• 検索結果がありません。

(略)

② 固縛の観点によるもの

固縛は平面的に見て車両の前後45°方向に、立面方向では甲板面から 上方へ45°方向にそれぞれ引っ張るのが、横転と横滑りの両者を防止す ることができる最適な角度であった。

図2.10-11 固縛用ベルトの取付け

② ⑤ ⑩ ⑭ ⑳ ⑥ ⑰ 中心線上

前方

中心線上 前方

中心線上 中央部

後方中心 線

後方中心

線 左舷前方 右舷

7,142 3,649 430 1,065 4,179 910 0 摩擦係数0.4

の場合 22,075 16,792 15,726 15,761 17,606 7,256 32,159 摩擦係数0.0

の場合 80,984 80,336 106,620 100,188 80,521 23,021 137,160 摩擦係数1.2

の場合 12,498 12,397 16,454 15,461 12,426 5,354 31,898

破断荷重超過 最大使用荷重超過

注2:最大使用荷重15,000N、破断荷重60,000N

大型トラック 中型トラック

横方向へ の移動に より、固縛 用ベルト に掛かる

車両番号 車両種類 積載位置 転倒モーメントによる固縛

用ベルトに掛かる力

注1:単位N

(4) 固縛用ベルトに掛かった力

乗組員及びA社担当者の口述並びにA社の回答書により、移動したトラッ クの固縛用ベルトに掛かった力について、車両の重量、積載位置及び固縛方 法を基に解析した。

車両のうち、乗用車は、車止めのみ行っていたが、大型トラックの横滑り により、2台が移動したものの、他の車両は移動していなかった。

解析の条件は、本船が、波の影響で規則的に動揺している状況を想定して 船体横傾斜角を27°、船体縦傾斜角を5°とし、また、車両甲板の摩擦係 数を摩擦なしとした0.0、車両甲板に施された塗装面を水湿潤状態とした 1.2及び甲板(鋼)とタイヤ(ゴム)の接触状態とした0.4の3つの状態 とし、トラックについて解析した結果は、表2.10-3に示すとおりで あった。

表2.10-3 固縛用ベルトに掛かる力

車両を倒そうとする力である転倒モーメントによって固縛用ベルトに掛か る力は、最大使用荷重の範囲内であったと推測された。

車両の横方向への移動による固縛用ベルトに掛かる力は、摩擦係数が 0.0の場合、1台を除いて破断荷重を超えると推測された。

摩擦係数については、船体の衝撃的な動きで固縛用ベルトに伸びが生じ、

積載車両の横方向への移動が尐しでも始まれば、摩擦は静摩擦から動摩擦と なり、急激に小さくなり0.0に近づくと推測された。

(5) 固縛に関する改善の検討

車両への固縛用ベルトの取付けは荷台下付近であり、クローバーリーフプ

レートの配置と車両の積載位置との関係により、固縛用ベルトを真下に取る

形となる。

この結果、転倒モーメントに対しては強いが、横方向への移動に対しては 弱い固縛となっている。

横方向への移動を防止するには、車両への固縛用ベルトの取付位置をなる べく低くする必要がある。また、固縛用ベルトの取付位置をなるべく低くす る方法としては、たすき掛けに取ることも有効な方法である。

図2.10-12 たすき掛けの固縛例

車両甲板後部での複数台の衝突の引き金となったクレーン付きトラックは、

車両後部を固縛していたが、車両前部については、アウトリガーを張り出し、

固縛をしていなかった。

アウトリガーは、転倒防止には効果があるが、横方向への移動防止には効 果がない。また、アウトリガーを使用することにより、アウトリガーの底面

(鋼)と甲板面が接触して摩擦係数が限りなく0.0に近づくという弊害も ある。

図2.10-13 クレーン付きトラックの移動状況

関連したドキュメント