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土器・土製品

ドキュメント内 簡 木 (ページ 39-64)

麗   38

3  土器・土製品

調査 区内 よ り多量 の土器 が 出土 した。 中で も、園池

SG5800Bに

は、 ま とまった量 の土器の廃 棄 が あ り、庭 園の廃絶 過程 を考 える参 考 とな る。 また、各 遺構 よ り出土 した土 器 は、 いず れ も 量 は少 ないが、年代 を考 える上 で必要 な資料 である。

ここで は、園池

SG5800を

初 め とす る各 遺構 、整 地 土 出土土器 、土 製 品 を対 象 に報 告 し、 つ いで古墳 時代 の土器 ・埴輪 について も取 り上 げる。

出土土器 には、土師器、須恵器、灰釉 陶器、緑釉 陶器、黒色土器、三彩 、青磁 、 白磁 があ り、

土製品 としては硯 、土製 円盤 、土錘 、埴輪 がある。

土器 の器種 名称 、調整手法 、年代 に関 しては、既刊 の 『平城宮報告』 に基本 的 に従 うことと す る。 また、本文 中で はケズ リ調 整 、 ミガキ調整 等 の調整 名称 は「調整

Jを

省 略 し、 ケズ リ、

ミガキ等 と呼称す る。

量 的 に多い土師器供膳具 の調整手法 は次 の ように記号化す る。

a手

法 は土器 の 日縁 部外 面 に横 方 向 の ナ デ をお こない、底 部 にケズ リをお こなわ ない。多 く は指頭圧痕 や、工具 の痕跡 が残存 す る程 度 に不 定 方 向 のナデ をお こない、個体 に よつては成 形 ・調 整 時 に用 い られ た木 の葉 の葉 脈 を残 す 。b手法 は口縁 部 にナデ、底 部 にケズ リをお こな う もの。

c手

法 は日縁 部以下外 面全体 にケズ リをお こな う もの。

e手

法 は 口縁 部 直 下 に幅狭 く ナデ をお こない口縁部 を外 反 させ 、 ケズ リをお こなわない ものである。

e手

法後 にケ ズ リをお こな うが 口縁部下位 の屈 曲部 に削 り残 しが あ り、ナデが残存す るもの をe―

c手

法 と呼 ぶ。

また、土器 の外面 に ミガキ を施す ものが あるが、施す部位 の違い を次 の ように記号化す る。

1手

法 は 口縁 部 のみ を磨 くもの、

2手

法 は底 部 の み を磨 くもの、

3手

法 は外 面 全 体 を磨 く もの、 ミガキ を施 さない もの は、

0手

法 と して扱 う。 この記号 化 に よ り、報 文 中で はa〜e、

0〜 3の両手法の組み合 わせ によって、al手法 とい うように、調整手法 を表現 す る。

出土須 恵器 は、器形 、胎 土 、色調等 の特 徴 に よ り6つの群 に分類す る。 これ は生 産地 を反映 す る もの と考 えるが、不 明 な ものが多 く、報告 で は分類 が可 能 な もののみ触 れ る こ と とす る。

I群土器 は青灰色 を呈 し、黒色 や 白色 の粒子 を含 む ものである。 Ⅱ群土器 は黒色粒 子 がナデ や ケズ リに よ り墨 を流 したかの ように延 びる ものである。 Ⅲ群土器 は粒子 の細 か な粘 土 を用 い、

磁 器 質 に焼 き上が る ものであ る。 Ⅳ群土器 は粗大 な長石類 の他 、細 か な白色砂 を含 む ものであ る。

V群

土器 はやや砂 の 目立 つ胎 土 で、微細 な黒色粒 子 を含 み、赤み を帯 びた黒褐 色 を呈す る ものであ る。Ⅵ群土器 は砂 質 の胎 土 で、焼 き締 ま りが悪 く、表面が荒 れた感 じとな り、明灰色

〜淡暗灰色 に発色す る ものである。

これ らの群 別 は、産地 の差 を反 映 してい る もの と考 え られ、

 I・ E群

は和 泉 陶 邑窯跡群 、

Ⅳ群 は生駒東麓窯跡群、

V群

は尾張猿投 窯跡群、Ⅵ群 は美濃須衛窯跡群 の製 品 に比 定 されてお り、Ⅲ群 は播磨地域 の製品 と推 定 され てい る。

土 器 に付 した番号 は実測 図版 、写真 、表 ともに共通 してい る。 また、

 1〜

が 土 師器 、301〜

が須恵器 、601〜が灰釉陶器、701〜が緑釉 陶器、801〜が黒色土器、901〜が 中国大 陸産陶磁 器 、1001〜が土製品、1101〜が埴輪 である。

土師器供膳 具 の 調 整 手

   

恵 器

下層園池の 構

   

下層園池の 時

   

A SG5800出

土 土 器

(PL.74〜 78,Fig.59)

