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商業・観光資源の分布と交通ルートの提案

ドキュメント内 2 (ページ 66-79)

笹島ライブ 21 笹島ライブ21

5.2 商業・観光資源の分布と交通ルートの提案

 

ここでは、堀川周辺に位置する商業・観光資源の把握と、それらを効率よく周遊できるような交通

白鳥庭園

9.4 万人)

白鳥庭園

9.4 万人) 熱田神宮

649.8 万人)

熱田神宮

649.8 万人)

ボストン美術館

24.7 万人)

ボストン美術館

24.7 万人)

宮の渡し 宮の渡し 白鳥庭園

9.4 万人)

白鳥庭園

9.4 万人) 熱田神宮

649.8 万人)

熱田神宮

649.8 万人)

ボストン美術館

24.7 万人)

ボストン美術館

24.7 万人)

宮の渡し 宮の渡し 国際会議場

国際会議場

堀川

図5.2.2 堀川下流域における商業・観光施設 インフラの提案を行う。

 まず、堀川周辺の商業・観光施設であ るが、それらの施設が集まる地域を二つ に分け、堀川中流地域、堀川下流地域と して、地図上にプロットした。それらを 図5.2.1、図5.2.2に示す。図において、

カッコ内の数字は、平成 15 年または平 成 14 年における施設来客数であるが、

それについては後ほど詳しく考察する。

図5.2.1と図5.2.2を見ると、人を集客す るための商業・観光施設が堀川沿いに数 多く存在していることが分かる。特に堀 川中流部においては、名古屋市の商業中

表5.2.1 堀川沿いの商業・観光施設来客数 年 度

施設

名古屋城 92.5

熱田神宮 649.9

名古屋港 24.8

名古屋市 科学館 62.4

名古屋市 美術館 13.7

名古屋港 水族館 178.5

産業技術 記念館 15.6

白鳥庭園 9.4

シートレ インランド 86.4

ランの館 12.7

名古屋ボ ストン美術館 24.7 パノラマ ハウス 54.4

ノリタケ の森 55.3 ブルーボ ネット 28.3

合    計 1308.6 平 成14

(万人)

平成15

(万人)

伏見駅 伏見駅 伏見駅 伏見駅

バス

水上交通

バス

水上交通

堀川

図5.2.3 堀川中流域における交通ネットワークルート

心地である、栄、名駅にも近く、それに加えて愛知万博に合わせて整備の進む笹島ライブ 21 にも近 い。

 それでは、観光客としてこれらの施設をどれくらいの人が来客しているのであろうか?それをまと めたものが表5.2.1である。表5.2.1において、調査により値の得られたものについては平成15年の 値、それ以外については平成 14 年の値を使用している。また、熱田神宮においては、正月の参拝客 も含めた値である。

  表 5.2.1より、名古屋港エリアの施設(名古屋港、名古屋港水族館、シートレインランド、ブルー ボネット)も含めると、堀川沿いの施設に来客する観光客の割合は、名古屋市における全観光客数の 60%以上となっている。つまり、観光資源として考えたとき、これらの施設は、名古屋市内でも比較 的集客力を持っており、堀川沿線は観光エリアとしての魅力が高いと考えられる。

 ところが現状では、堀川沿線が観光エリアであるという印象を受ける人は少ないだろう。その原因 として、交通アクセスの不便さが挙げられる。堀川沿いの各施設に魅力があっても、交通アクセスが 悪く、各施設を効率よく周遊できるような交通ネットワークは今のところ無い。そのため、各施設が

金山駅 金山駅

水上交通 バ バ 水上交通

堀川

図5.2.4 堀川下流域における交通ネットワークルート

分断されており、その魅力が半減していると言える。

 そこで私たちは、これらの施設を効率よく周遊でき、堀川沿線の魅力を味わってもらえるような交 通ネットワークの策定をいった。具体的には、各施設を巡回する周遊バスと、堀川を利用した水上交 通を提案する。それらを示したものが、図5.2.3、図5.2.4である。

 各施設を伏見駅と金山駅を基点とした巡回バスで結び、堀川を水上交通として利用する。

このように、堀川沿線の交通インフラを整備し、観光客を集客することで、堀川に人を集め、賑わい を創出することが可能になるのではないかと思われる。

5.3 堀川を軸とした観光・買い物軸形成のための交通手段確保

5.3.1 

現在の堀川の観光に関する問題点は、水質な どもさることながら、堀川自体が人を集めるよ うな魅力ある観光地ではなく、また、堀川周辺 には名古屋城をはじめとした名古屋市内屈指の 観光地が立地しているにもかかわらず、それら との有機的連携が図られていないことである。

また、堀川は名駅地区と栄地区という商業集 積地の間に位置していながら、堀川周辺には魅 力的な商業施設はあまり立地しておらず、逆に 倉庫や風俗店が立地するなど、景観的にも商業 的にも集客力のある好ましい状況とは言えない。

そこで、本提案では、堀川に観光船を運航す ることによって堀川自体を名古屋の一大観光地 に変貌させるとともに、周囲にある観光施設や 商業施設を結ぶコミュニティバスを運行し、堀 川とその周辺地域の有機的連携を図ることによ って堀川周辺の総合的な活性化を提案するもの である。

なお、堀川の水質浄化や、堀川沿岸域の商業 開発などは本提案の内容からはさしあたって除 外して考え、主として観光船、コミュニティバ スともに、ルートの選定、運行ダイヤの設定、

