個別検討
協働・連携
革新
金融界での議論/産業界での議論
官民連携した議論/共同実証実験の実施 標準化に向けた検討加速
「XML電文への移行に関する検討会」の設置
→ 全銀EDIシステムの構築
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2015年12月 金融審議会「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ報告」
2016年6月 日本再興戦略2016
2017年6月 未来投資戦略2017
↳ 6月 金融庁に「決済高度化官民推進会議」を設置
↳ 8月 経済産業省に「金融EDIにおける商流情報等のあり方検討会議」を設置
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その研究は金融界が主体であったため課題の洗出しに留まっていた 1 。(産業界との連携は主にヒアリング程度)
• 産業界側では1970年代から業界毎に商流EDIにかかる取組が開始、進展 2 している。
• このような経緯を踏まえ、全銀協は2011年度に「企業決済高度化研究会」を立上げ報告書 3 を取りまとめている。
• 2014年度には流通業界とともに共同システム実験を実施し、2015年3月に報告書 4 を取りまとめている。
1 金融EDIは、実際の利用者(支払企業・受取企業)の利用が不可欠であり、金融界だけで金融EDIの活用推進に取り組むことにハードルがあったとも
考えられる。
2 詳細は、財団法人 日本情報処理開発協会(現在は、一般財団法人 日本情報経済社会推進協会)「業界標準EDI ~現状と動向~ 」(2011年3月)を参照。
3 「企業決済高度化研究会」報告書(2012年4月24日)を取りまとめた上で、「金融財政事情」(2012年7月2日号)に「企業決済高度化研究会の論点整理」
を寄稿。
4 「金融EDIの活用に向けて」(2015年3月19日)を報告。
5 金融EDI検討部会中間報告「インターネット技術を活用した金融EDIについて」(2001年1月)、全国銀行協会「金融」(2001年2月号)にも掲載。
6 金融審議会「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ報告~決済高度化に向けた戦略的取組み~」(2015年12月22日)が公表。
年代 実施事項 概要
1996年度 金融EDIの導入 全銀システムの電文フォーマットにEDI情報欄(半角20桁)を定義
2000年度 金融EDI検討部会
(全銀協業務委員会の傘下)インターネットが普及する中、XMLを用いた金融EDIのあり方を検討
52011年度 第6次全銀システム 固定長に加え、XML電文(ISO20022/Pacs)を導入
2011年度 企業決済高度化研究会 企業間決済の高度化に向けた資金決済インフラのあり方を検討
32014年度 共同システム実験 流通業界等と各行システム改修を極小化するスキームの実験を実施
金融EDIにかかる報告書
4上記実験のほか、産業界のヒアリングを通じた足許の方向性を取りまとめ
2015年度 金融審議会 決済業務等の高度化に関するワーキンググループ報告
6を取りまとめ
XML電文への移行に関する検討会 XML電文への移行に関する論点整理を実施し、報告書を取りまとめ
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2014年6月 「日本再興戦略」改訂2014 が閣議決定
国内送金における商流情報(EDI情報)の添付拡張についても、流通業界と金融機関との共同システム実験の結果等も踏まえつつ、産業界と金融機関 の連携強化による速やかな対応が図られるよう促す。日本銀行としても、これらを含め、我が国決済サービスの高度化を図っていく。
2014年10月 金融審議会に「決済業務等の高度化に関するスタディ・グループ」を設置
2015年4月 金融審議会「決済業務等の高度化に関するスタディ・グループ」中間整理を公表
XML電文の採用が進めば、現在、我が国で使用されている固定長電文方式のフォーマットでは20文字であったEDI情報が140文字を繰り返し記載可能 となるなど、金融EDIの普及に資する、との指摘もある。
こうした観点から、全銀システムにおける、XML電文への全面的な移行に向けて、エンド・デイト(旧方式の電文の使用期限)を設けることも含めて、
その方策について更に検討を進めるべきである。
7月 金融審議会に「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ」を設置 12月 金融審議会「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ報告」を公表
(続きあり)
決済を含む金融取引に使用される電文は、情報量や情報の互換性等の点で優れているXML方式が国際標準(ISO20022)となっており、欧米では計画 的に移行が進んでいる。我が国においても企業間送金についてXML電文への全面的移行を行うなど、決済インフラの抜本的機能強化が必要であると考 えられ、この観点から、以下の行動プランの着実な実行が期待される。
平成30年(2018年)頃を目途に、全銀システムの加盟金融機関が参加する新しいシステム(「金融・ITネットワークシステム(仮称)」)を 構築し、サービスを開始するとともに、平成32年(2020年)までに、企業間の国内送金指図について、現行の固定長電文を廃止し、XML電文 に全面移行する。
この新しいシステムにおいては、企業からのXML電文による国内送金指図の受付機能を実装するとともに、最新の国際標準の先取的な採用(大 量のタグ付きEDI情報の付加)を行う。これにより、企業は、決済情報と商流情報を連携させることによる、決済事務の効率化・高度化や、
EDI情報を活用した自社事業の定量分析、新たなビジネスチャンスの発掘などが可能となる。
さらに、新システムをベースに、人工知能(AI)を活用したビッグデータ分析・活用機能等の追加を検討する。