園池SG58001よ、改 修 に よ り下層 園池

SG5800Aか

ら上 層 園池

SG5800Bに

改 変 され る。 出土土 器 の多 くは上層 園池

SG5800B廃

絶後 に廃 棄 され た もので あ る。 また、一 部 には中近世 の遺物 が 集 中す る部分 が あ り、後世 に撹乱 を受 けてい る。

i SG5800A西

岸 岬

SX9417ト

レンチ出土土器

園池西南 にあ る岬 の断割調査 時 に出土 し、下層 園池

SG5800Aの

構 築年代 を示 す。

土 師器

 

A(1)淡

掲 色 を呈 す る。

a2手

法 で、 内面 に一段 の斜 放 射 状 暗 文 を施す 。 日縁 部 はやや強め にナデ をお こない、外 反気 味 に立 ち上が る。復元 口径19,4cm。

X(2)淡

黄褐 色 を呈 す る。

aO手

法 で、外 面 に指頭圧 痕 を残 す。復 元 口径17 8cm。

小 皿

(3)黄

褐 色 を呈 す る。小 皿 で、 日縁 部 は強 くナデが お こな われ 、外 反 す る。底 部 は不 定 方 向 の ナデ をお こない 、指 頭 圧 痕 を残 す 。 日縁 部 の一部 と見込 み の部 分 に煤 が付 着 してお り、

燈 明皿 として使用 されてい る。復元 口径11.2cm。

A(4・ 5)4は

褐 色 を呈 す る。復 元 口径21,Ocm。 5は暗茶褐 色 を呈 す る。胴部 との境 に段 を もつ。 日縁部 ・胴部 ともにナデ をお こな うが、胴部の一部 に工具痕 を残 す。復元 口径14 8cm。

須恵器

 

A(301・ 302)301は

灰 色 を呈 す る。復元 口径16.2cm。 3021よ灰 白色 を呈 し、軟 質 の焼成である。 口縁 部 に重 ね焼 きの痕跡 を持 つ。復元 口径14.4cm。

杯 蓋

(303)灰

白色 を呈 し、軟 質の焼 成 で あ る。つ まみ は扁平 で、 わず か に中央 が くぼむ。

ii SG5800A園

池 石敷 出土 土器

下層園池 の石敷部分 より出土 した土器で、下層 園池の時期 を考 える上 で参考 となる資料 である。

土 師器

 

A(6)灰

褐 色 を呈す る。al手法 で、内面 は上段 連弧】犬、下段斜放射状暗文、見込 み部分 に螺旋状暗文 を施す。 口縁端部の屈 曲は明瞭である。復元 口径19 0cm。

A(7・ 8)7は

黄褐 色 を呈 す る。aO手法 で、 内面 は一段 の斜 放 射 状 暗文 、見 込 み部分 に螺 旋状 暗文 を施 す 。 口縁 部 は上 半 が 内湾気 味 に立 ち上 が り、端部 を折 り返 す 。復 元 口径16.8cm。

8は明褐色 を呈 す る。 内外 面 とも器面が荒れてい るが、

bO手

法 と考 え る。 口縁 端 部 は九 くナ デ をお こない、内面 は沈線 に よ り巻 き込み を表現す る。復元 口径18 7cm。

須 恵器

 

杯 蓋 (304〜306)ヤず れ も灰 色 を呈 す る。 304・ 305は偏 平 な形態 で あ る。304は復 元 口径17 5cm。 3051よ内面 を硯 として使用 している。306は外 面 に降灰 が付 着 し、重 ね焼 きの

】犬態がわか る。復元 口径13 0cm。

B(307〜

310)3071よ 青灰 色 を呈 す る。底 部 が高台 よ りわず か に突 出す る。硬 質 の焼 成 で、

I群の もの と考 える。復元 口径15,4cm。 308は明灰色 を呈す る。 日縁 部 内面 には一部煤 が付着 し、灯 明 として使用 されてい る。復元 口径15 5cm。 3091ま青灰 色 を呈 す る。 内面 は硯 と して使 用 され、見込 み部分 の研 磨 が著 しい。 また、割 口に も一部塁が付 着 す る。I群と考 える。復元 高台径13 2cnl。 3101よ外 面灰 白色 、 内面 暗灰色 を呈 す る。高台 が外 方 に屈 曲 し、 内接 す る形 の

もので、極 めて硬 質 の焼成 である。Ⅲ群 と考 える。

A(311・ 312)3Hは

青灰 色 を呈 す る。 日縁 部 は回転 ナデ、底 部 は 回転 ケズ リをお こな う。

内面 に火欅 が あ る。I群と考 える。復元 口径23 0cm。 3121ま明灰 色 を呈 す る。 口縁 部 は回転 ナ デ、底部 は回転 ケズ リをお こな う。復元 口径31 6cm。

iii SG5800A堆

積層 出土土器

下層 園池 の堆積 土 出土 の遺物 で、下層 か ら上層 園池へ の改修 の時期 を考 える参考 となる。

土師器

 

