第 5 章 車載カメラの視認性を高めるヘイズ除去
5.5 実験結果
5.5.1 ヘイズ除去を行った画像の目視による評価
ベンチマーク画像でヘイズ除去を行った例を図5−2に示す。図5−2.ベンチマーク画像の実験結果
提案手法はヘイズが除去できていることが確認できて、画像の中に遠方の車がは っきり見えるようになった。
5.5.2 検出精度と IOU の比較
ヘイズ環境下の車載カメラ画像からの障害物検知能力の向上が研究の目的であ るので、Softmax 関数の確率とIOUを用いて各手法の性能を評価する。ここで物体検 出には YOLO[4]を利用することし、検出閾値を 0.5 とした。プログラム上では
"yolov3.cfg"設定ファイルと"yolov3.weights"モデルファイルを使用した。
我々は最初に各手法でヘイズ除去作業を行い、次に自動車の検出精度を評価した。
Softmax確率は高いほうが良い。検出結果の一例を図5−3に示す。
図5−3.YOLOに基づく物体のSoftmax 関数の確率(検出率)
図5−3によって、提案手法はGibsonやLiuの方法に匹敵することが分かる。30 枚のベンチマーク画像を利用してIOU を計算した。Softmax 関数の確率の閾値を 0.5 から 0.9 に設定した際に検出された車両の数の変化を表5−1に示し、IOU の閾値を 0.1 から 0.9 に変化させた際に検出された車両数の変化を表5−2に示した。
表5−1.Softmax 関数の確率の閾値(Confidence)変化に伴う検出した車両数の変化 Detected
Cars
Source He Gibson Liu Cai Li Proposed conf>0.5 60 48 63 65 37 63 63 conf>0.6 51 45 56 58 34 60 56 conf>0.7 42 38 48 46 27 42 48 conf>0.8 34 34 35 34 16 35 32 conf>0.9 23 28 21 24 10 26 25
表5−2.IOUの閾値変化に伴う検出した車両数の変化 Detected
Cars Source He Gibson Liu Cai Li Proposed
IOU>0.0 60 48 63 65 37 63 63
IOU>0.1 60 48 62 65 37 63 63
IOU>0.2 60 48 62 65 37 63 63
IOU>0.3 60 48 62 65 37 63 63
IOU>0.4 59 48 61 64 37 61 61
IOU>0.5 59 48 60 62 36 61 61
IOU>0.6 57 47 54 59 35 58 57
IOU>0.7 52 44 46 52 31 52 50
IOU>0.8 33 30 34 37 20 36 35
IOU>0.9 9 7 9 10 9 8 10
表5−3にSoftmax 関数の確率とIOUの閾値を 0.7 に設定したときの結果を示す。
提案手法は 41台車両が検出され、最良の結果が得られたことが確認できた。
表5−3.信頼係数とIOUの閾値による、検出された車両の数
Source He Gibson Liu Cai Li Proposed Detected
Cars
38 36 39 40 23 37 41
5.5.3 PSNR と SSIM の比較
表5−4はPSNRとSSIMの 30枚画像における平均値を示している。PSNRとSSIM は値が高いほど性能が良い。提案手法の性能が一番高いことがわかる。
表5−4.PSNRとSSIMの平均値
He Gibson Liu Cai Li Proposed
PSNR average
10.55 14.81 18.84 13.18 16.14 19.46 SSIM
average
0.61 0.79 0.9 0.56 0.83 0.92
5.5.4 処理時間の調査
インターネットでダウンロードした 300 枚のヘイズ画像を用いて実行時間を調
査した。プログラムはOpenCV4.0.0-preを利用し、VS2015 で作成した。プログラムの 処理時間とピクセル数は線形関係が存在していることが分かった。実時間処理を目標 とすれば24FPS以上が必要、画像1枚の処理時間は 0.041秒以下で処理する必要があ るが、この時処理できるピクセル数は約45 万(600×800)であった。