla11血onioethyl methacrylate chlonde) 1:2:02)は Evonik industnes (Da如Stadt, Ge血any)から得た. POVACOAT Type F (polyvinylalcohov Acrylic acid Methyl methacwlate cop01沖er) は大同化成工業株式会社(兵庫県)から得た. HydmxypropylmethylceⅡUloseacetatesuccinate(HPMC・AS) は信越化学工業株式会社(東京都)より得た.その他の試薬は市販のものを使用した.

2‑1.2 液体クロマトグラフィ

ME工は液体クロマトグラフィーを用いて検出し,濃度は絶対検量線法により定量した.液体クロ

マトグラフィーは high・perfomance liquid C11romatog叩hy (HPLC)(株式会社島津製作所,京都府)を使 用した.キ蒜成は LC・20A solvent delivery U11it, Mgh・pressure aow・1ine selection valves, SIL・20A auto sampler,

CTO‑20A COIU血 Oven及び SPD、M20A diode

(pa丘iclesize:5 1Un,COIU血 dimensions:4.6 mmゞ150 n血)を使用した.カラム温度は 40゜C に保ち,サン プルは 20 mM phosphatebU丘er(PH 7.の及び acetoni廿ile(3/フ, V/V),流速 0.5 mL/m血で分離し,吸光度 360

detector とした.カラムは COSMOSIL 5C18、AR、Ⅱ

array

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血で検出した

溶媒シフト法による結晶析出抑制剤のスクリーニング(anti・precipitantスクリーニング)

2‑1‑3

試験に用いた水溶性ポリマーは150μ創mLの濃度で溶解及び均一に懸濁させた.水溶性ポリマー溶 液及び懸濁液 200 μL を 96 ウェルフィルタープレート(Multiscreenl{Ts solubiliW 釧ter plate,0.45 叩, M辺ゆore)に200μL分注した.次に 1μL の 30mg・MEL/ml・dimethylsulfoxide溶液を各ウェルに添加し, プレートシェーカー aK'へ、MS3digitalMⅨER,1KA,staufen, Ge伽any)を用いて 25゜C で 1時間撹枠し た.ろ過サンプルは遠心処理(500氾,5min)により96 ウェルプレートに回収した.ろ液は等量のアセ

トニトリルで希釈し, ME王濃度は液体クロマトグラフィーにより定量した

35 2‑1‑4

MEL のナノ粒子製剤は自転公転ミキサーにより調製した(NP、100;株式会社シンキー,東京都).粉 砕方法は過去に報告されている方法に従った[卯].すなわち,20 mgのMEL及び2.5gのZirconia ビー ズ(zirconiumoxide,0.11血diameter;株式会社ニッカトー,大阪府)を自転公転ミキサーの容器に秤量 し,0.5mLの水溶性ポリマー溶液(40m創mL)を添加した. MEL懸濁液は二段階の湿式粉砕によりナ ノ粉砕した.第一過程ではポリマー溶液と共に2,ooorpmで2分粉砕し,第二過程では4.5mLの蒸留 水を添加して40orpmで 1分回転させた.ナノ粉砕後に各MEL懸濁液(20mg・MEL/10mL)は液体窒 素により急速凍結し, FD・81丘eeze如er(東京理化器械株式会社,東京都)を用いて凍結乾燥した

湿式粉砕によるナノ粒子製剤の調製

粉末X線回折(XND)

2‑1‑5

XNDパターンはNNTdi缶actometer(株式会社りガク,東京都)を用いて測定した. CUKα照射は 40mA及び40kVの条件とした.回折データは50から400(2θ)の範囲で020刻みで測定し,スキャンス

溶出試験 ピードは50/min とした

2‑1‑6 粒度分布測定

製剤の粒度分布の測定及び比表面積の測定は湿式条件で測定するレーザー回折装置を用いた

(Mastersizer 200O Hydr02000μP, Malvem hlstNments Ltd., worcesterS面re, UK). MEL サンフルを 2.o mL の 蒸留水に懸濁し,超音波処理をせずに懸濁させた.粒度分布から体積累積中位径D50とSPANファク

ターを算出して製剤間の比較を実施した.SPANファクターはSPAN=Φ90‑D1の/D50で定義され,

DI0, D50及びD90 は累積体積がそれぞれ 10%,50%及び90%における粒子径である.即ち SPAN フ

アクターが高いほど粒度分布が幅広いことを示す.また,長期保存時の製剤中の凝集物増加を評価す

るために製剤中の 1μlnよりも大きい粒子の体積の割合を算出した

2‑1‑フ 長期保存時の粒子径の評価

MELサンプルはバイアルに封入し60OCで21日間保存し,粒度分布を測定した

2‑1‑8

溶出試験液は90omLの日本薬局方溶出試験第 1液(PH 12)及び第2液(PH6.8)を用いた. MELサ ンプルの溶出試験は回転バスケット法にて実施し,回転数は 10orpm,温度は370C とした(NTR、VS6,