A(9)明

褐色 を呈 す る。bO手法 であ る。 口縁 端部 を巻 き込 む。復元 口径20 5cal。

A(10・

11)101ま明黄灰色 を呈す る。bO手法 で あ るが、底 部 よ り器高 の

1/3ま

でケズ リを お こな う。暗文 はない。 日縁 部 はわずか に巻 き込 む。復元 口径15 6cm。 11は 明褐色 を呈 す る。

aO手法 であ る。 日縁 端部 を大 き く巻 き込 む。復 元 口径21 8cm。

A(12)明

褐色 を呈 す る。c3手法 である。口縁端部 はわず か に内湾 し、尖 る。復元 口径14 8cm。

須恵器

 

A(313〜 315)313は

灰 色 を呈 す る。 口縁 部付 近 を強 く回転 ナデ をお こない、端部 は外方 に屈 曲す る。底部 は回転 ヘ ラ切 り後静止 ナデ をお こな う。復元 口径11 0cm。 3141ま青灰 色 を呈 す る。重 ね焼 き痕跡 と火欅 を もつ。 日縁 部内面 に工具 による回転 ナデ をお こな う。I群 と考 える。復元 口径18.3cm。 315は灰 色 を呈 し、やや軟 質 の焼成 で、火欅 が あ る。底部 は回転 ヘ ラキ リ後 ナデ をお こな う。復元 口径15,4cm。 316は青灰 色 を呈す る。復 元 口径11 6cm。

杯蓋

(317)灰

色 を呈 す る。偏平 な形態で、縁辺部 に降灰 がみ られ る。復元 口径19 7cm。

B(318)青

灰 色 を呈 す る。高台 は内接 す る。一部 に黒色 の付 着物が あ る。

I群

と考 える。

復元 口径16.2cm。

A(319)青

灰 色 を呈 す る。底 部 は回転 ケズ リ後 に回転 ナデ をお こな う。幅広 の工具 で 回縁 内面 に巻 き込み状 の窪み をめ ぐらす。I群 と考 える。復元 口径23.4cm。

 SG5800B池

底礫敷 出土土器

上層 園池の池底礫 敷 よ り出土 した土器で、池 の改修 の時期 を考 える上で参考 となる。

土 師器

 

A(13・ 14)共

に黄褐色 を呈す る。 13は

aO手

法 であ る。立 ち上 が りが緩 やか であ る。 口縁端部 は巻 き込 む。復元 口径19.8cm。 141よ

bO手

法 であ るが、底部 よ り器高 の

1/3ま

で ケズ リをお こな う。復元 口径18 0cnl。

須恵器

 

A(320)灰

白色 を呈 す る。底 部 は丁寧 な回転 ケズ リをお こな う。復 元 口径H.2 cm。

杯 蓋 (321〜323)3211よ暗灰色 を呈 す る。縁 辺部 は強 くナデが お こなわれ、端 部 を薄 く引 き出 す。縁 辺部 に重 ね焼 きの痕跡 を もつ。復 元 口径12,7cm。 322はや や軟 質で灰 白色 を呈す る。外 面 は回転 ケズ リをお こな う。復元 口径26 4cm。 3231よ暗青灰色 を呈 す る。 内面 を硯 として利用

し、 中央 は研磨が著 しい。I群で ある。復元 口径20 1cm。

B(324〜

326)3241よ青灰 色 を呈 す る。胎 土 に砂粒 を多 く含 む。復 元高台径11 4cm。 325は 軟 質で灰 白色 を呈 す る。復元 高台径12 8 cm。 3261ま灰色 を呈 す る。復元高台径17.2cm。

A(327・

328)3271ま灰 色 を呈 す る。 口縁部内面 を工具 に よる回転 ナデ をお こない、やや内 面 に肥厚 す る。端部 は平 らに回転 ナデ をお こな う。復元 口径23,4 cm。 328はやや軟 質で灰 白色

を呈 す る。重 ね焼 き痕跡が わずか にある。復元 口径27 0cm。

B(329)青

灰色 を呈す る。胎 土 に砂粒 を多 く含 む。I群と考 える。復元 口径21 2cm。

(330)壺

、 あ るい は甕 の底 部 。灰 色 を呈 す る。外 面 は回転 ナデの後、乾燥 がか な り進 んだ 段 階で粗 いケズ リを施す。 コ群 と考 える。復 元底径10 0cm。

築 山

SX8457石

組構築土 中出土土器

SG5800Bに

伴 う

SX8457石

組 の石組構 築土 中 よ り出土 した (Fig 59)。

土 師器

 

B(15)黄

褐色 を呈す る。杯 部外 面 は丁寧 な ミガキ を施す。復元 口径18 5cal。

下層園池の 推

 

 

上層園池の 池

   

ドキュメント内 簡 木 (ページ 39-64)

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