2. 粒径および外⼒変化の影響による津波堆積物の形成メカニズム解明のため
2.3 実験結果および考察
2.3.6 周期による堆積砂量への影響
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0 20 40 60 80 100
x/ DW (%)
Sand deposit (g)
20 15 10 5 0
U1(0.560) U3(0.189) Grain size (d50: mm)
図2-26 短周期波3波による堆積砂量の比較
2.3.7 遮水壁による堆積砂量への影響
2.3.6で上述したとおり,自由な遡上の戻り流れありの場合,強い戻り流れが 発生したことにより,斜面上の堆積物がほとんど持ち去られた.しかし,実際の 津波遡上は,障害物により制限を受ける場合が多いと考えられる.斜面中腹(W1) に遮水壁を設置し,単一波および同規模2波を発生させた場合の堆積砂量を図2-27(a)(b)に示す.また,遡上先端付近(W2)に設置した場合を図2-28(a)(b)に示す.
いずれも戻り流れありの条件であるが,障害物のない自由な遡上の場合と異な り,堆積砂が発生している.多くの堆積物が残る原因として,図2-10(a)で示し たように遮水壁によって急激な水位上昇と流速の低下が発生するため,シール ズ数が低下して砂粒が停止したためと考えられる.
斜面中腹に設置した場合は,堆積砂量が斜面上で急激な増加減少を繰り返し ており,特に汀線付近,斜面中腹および遮水壁付近で増加していた.2波を発生 させた場合は,中腹付近の堆積物の堆積量は減少したが,遮水壁周辺において顕 著な増加が確認できた.これは,2.3.5の複数波による結果と同様,砂の供給源 が変化したことによる影響であると考えられる.さらに,増加減少を繰り返す原 因として,遮水壁による乱れにより,一般の遡上の戻り流れとは異なり,土砂の 量が非常に多いこと,また戻り流れが発達しきらず,多くの砂を運搬できなかっ たことなどが考えられる.
遡上先端付近に設置した場合は,斜面中腹の場合と同様,汀線付近と遮水壁付 近において堆積砂量の増加が確認できた.しかし,中腹に設置した場合と比較し て非常に堆積砂量が少なく,斜面中腹における増加もみられなかった.堆積砂量 の大きな減少は,遡上先端付近に遮水壁を設置したため,中腹に設置した場合と 比べて,壁への到達時の流速が小さかったことが原因であると考えられる.ま た,遮水壁による大きな流速の変化がなかったため,戻り流れが発達し,斜面上 の砂の多くを持ち去る結果に繋がったと考えられる.予備実験の結果,2.3.6で も述べたように本実験において長周期の段波では戻り流れを考慮した場合,斜 面上の堆積物が全て持ち去られることが確認できている.また,2.3.1で示した 通り,段波波高が25cmの場合(図2-8(a))および遮水壁を遡上斜面先端付近に 設置した場合(図2-10(b))の汀線付近や斜面の水位・流速のほぼ同じ変動を示 している.このことからも,遮水壁を遡上先端付近に設置した場合,遡上先端付 近は遮水壁の影響を大きく受けることが確認できる.しかし,斜面中腹から汀線 付近にかけて土砂の堆積量が大幅に減少するのは,段波波高25cmの場合で戻り
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流れを考慮した場合と同様,戻りの流れの影響を大きく受け堆積物が持ち去ら れる環境となっているためと考えられる.
0 20 40 60 80 100
x/ DW (%)
Sand deposit (g)
80 60 40 20 0
U1(0.560) U2(0.279) U3(0.189) Grain size (d50: mm)
0 20 40 60 80 100 80
60 40 20 0
x/ DW (%)
Sand deposit (g)
U1(0.560) U2(0.279) U3(0.189) Grain size (d50: mm)
(a) 単一波
(b) 同規模2波
図2-27 遮水壁(斜面中腹)による各粒径の堆積砂量の比較
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0 20 40 60 80 100
x/ DW (%)
Sand deposit (g)
80 60 40 20 0
U1(0.560) U2(0.279) U3(0.189) Grain size (d50: mm)
0 20 40 60 80 100 80
60 40 20 0
x/ DW (%)
Sand deposit (g)
U1(0.560) U2(0.279) U3(0.189) Grain size (d50: mm)
(a) 単一波
(b) 同規模2波
図2-28 遮水壁(遡上先端)による各粒径の堆積砂量の比較