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国際単位系(SI)の改定について (CR, 印 刷 中, Metrologia, 2019, 56, 022001)

決議1 第26回国際度量衡総会は

•  国際取引、ハイテク製造業、健康および安全、環境保護、地球規模の気候 の調査研究、およびそれら全てを支える基礎科学に対して、一律かつ全世 界で利用可能な国際単位系(SI)に関する本質的な要求

•  SI単位は、長期に渡って安定であり、自己矛盾を持たず、かつ、現在の自 然科学に関する理論的説明にもとづき、最も高いレベルで実現可能なもの でなければならないこと

•  これらの要求事項を満たすことを目的としたSIの改定が、第24回国際 度量衡総会(2011年)において決議1の中で提案、満場一致で採択され、

•  第24回国際度量衡総会(2011年)で設定され、第25回国際度量衡総会(2014 年)で確認された、改定SIの採択前に満たすべき条件は、現時点におい て満たされていること

考慮し、以下の事項を決定する

2019年5月20日より、国際単位系(SI)は、次の事項が規定された単位系 である。

•  セシウム133原子の摂動を受けない基底状態の超微細構造遷移周波数∆νCs

は、9 192 631 770 Hz

•  真空中の光の速さcは、299 792 458 m/s

•  プランク定数hは、6.626 070 15 × 10−34 J s

•  電気素量eは、1.602 176 634 × 10−19 C

•  ボルツマン定数kは、1.380 649 × 10−23 J/K

•  アボガドロ定数NAは、6.022 140 76 × 1023 mol−1

•  周波数540 × 1012 Hzの単色放射の視感効果度Kcdは、683 lm/W

ここで、Hz、J、C、lm、Wをそれぞれ単位記号とするヘルツ、ジュール、

クーロン、ルーメン、ワットは、s、m、kg、A、K、mol、cdをそれぞれ単 位記号とする単位、秒、メートル、キログラム、アンペア、ケルビン、モ ル、カンデラに、Hz = s−1、J = m2 kg s−2、C = A s、lm = cd m2 m−2 = cd sr、 W = m2 kg s−3として関連づけられる。

この決定にあたって、国際度量衡総会は、SI基本単位に関して、第24回国 際度量衡総会(2011年)で採択された決議1で明示された結論に留意し、本 決議自体と同じ効力を有するその決議の付録中の結論について確認する。

国際度量衡総会は、国際度量衡委員会に対して、SIの詳細な説明を盛り込ん だSI文書の改定版を作成することを要請する。

付録1. 基本単位の従前定義の廃止

上述のSIの新たな定義の採択を受け、

•  1967/68年(第13回国際度量衡総会、決議1)以来有効であった秒の定

義が廃止される

•  1983年(第17回国際度量衡総会、決議1)以来有効であったメートルの 定義が廃止される

•  1889年(第1回国際度量衡総会(1889年)および第3回国際度量衡総会

(1901年))以来有効であった国際キログラム原器の質量にもとづくキロ グラムの定義が廃止される

•  1948年(第9回国際度量衡総会)以来有効であった、国際度量衡委員会 提案の定義(1946年、決議2)にもとづくアンペアの定義が廃止される

•  1967/68年(第13回国際度量衡総会、決議4)以来有効であったケルビ

ンの定義が廃止される

•  1971年(第14回国際度量衡総会、決議3)以来有効であったモルの定義 が廃止される

•  1979年(第16回国際度量衡総会、決議3)以来有効であったカンデラの 定義が廃止される

•  ジョセフソン効果および量子ホール効果をそれぞれ利用したボルトおよび オームの実現の確立に関する国際度量衡総会の要請(第18回国際度量衡 総会(1987年)、決議6)に対して国際度量衡委員会が下した、ジョセフ ソン定数の協定値KJ-90並びにフォン・クリッツィング定数の協定値RK-90

を採択するという決定(1988年勧告1および勧告2)が廃止される

付録2. 従前定義で用いられていた定数の状態

上述のSIの新たな定義の採択および定義定数の基礎となる科学技術データ委 員会による2017年特別調整の推奨値から、本決議が採択された時点で、

•  国際キログラム原器の質量 m(K)は、本決議が採択された時点の推奨値h の相対標準不確かさ、すなわち1.0 × 10−8に等しい範囲で、1 kgに等しく、

将来、その値は実験的に決定される

•  真空中の透磁率 μ0は、本決議が採択された時点の微細構造定数の推奨値 αの相対標準不確かさ、すなわち2.3 × 10−10に等しい範囲で、

4π × 10−7 H m−1に等しく、将来、その値は実験的に決定される

•  水の三重点の熱力学温度 TTPWは、本決議が採択された時点の推奨値kの 相対標準不確かさ、すなわち3.7 × 10−7にほぼ等しい範囲で、

273.16 Kに等しく、将来、その値は実験的に決定される

•  炭素12のモル質量 M(12C)は、本決議が採択された時点の推奨値NAhの相 対標準不確かさ、すなわち4.5 × 10−10に等しい範囲で、0.012 kg mol−1に 等しく、将来、その値は実験的に決定される

付録3. SI基本単位

定義定数の固定値を用いた上述のSIの定義を起点として、七つの基本単位の 定義は、これらの定義定数の一つもしくは複数を適切に使用することによっ て導き出され、次に示す定義が与えられる。

•  秒(記号はs)は、時間のSI単位であり、セシウム周波数 ∆νCs、すなわ ちセシウム133原子の摂動を受けない基底状態の超微細構造遷移周波数を 単位Hz(s−1に等しい)で表したときに、その数値を9 192 631 770と定 めることによって定義される

•  メートル(記号はm)は、長さのSI単位であり、真空中の光の速さcを 単位m/sで表したときに、その数値を299 792 458と定めることによって 定義される。ここで、秒は∆νCsにより定義される

•  キログラム(記号はkg)は、質量のSI単位であり、プランク定数hを単 位J s(kg m2 s−1に等しい)で表したときに、その数値を

6.626 070 15 × 10−34と定めることによって定義される。ここで、メート ルおよび秒はcおよび∆νCsに関連して定義される

•  アンペア(記号はA)は、電流のSI単位であり、電気素量eを単位C

(A sに等しい)で表したときに、その数値を1.602 176 634 × 10−19と定 めることによって定義される。ここで、秒は∆νCsにより定義される

•  ケルビン(記号はK)は、熱力学温度のSI単位であり、ボルツマン定 数kを単位J K−1(kg m2 s−2 K−1に等しい)で表したときに、その数値を 1.380 649 × 10−23と定めることによって定義される。ここで、キログラム、

メートル、秒は、hc、∆νCsに関連して定義される

•  モ ル( 記 号 はmol) は、 物 質 量 のSI単 位 で あ り、1モ ル に は、 厳 密 に 6.022 140 76 × 1023の要素粒子が含まれる。この数は、アボガドロ定数 NAを単位mol−1で表したときの数値であり、アボガドロ数と呼ばれる。系 の物質量(記号はn)は、特定された要素粒子の数の尺度である。要素粒 子は、原子、分子、イオン、電子、その他の粒子、あるいは、粒子の集合 体のいずれであってもよい

•  カンデラ(記号はcd)は、所定の方向における光度のSI単位であり、周 波数540 × 1012 Hzの単色放射の視感効果度Kcdを単位lm W−1(cd sr W−1 あるいはcd sr kg−1 m−2 s3に等しい)で表したときに、その数値を683と 定めることによって定義される。ここで、キログラム、メートル、秒はhc、∆νCsに関連して定義される

付録 2