司4
主 主 議 室 ス ポ ー ツ と し て の デ ィ ス ク ・ ス ポ ー ツ に
M
す る 葺 汗 多 宅 ( 1 ) 高齢者におけるディスク・ゴルフについて 一一一一一一‑ディスク・ゴルフ,高齢者,生涯スポーツ 1.緒言
高齢化への途を確実に歩んでいる我国の平均寿命は、男 女共に世界ーの長寿固となった。生活環境の機織化や近年 の医学のめざましい発展により、近い将来総人口の
20%
は 高齢者が占めるであろうといわれている.。生涯時間の増 大した社会において高齢者はどの様な生きがいを見つけて いくのだろうか.高齢化社会の到来により、個人の生き方 の問題、さらに社会のあり方の問題など、今後積極的に取 り組んでいかなければならない課題が多く生じている.高齢者において、年齢と共に衰えていく身体機能の速度 をゆるめ、また、いかに保持することができるかという問 題は、
21
世紀に向かう社会を健康で切るく生きるための 不可欠な条件といえよう.このように、高齢化社会において、健康を維持すること は重要な意味を持つようになり、手軽な健康づくりのでき るスポーツに対し、多くの人々が関心を寄せるようになっ た.また、若年層から中年層の人々においては、フィ γト ネス・スポーツの名のもとに、エアロピタス・ダンス、テ ニス、水泳、ジaギシグ、スキーなど、それぞれが巽なっ たスポーツを実施している.
生涯スポーツとは、近い将来、これらの人々が、
60
議 になったからといって、ゲートポールや歩け歩け運動、ま た、体操などを実施するのではなく、現在行なっているス ポーツ、または、若いころに行っていたスポーツを高齢者 としての環境条件に適したものに修正し、継続を可能にし ていくことであると考えられる。これらの生涯スポーツとしての観点から、ディスタ・ゴ ルフの諸要素を検討した場合、高齢者の体力に応じたプレ ーが可能で、既成のルールを高齢者向きに変更できる融通 性があり、しかも、用具が安価で安全である点からして、
これからの生涯スポーツとしての発展が期待できる種目と いえる。
また、これまでの高齢者スポーツに関する報告には、デ ィスク・ゴルフに関するものが少なく、その現状が充分に 把握されているとはいい難い。そこで、本研究では、高齢 化によって増大した生涯時間の中で、高齢者がディスク・
ゴルフを行うに必要な諸要件に関する基礎データを得るた めに、文猷調査、ならびに、ディスク・ゴルフ愛好者を対 象とした郷査を実施し、生涯スポーツとしての、高齢者の 環境条件に遣したディスク・ゴルフの特性を明らかにし た。
手 塚 麻 美 (株式会社ピープル)
2 .
研究方法1)文献調査により、ディスク・ゴルフの特性を、高 齢者スポーツとしての身体的要件
( P h y s i c a lE l e m e n t )
、 社会的要件( S o c i a lE l e m e n t )
、機能的要件( F u n c t i o n a l E l e m e n
t)の3
つに大別した.2 )
調査対象調査対象は、千葉県船橋市老人大学の健康・スポーツ 科(1年間のカリキ且ラム)を卒業した第
1
期から第4
期生までの人々を中心として、定期的にディスタ・ゴル フの練習を行っている船橋市在住の同好会メシパーで、6 0
歳以上の男女36
名である.3)鵡査期間
昭和
62
年8
月4
日‑6
日 4)調査方法m
質問紙調査①調査項目
。基礎項目 (年齢、性別、ディスタ・ゴルフを始め た動機)
。身体的要件
O
ディスタ・ゴルフは健康の維持に役立っている。O
練習が身体的にきついと感じたことがある。O
ディスク・ゴルフで身体の一部を痛めたことがあ る。。社会的要件
O
ディスタ・ゴルフの一番好きな点。O
ディスク・ゴルフは気晴らしやストレスの解消に 役立っている。O
ディスク・ゴルフを始めてから仲間が多くでき た.0
練習以外にも仲間との交泌がある。O
これまでにスポーツ経験がある。0
ディスク・ゴルフを生涯スポーツとして続けてい く。。機能的要件
0
練習場所についてO
練習回数についてO
試合図数について。ディスクの所持枚数について
01
図の練習にかかる費用についてO
練習の時に指導者がいる0
指導者の所属について0
指導者が持っている資格について質問項目に対する回答方法は、選択法、「はいJ・「いいえ」
の2件 法 、 ま た 、 記 述 法 の3方法がとられている。
② 調 査 の 手 順
日本フライング・ディスク協会、および、千葉県船橋市 老 人 福 祇 課 を 通 じ て 、 船 橋 市 老 人 大 学 卒 業 の 同 好 会 代 表 者 の 了 解 を 得 た 上 で 通 常 の 練 習 場 所 で あ る 千 葉 県 船 橋 市 の 行 田 公 園 に て 、 当 日 の 参 加 者
18
名 全 員 に 、 所 定 の 質 問 紙 を 配 布 し 、 項 目 ご と に 説 明 を 加 え 、 記 入 し て も ら う 集 合 調 査 を 実 施 し 、 さ ら に 、 当 日 参 加 で き な か っ た メ ン パ ー に は 後 日、電話により、集合調査同様、所定の質問紙により、項 目ごとに説明を加え、記入するインタビュー調査を併用し た 。 調 査 対 象 者 の 年 齢 お よ び 性 別 の 内 訳 は 表i
の示す通り である。表 1 . 調 査 対 象 者 の 内 訳
除( 6 ‑64 ‑69 ‑74 ‑79 0 6 5 7 0 7 5
百十 平均年 齢男性
2 5 5 9 8 3 2 5 6 8 . 8
女 性
1 1 3 6 2 。 1 1 6 7 i I t 3 6 8 1 5 1 0 3 3 6 6 8 . 2
3 .