それに基づく損益分岐点の計算を行うことに重 点を置いた。

5.3.2  堀川観光船について 

運行区間は、川幅や周辺の観光施設の立地を 考えて、名古屋城附近から納屋橋を経由して宮 の渡し公園までの約7kmを想定した(図5.3.1 参照)。想定する基本スペックを以下の表5.3.1 に示す。

このスペックの観光船を運航すると想定して、

松江市の堀川遊覧船「ぐるっと松江 堀川めぐり」

の運行経費を割り当てると、以下のような収支概 算が成り立つ。

松江市の堀川遊覧船運航に関する数字は以下の 通りである。

年間予算:約4億円

5.3.1:観光船の基本スペック(想定)

運賃 2,000円 運行時刻 10〜20時 運行便数 4便/1時間

定員 12名/1

5.3.1:観光船の運航想定区間

表 5.3.2:コミュニティバスの基本スペック 

運賃 無料  運行時刻 10〜20 時  運行本数 4 便/1 時間  年間運行便数:約4万3千便

1便の運行キロ数:約4キロ

これを元にしてキロあたり経費を算定した ところ、

キロあたり経費(松江市):2,325.50円/

となるため、約7キロを運行する名古屋堀 川の場合、

1運行あたりの経費:7㌔×2,325.50円/

㌔=16,278.50円≒16,000円 となる。

観光船の運賃を2,000円と設定したので、

1便当たり平均8名の乗車がないと採算が とれないこととなる。この乗車率は約 66.7%となるため現実的な数字とは言えず、

採算をとるためには、運賃を増額するか、

あるいは、市や民間企業等の補助金、協賛 金を得る必要があると考えられる。

ただし、運賃は現在の設定でもかなり高 額であると考えるので、発表の際の議論を 踏まえても、何らかの資金的な補助などを 得た上で運賃を低廉に抑える必要があると 考える。

また、現在のような沿岸景観であれば、

集客力に欠けると考えられるので、景観の 整備などが必要となると考える。

運行区間に関しても、水族館などの立地 する名古屋港までの運行も検討できるかと 思うが、運行経費の問題がある。

5.3.3  コミュニティバスについて 

堀川の周辺部には観光施設が点在して いるものの、堀川に必ずしも隣接してい なかったり、また、堀川自体が名駅や栄 といった集客地域から少し離れたところ に位置するため、集客施設と堀川とを結 ぶコミュニティバスを運行することによ って堀川に人を集め、また、堀川観光船 からのフィーダー交通として整備するこ とを提案する。

図 5.3.2:ルート 1 名駅〜名城ループ系統 

図 5.3.3:ルート 2 名駅〜久屋大通ループ系統 

図 5.3.4:ルート 3 金山〜熱田ループ系統 

運行区間は以下の3ルートを想定する。

ルート 1:名古屋駅から納屋橋、伏見、丸の内、名古屋城、トヨタ産業記念館、ノリタケの森を 経由して名古屋駅に戻る片循環運行。

ルート 2:名古屋駅から笹島町、大須観音、市美術館・市科学館、ランの館、久屋大通、テレビ 塔、丸の内、伏見、納屋橋を経由して名古屋駅に戻る片循環運行。

ルート 3:金山駅からセンチュリーホール、宮の渡し、熱田神宮を経由して金山駅に戻る片循環 運行。

以上のルートは、いずれも運行距離を約6キロに設定してある。また、コミュニティバスの基本ス ペックは表5.3.2の通りである。

この運行本数に基づいて1路線あたりの1日あたりの運行経費を計算すると以下のようになる。な お、ここで使用したキロあたり運行経費は国土交通省のパブリックコメントによる。

キロあたり経費(平均):349.50円/㌔

であるので、

1日の運行経費:2,097円×40本=83,880円 となり、よって

1ヶ月運行経費:83,880円×30日=2,516,400円≒250万円/月 となる。

運賃は無料としているため、運賃収入は当然0円であるが、このコミュニティバスは沿線企業など からの協賛金を得て運行することを想定している。このような無料コミュニティバスの例は、東京で 日の丸自動車興業が運行している「ベイシャトル」「丸の内シャトル」「メトロリンク日本橋」などの 例があるが、この場合、沿線企業の協賛金は1口月25万円と設定されている。

この金額を適用した場合、1ヶ月の運行経費を賄うためには10口以上の出資があればよいというこ とになる。

東京のメトロリンク日本橋の場合、協賛企業はバス背面の広告枠や車内液晶ディスプレイ広告、パ ンフレットラックの使用が可能であり、また、地区内の回遊性が向上することによって客の増加も見 込むことができる。また、利用客に関しては1日あたりの利用客は約1,000人程度、休日であれば1,600 人程度の利用があり、そのほとんどが事前にメトロリンク日本橋の存在を知っていたという(日経グ ローカル2004年6月21日号による)。

このコミュニティバスの導入は、観光客の利便を図るのみならず、名古屋市民や周辺市町村から名 古屋市中心部に買い物などに訪れた客の回遊性を増すことにもつながり、都心活性化にもつなげるこ とが可能であると考える。

5.3.4 まとめ 

以上、観光船を導入し堀川自体を観光地化することと、そのフィーダー交通としてのコミュニティ バスを導入することにより、周辺地域も含めた活性化を提案した。

ただし、このプランが実現可能なものとなるためには、堀川自体の魅力アップが必要となるほか、

堀川周辺地域の商業施設ならびに景観の整備が必要となると考える。

また、堀川の歴史的な意義に着目して、観光船で史実について案内するなどの付加価値をつけるこ とも必要となると考えられる。

ドキュメント内 2 (ページ 66-79)

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