クリエイティブ から ビジネス へ
SMEジャパンという会社を作ったん ですが、BoAを通してエンターテイン メントビジネスを学びましたね。僕は それまでに会社を6つ作っていたんで すが、ビジネスの仕方の間違いに気 づき、もう一度自分なりにという思い から業務を集約させ、立ち上げたの が現在のレインボーエンタテインメン トです」
── 間違いというよりも、クリエイティ ブの時代からビジネスの時代にという ことだったのかもしれませんね。
「そうかもしれません。音を作る現場 は好きだし、プロデュースも実際して いるんですが、もうちょっと経営とい うものにちゃんと向かいあわないとい けないなと思い始めてます」
── ここ数年、経営 というのは音楽 プロダクションにとっての大きなキーワ ードになってきましたよね。
「レコードメーカーからサポートして いただく金額も下がってますし、ライ ブで赤字が出たからといって 半分出 します なんてどこも言ってくれない ですからね(笑)。レインボーに業務 を集約したのは、アーティストを数多 くやっていこうと思うとその原資が必 要になりますから。そうすると片方で 音楽出版──これはリスクも少なく利 益が出てくるものですね、それといろ んなプロデューサーたちがいて制作
仕事を請け負っていたり、映画音楽 を作ったりっていうパワー・ボックス がやっていたものをレインボーに移し て、少しでも補てんしようと思ったか らなんです。レーベルも、リスクはあ るけど利益率は高いですからね。イ ンディレーベルとして走り出したばか りでよちよち歩きですけど、昨年はト ータルで25万枚ぐらいはセールスで きました。幸いなことに4年間赤字に はならずにやれているんですよ。スタ ッフが本当にがんばってくれています。
だからこれからは、横に広がったもの を掘り下げて実績を作っていってあ げないといけないなと思ってます」
── しかしこれだけアーティストがい ると、もう大プロダクションですね。
「今メジャーと契約しているアーティ ストは14組。もう危険水域ですね(笑)。 柱がドーンとあって増えていくのは正 しいけど、柱もないのにちゃんとケア していけるのかって自問自答している んですよ。レインボーを始めたときは、
数もいなければいけないかなと思っ て 最大 を目指した時期も一瞬あり ましたけど、今は 最良 を目指してい ます。ビジネスとしての最良も目指さ なきゃいけないので葛藤もあります が」
vol. 10
メジャーと組むメリット
── DEPAPEPEなどインディーズで も売れていたので、そのままやってい ても事務所やレーベルとしては何とな くまわるなと思うじゃないですか。それ をあえてメジャーと組んでやられるお 気持ちというのは?
「我々がやってるスケールとはまた違 うスケールでできるというのがメジャ ーのメリットだと思っています。イン ディーで5万、6万でもいいんですけど、
DEPAPEPEなんかは、メジャーのな かでやっていけるキャラクターも持っ ていましたからね」
── 確かにスケールメリットがあるし、
メジャーはアーティストプロモーション ができる。たとえ楽曲が不調なときで も別の方向で売れたりして、長く音楽 をやっていけるんじゃないかというの もありますね。
「我々も営業は最低限持ちますけど、
宣伝部はまだ持てないんですね。メ ジャーはそこが強い。アーティストの キャラクターを生かしてビジネスをし ていけるところがありますし、アーテ ィストもまた、いろんな経験を通して 成長する。我々だけだと持っていけ ないところもありますね」
── これからのビジネスビジョンはど んなふうにお持ちですか?
「DEPAPEPEは台湾と韓国で5月か らリリースが始まります。クラブ系の i-depはヨーロッパでも非常に受けが いいので、韓国に次いでライセンスア ウトを考えています。アジアでのビジ ネスは韓国だけですけど、中華圏は 比較的感性が近いと思うので、少し ずつ出ていきたいですね。今後やっ ていきたいビジネスの根本的なとこ でいうと、我々は音楽ビジネスをやっ ていますよね。いっぽうで、役者さん をしっかりマネージメントしている会 社もある。ほかにもあると思うんです が、そういった各方面で活動している 方々とネットワークを作っていきたい んですよね。国内においても韓国で も、いい形で業務提携してやっていき たい。音楽や映像などエンタテインメ ントビジネス全般をやっていきたいの ですが、総合的に全部やるのは不可 能なので、得意なものを持った人と 組んで補完しあって、ネットワーク作 りをやっていこうと考えています」
── では最後に、これから業界を目指 そうとしてる人や若い人たちにメッセー ジをいただきたいのですが。
「音楽業界にかぎらず、どの業界で も今はシステムもできあがっている し、破天荒なこともしにくいので夢を 持ちにくい時代かもしれないですけ ど、どれだけ夢を描けるかというとこ 今後の音楽業界に向けて
ろが大事だと思うし、そういう人が出 てこないと今の体制が変わらないよ うな気がするんですよね。サクセスス トーリーのチャンスは絶対にまだ残っ てますから、ぜひ夢をもって音楽業界 に入ってきてほしいなと思います。で も、パッケージは伸びないし、配信は 伸びても利益率が低い。そうすると当 然この業界に従事する人が減ってい くし、夢を描く人も少なくなる。活力 がなくなりますよね。ネガティブに考 えると要素はたくさんありますけど、
ポジティブに考えるとまだチャンスは 残ってると思うんです。どうせ1回しか ない人生なんだから、やるだけやって みようと僕自身も思っています。今、
上にいる方々は、若い人がどうやった ら夢を持って入ってこれるかっていう
ことも考えていかなきゃいけないのか なと思います。それは、音制連のひと つの使命かもしれないですね」
── 確かにそうですね。
「今、日本のマーケットが飽和状態に