結 果 お よ び 考 察1)身体的要件
( P h y s i c a lE l e m e n t )
岩岡 2)は、高齢者に必要な基本的体力の
l
つを、余裕 を も っ て 歩 く こ と が で き る と し 、 そ の た め に は 、 胸 部 の 筋 肉 へ 酸 素 を 運 び 、 老 廃 物 を 除 去 す る 、 肺 ・ 心 臓 ・ 血 管 の 機 能 が 良 好 で あ り 、 一 定 の 有 酸 素 性 能 力 が 維 持 さ れ て い な け ればならないことをあげている。また、田畑 3)は、加齢とともに、日常生活における身 体運動量が減少し、歩く速さが退くなる原因については、
高 齢 者 だ か ら で は な く 、 高 齢 化 し て 最 大 酸 素 摂 取 量 が 低 下 したため、もっとも楽な歩行速度が低下するとし、この傾 向 は 、 歩 行 ば か り で な く 、 そ の 他 の 日 常 生 活 や ス ポ ー ツ 活 動 に つ い て も 大 き な 影 響 を 与 え 、 高 齢 化 し て 最 大 酸 素 摂 取 量が低下するがままにしていると、日常生活およびスポー ツ活動においても、可能な動作の置がしだいに減少してい
くと
t
旨摘している。鹿 展 体 育 大 学 け の こ れ ら の 機 能 低 下 に 効 果 的 な 高 齢 者 スポーツの研究報告によると、最大酸素摂取水準から得た 高齢者の最大心拍数をおよそ
158
拍/分前後と推定した 場 合 、 デ ィ ス ク ・ ゴ ル フ の 心 拍 数 上 昇 が100‑120
拍/ 分 程 度 の 水 準 に 逮 し 、 高 齢 者 に と っ て 、 デ ィ ス ク ・ ゴ ル フが脊酸素性能カの
2/3
程 度 を 動 員 し て い る こ と を 示 唆 し、健康保持増進という目的から考えるならば、ディスタ・ ゴ ル フ は 適 切 な 運 動 量 を 意 味 す る と 結 論 づ け て い る . このように、ディスク・ゴルフは高齢者の身体機能の低 下 に 生 理 学 的 効 果 を も た ら し 、 高 齢 者 ス ポ ー ツ と し て の 可 能性が高い種目といえる。
さらに、表
2
からは、回答者全員が、ディスク・ゴルフ が健康の維持に役立っているとし、また、練習についても 身 体 的 に き つ い と 感 じ た こ と の あ る 入 は い な か っ た 。 こ の ことは、今回の調査対象者においては、ディスタ・ゴルフ が生理学的に効果をもたらしていることを表わしている。表
2
の障害についての項目によると、7
人がディスク・ゴルフで身体の一部を痛めたとし、その内訳は、肩やひじ を 痛 め た 人 が
5
入 、 つ ま ず い て 左 足 小 指 骨 折 が1
人 、 ま た 、 他 者 が 投 げ た デ ィ ス ク が 手 に あ た っ た 人 がl
人となっ て い る 。 屑 や ひ じ を 痛 め た 人 に 関 し て は 、 デ ィ ス ク ・ ゴ ル フの初期の段階にどの年齢層においてもおこりやすい、無 理なフォームでのスローイングやカの使い方に原因がある と考えられる。このケースはどれも1
週 間 程 度 の 縫 い 痛 み があったが、その後は全く痛みを感じていないことから、高 齢 者 特 有 の 身 体 機 能 の 低 下 か ら 発 生 す る 障 害 と は い い 灘 い。また、骨折の直接の原因については、加齢にともなう 骨 の 萎 縮 に よ り 、 歩 行 中 つ ま ず い た 時 に 骨 折 し た 可 能 性 が 考 え ら れ 、 デ ィ ス ク ・ ゴ ル フ の 運 動 の 特 性 と は 関 係 し て い ない。
高 齢 者 ス ポ ー ツ と し て の 身 体 的 要 件 に つ い て は 、 ま ず 第
l
に安全性の確保をすることにあり、機康のために行って い る ス ポ ー ツ で 、 障 害 や 事 故 が あ っ て は な ら な い 。 高 齢 者 が 、 ス ポ ー ツ を 実 施 す る に あ た っ て は 、 障 害 予 防 の た め 準 備 運 動 と し て 、 静 的 ス ト レ ッ チ シ グ を 充 分 に 行 う こ と が 大 切 で あ り 、 ま た 、 活 動 後 も 実 施 す る こ と で 、 筋 肉 痛 の 予 防 にも効果的のである。さらに、他者が投げたディスクがあたって負傷する事故に ついても、ディスク・ゴルフのマナーに基づき、ディスク を 投 げ る 時 に 、 デ ィ ス ク の 飛 行 経 路 お よ び 落 下 地 点 が 他 の プレーヤーの邪魔にならないかどうかの確認を必ず行い、
また、互いに声をかけ合うことで防止することが充分可能 である。
これらの障害あるいは事故防止の実施をすることで、直 接 的 な 身 体 接 触 に よ る 危 険 を と も な わ な い デ ィ ス ク ・ ゴ ル フ に お い て は 障 害 や 事 故 の 発 生 率 が 低 い と い え る で あ ろ う。
‑73
ー表
2 .