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富山産業株式会社,大阪府).各MELサンプルは溶出試験べッセル内のMEL量が15mgとなるように 秤量した.サンプリング容量は lmL とし,溶出試験開始7.5,15,30,60,90及び 120分後にサンプ リングした.サンプルは50血以上のMEL粒子を理論上遠心分離できる 15,ooog,15分の条件で遠心

し上清を定量した

2‑1‑9

雄性 SD ラット(sprague・Dawleyrats,2909407.4ginweight;日本エスエルシー株式会社,静岡)を 実験室で飼育し,試験前日までは自由飲食とした.動物実験に関わるすべての手順は摂南大学の動物

実験倫理委員会に承認された内容で実施した

実験動物

2‑1‑10 経口投与後の血奬中濃度測定

MEL サンプルを投与する雄性ラットは試験前日から絶食・自由飲水とした.投与量は健康成人男

性(体重50kg)がヒト臨床最大投与量(15mg)を服用したときの体重当たりの投与量(0.3mg、MEL/kg body)の約 33 倍である 1.omg・MEL/kgbodyweight に相当する MELサンプルを蒸留水に懸濁して経口 投与した.懸濁液の濃度は0.5mg・MEL/mL とした.血液サンプルは経口投与前,経口投与0.5,1,2, 4及び8時間後に頸静脈から採血した.採取したサンプルは3,ooorpmで 10分遠心して血柴サンプル

を得た.血奬75μLに等量のアセトニトリルを添加し,10,000地で5分間遠心し,得られた上清中に おけるMEL濃度を液体クロマトグラフィーにより定量した.水系の溶媒として(A)20mM りン酸緩 衝液(PH7.0)及び有機溶媒として但)アセトニトリルを用いた.グラジエント条件は0‑0.5min,70%

A; 0.5‑5.5 m血,70‑55%A; 5.51‑6.o min,40%A とし,流速は 0.5 mL/min とした

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2‑1‑11 統計解析

二群間の比較はF検定及び対応のない Student'st、test により実施した. P値が0.05 よりも小さいと き統計学的に有意な差があるとした

2‑2 第2章実験の部

2‑2‑1 実験材料

2‑1‑1 に示したものを使用した

2‑2‑2

MEι(30mg)及び水溶性ポリマー(90m幻を 30mL の 1,4・di0稔ne に完全に溶解させ,液体窒素で 急速凍結後にFD・81丘eezedwerを用いて凍結乾燥した(東京理科器械株式会社,東京都).凍結乾燥後 にASD を減圧乾燥することにより25%(側岡のMELを含有するASDを得た

アモルファス固体分散体の調製

2‑2‑3 液体クロマトグラフィー

2‑1‑2 に従って試験を実施した

2‑2‑4

粉末X線回折(XRPD)

2‑1‑5 に従って測定を実施した

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偏光顕微鏡観察(PLM)

各MELサンプルのPLM画像はマイクロスコープ(VHX、50oomicroscope,株式会社キーエンス,大 阪府)を用いて撮影した

2‑2‑5

2‑2‑6

MEιサンプルは開栓状態のバイアルに入れた状態で40士20C/75%N1または40士20C/50%N1で30

日間保存した.相対湿度75%及び50%はそれぞれ塩化ナトリウム懸濁液及び硝酸マグネシウム懸濁液 により維持した.30日保存後に各MELサンプルのXRPD及びPLM試験を実施した

安定性試験

2‑2‑フ

物理混合物及び各ASDなどのMELサンプルを約3 mg・MEL となるように秤量し,30o mgのKBr と均に混和した.混合粉末をプレスすることにより測定用ディスクを調製し,1Rスペクトルを測定 した.1RスペクトルはIRsolutions0丑WaN を用いて解析した(株式会社島津製作所,京都府)

フーリエ変換赤外分光光度計解析

核磁気共鳴(NMR)分光法

2‑2‑8

Eudra即tEP0の有無による MELの'H・NMRスペクトル変化はJEOLECA50ospeC廿ometer(日本電子 株式会社,東京都)を用いて測定した.各サンプルはdimethylsulfoxide・d6(DMSO,99.9%D)に完全に

溶解させ測定した.測定温度は室温とした

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