第 3 章 畑土壌用 EC センサアレイ
3.2 土壌用 EC センサのアレイ化
3.2.4 土壌用 EC センサアレイの特性評価
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図3.3 土壌 (土壌粒子) 洗浄方法
After washing
Mixing with solution
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3.2.4.1 EC センサアレイの水溶液中における動作確認
動作確認の方法
製作した EC センサアレイは,動作確認を行うため硫化アンモニウム水溶液を測定した。
硫化アンモニウム水溶液測定による動作確認の内容は,硫化アンモニウム水溶液のECとEC センサアレイ出力の関係,クロストーク有無である。測定対象の硫化アンモニウム水溶液は,
11種類の濃度である。11種類のECは,10, 20, 30, 50, 100, 200, 300, 450, 600, 800, 1000
mS/m である。測定対象の水溶液温度は25 °C に設定した。
動作確認の結果
ECセンサアレイで硫化アンモニウム水溶液を測定して得られた,水溶液のECとECセン サアレイ出力の関係を図3.4に示す。水溶液のECとECセンサアレイ出力の関係は,R2が
0.9982 と非常に大きい。EC センサアレイ出力から水溶液の ECを求めるための関係式 (校
正曲線) が得られた。得られた関係式を (3.9) 式に示す。
𝐸𝐶 3629.5∙ 𝑉 ⁄𝑉 8146.1∙ 𝑉 ⁄𝑉 4532.1 𝑅 0.9982 (3.9)
また,水溶液中で測定が可能であったことから,ECセンサアレイの防水性を確認できた。
各 ECセンサチップの出力信号差は0.5 % 以下であった。ECセンサチップ間のクロストー クは,各 EC センサチップ出力信号の差が小さいことから非発生であることを確認できた。
以上の結果から,ECセンサアレイによるEC測定,プログラムリレーを利用したアレイの測 定,クロストークの非発生に関する性能が確認された。ECセンサアレイが,各種性能の確認 によって設計通りの動作ができることを示すことができた。
図3.4 硫化アンモニウム水溶液ECとECセンサアレイ出力の関係
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3.2.4.2 モデル土壌における土壌用 EC センサアレイの
動作確認
動作確認の方法
土壌におけるEC センサアレイの動作確認を行うため,製作したECセンサアレイが硫化 アンモニウム水溶液と土壌粒子が混合された,土壌溶液 EC の分かっているモデル土壌を測 定した。モデル土壌測定による動作確認の内容は,土壌溶液EC と ECセンサアレイ出力の 関係を明らかにして校正を行うことである。測定対象のモデル土壌に混合した硫化アンモニ ウム水溶液 (土壌溶液) は,9種類である。そのECは,20, 50, 100, 200, 300, 450, 600, 800,
1000 mS/m である。(3.8) 式を用いて校正を行うため,測定対象の含水率は 0.22 で統一し
た。測定環境の温度は25 °C に設定した。
動作確認の結果
ECセンサアレイでモデル土壌を測定して得られた,土壌溶液ECとECセンサアレイ出力 の関係を図3.5に示す。土壌溶液ECとECセンサアレイ出力の関係は,R2が0.9847と非常 に大きい。ECセンサアレイ出力から土壌溶液ECを求めるための関係式 (校正曲線) が得ら れた。得られた関係式を (3.10) 式に示す。
𝐸𝐶 770.42∙ 𝑉 ⁄𝑉 2046.0∙ 𝑉 ⁄𝑉 1304.7 𝑅 0.9847 (3.10)
また,測定ができたことからは,防塵性を確認できた。以上の結果から,ECセンサアレイが 土壌溶液ECを直接測定するために利用できることを示すことができた。
図3.5 モデル土壌ECwとECセンサアレイ出力の関係
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3.2.4.3 土壌用 EC センサアレイの温度補正
動作確認の方法
3.2.3節で述べた測定モデルにより,土壌に挿入したオンサイトの状態で直接土壌溶液EC
を測定するため,製作した EC センサアレイは,土壌温度によって変化するセンサ出力 (土 壌溶液EC) の温度補正を必要としている。本研究において補正対象になるモデル土壌に設定 する環境は,一般的な圃場で生じる温度,ECであり,土壌溶液ECと温度変化の関係が比例 関係であると見なすことができる環境の範囲を設定した[11][12]。設定した環境の範囲では,1℃ 変化するごとに2 %程度土壌溶液ECが変化すると言われている[11][12]。土壌溶液ECと温度 変化の関係を測定するため,温度が25℃の時100 mS/mである土壌溶液ECをもつモデル土 壌を,温度変化させながら様々な温度で測定を行った。測定によって得られた土壌溶液ECと 温度変化の関係について校正を行うことで,測定温度の土壌溶液ECを25 ℃の土壌溶液EC に補正を行う校正式を算出する。
測定対象の温度変化範囲は,15から33 ℃とした。測定対象であるモデル土壌の温度変化 は,温度を調整できるヒーターで約40 °Cまで増加させた後,10 °C程度の室内に配置するこ とで徐々に変化させた。また,測定対象であるモデル土壌の含水率は,一定にする必要があ るため今までと同様0.22に設定した。
動作確認の結果
温度変化させたモデル土壌を EC センサアレイによって測定した。測定によって得られた 土壌溶液 EC と温度変化の関係を図 3.6に示す。設定した環境において比例関係とされる土 壌溶液 ECと温度変化の関係は,最小二乗法によるフィッティングの結果R2が0.9965 と非 常に大きくなった。土壌溶液ECと温度変化の関係から,測定時温度の土壌溶液ECを 25 ℃ の土壌溶液 EC に補正するための関係式 (校正直線) が得られた。得られた関係式を (3.11) 式に示す。
𝐸𝐶 . ∙ . 𝑅 0.9965 (3.11)
ここで,ECw25 は 25°C の土壌溶液ECである。モデル土壌の温度とECセンサアレイによ
って測定された土壌溶液 EC の関係は,最小二乗法によるフィッティングの結果高い決定係 数が得られたため,以前から知られているように比例関係として扱った[11][12]。EC センサア レイの測定によって得られる土壌溶液EC を既存のセンサで得られる土壌溶液EC と同様に 扱うため,ECセンサアレイの出力に対して,(3.8) 式の Tに (3.11) 式を代入することによ り,ECセンサアレイの出力が25℃の土壌溶液ECになるように補正した[5]。本論文では,次 節以降ECw25はECwと表記する。
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図3.6 モデル土壌温度とECセンサアレイ出力ECw比の関係
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