ディスク・ゴルフによる身体的効巣(※男性および女性欄は左を集会調査、右をインタビュー調査による数字とする)
項 目 男 性 女 性 自
f
L
ディスク・ゴルフを始めた動機a.老人大学の授業で経験して
1 2 1 0 5 3 3 0
b.活動の場を見て
。 。 2
c.家族にすすめられて
。。。
d.友人にすすめられて
。 2 。 3
c.その他
。。。。。
2 .
ディスク・ゴルフは健康の維持に役立っている身 a. は い
1 2 1 3 6 5 3 6
b. いいえ。。。。。
体
3 .
練習が身体的にきついと感じたことがある.的 a. は い
。。。。。
b. いいえ
1 2 1 3 6 5 3 6
要4 .
ディスク・ゴルフで身体の一部を痛めたことがある.件 a. は い
3 2 2 。 7
b. いいえ
9111 4 5 2 9
2)社会的要件 (Social Element) 心理的緊張をやわらげ、広々とした屋外でのプレーが、
198 5
年 の 総 理 府 の 調 査 の で は 、 ス ポ ー ツ ク ラ ブ や 気晴らしやストレス解消に効果をもたらす。また、表3
同 好 会 へ の 参 加 動 機 の 第l
位として、 「スポーツを楽し からは、36
名中35
名が、ディスク・ゴルフの生理的 み、仲間と親睦を深める。」ことがあげられている。これ 効果があるとしている。が 意 味 す る も の は 、 高 齢 者 が 増 大 し た 生 涯 時 闘 を ど う 考 @ 社会的効果・・・・・男女混合のパーティーを組むことも え、また、実際にどう過ごしたいかを知実に示していると 可能で、各ホールを回る闘に、仲間との社交的交流の場 いえよう.個人のライフ・サイクルを考える場合、壮年期 が確保され、社交性を育てる場となる。表3によると、
の段階から老年期の段階へと移行する時期に、個人差はあ 仲間と楽しくプレーができることを、ディスク・ゴルフ るにせよ健康への不安を抱き、仕事上の一線を退き、社交 の好きな点としてあげた人が24名、また、ディスク・
の場が少なくなった時に、仲間を求めるという願望が強く ゴ ル フ を 始 め て か ら 仲 間 が 多 く で き た と 回 答 し た 者 が なるのは当然といえる。
36
名全員で、練習以外にも仲間との交流があるとした こうした高齢者の心理的側面を考えた場合、社会的効果 人が36
名中33
名を占めた。これらの調査結果は、今 もまた、高齢者スポーツとしての重要な点と考えられる。 回の対象となった高齢者において、ディスク・ゴルフが さらに、高齢者スポーツを7
つのレクリエーション活動 非常に大きな社会的効果をもたらしていることを示して の 効 果 刊 と し て 項 目 別 に み た 場 合 、 デ ィ ス ク ・ ゴ ル フ の いる。特 性 は 以 下 の よ う な 効 果 を 示 し た 。 @ 教 育 的 効 果 ・ ・ ・ ・ ・ デ ィ ス ク ・ ゴ ル フ を 遇 し て 、 風 や 力
① 心理的効果・・・・・ディスク・ゴルフそのものが楽し の使い方などが、ディスクの飛行距離や経路にどう影響 く、慰安的な効果が期待できる。 するかなど、新しい知識の学習ができ、国外や国内で他
② 生理的効果・・・・・競技遂行上は、個人の能力の程度に との試合を遇して新しい経験が得られる。
よ る も の が 非 常 に 大 き く 、 他 者 か ら の 影 響 が 少 な い た ⑤創作活動の効果・・・・・ディスク・ゴルフはよ単にディ め、個人のミスが他者への負担につながることがなく、 スクを的に近づけるのではなく、そこには、様々な障害