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各部門の概要

ドキュメント内 災害科学国際研究所活動報告書 2013年度 (ページ 49-58)

災害リスク研究部門

災害リスク研究部門では、毎月一度部門会議を開催し、研究分野間の情報交換を行っている。各研究 分野の活動を以下に示す。

地域地震災害研究分野では、東日本大震災の振動被害の実態に基づく地盤環境調和型地震対策の研究、

および構造ヘルスモニタリングと早期地震警報との融合技術として地域版リアルタイム地震観測シス

テム(EEW/SHM システム)の開発展開に関する研究を継続して行ってきている。平成 25 年度には 、

EEW/SHM システムの地域展開拡張と海外展開としてモンゴル国へのシステム導入を行った。また、こ

れらの研究成果に基づく災害調査報告書等の執筆、国内外での学会での招待講演を行う国内外に向けた 情報発信を行った。

津波工学研究分野は、津波減災を目指す研究のトップランナーとして活動を進めている。特に、東日本大震 災での被害実態と得られた教訓を国内外の防災・減災活動に活かす研究・教育の実践を行っている。平成25年 度での主な活動報告としては、産学による数値解析モデルの開発として富士通(株)と共同研究,歴史津波対す る学際的な再評価として旧JNESとの共同研究、減災のための教育プログラムの提案として減災ポケット「結」

(ハンカチ)の制作(仙台放送との共同)などを行った。さらに、マスメディアを通じた情報発信も精力的に 取り組んでおり,2014年4月に発生したチリ北部地震津波に関する緊急記者発表を行った。

災害ポテンシャル研究分野では、国内外で発生した水害に関する調査研究として、2013年7月に山形で発生 した集中豪雨、8月の秋田・岩手における集中豪雨、同年 11 月のフィリピンレイテ島を中心に大規模な高潮 災害、2014年1月のインドネシアの首都ジャカルタにおける大規模な浸水被害に関する調査を行った。また、

5つの中大型プロジェクトと3つの災害研特定プロジェクトを推進した。これらの研究の成果をもとに18 編 の査読付き論文を公表、大学院生を中心とした31編の研究発表を行なった。

広域被害把握研究分野は,巨大地震発生直後の数値シミュレーションを実施して、津波被災地を探索し、人 的被害・建物被害を推計するための被害予測式、広域に発生した被害の空間分布を把握するリモートセンシン グ技術、被災後の復旧・復興過程をモニタリングするセンシング技術、および空間情報処理技術についての技 術基盤を被災地での取り組みを通じて構築する研究活動を行なっている。平成25年度には G空間情報を活用 した次世代防災・被災地支援システム研究会を発足するとともに、国際連携として、ドイツ航空宇宙センター との協定の締結を行った。

最適減災技術研究分野では、東日本大震災における被災地復興及び来るべき地震災害に対する都市・建築の 被害低減を目的とした研究を行っている。平成25年度には、第13回世界免制振会議の開催に貢献するととも に、超高層建築物の地震時応答制御に有用な理論の提示を行った。また、放射線(主にγ線)遮蔽コンクリー トの研究として、超長期的な耐久性を持つ高密度コンクリートを開発するとともに,実際の原発事故汚染物を 線源(体積線源)とした遮蔽実験に基づく高密度コンクリートの放射線遮蔽率を明示した。

低頻度リスク評価研究分野では、2011年東北地方太平洋沖地震津波による堆積現象調査に加え、日本海溝沿 い、南海トラフ沿い、日本海側(山形県)、琉球海溝沿いなどで古津波調査を実施した。平成25年度には、土 砂移動モデルを仙台市周辺地域における 2011 年の津波の再現計算に適用して検証を行ない、現地データと整 合的な結果が得られることを示した。これらの成果に基づき、国際学術雑誌などへの論文発表や、国際学会・

シンポジウムで招待講演を含む発表を行った。

国際災害リスク研究分野では、数値シミュレーションによる被害の解明に関する研究を行っている。平成 25年度には、ジャカルタ市堤防決壊メカニズムを解明するための現地調査、釜石防波堤の決壊メカニズムを 解明、 歌津大橋の被害のメカニズム解明するための数値シミュレーションによる被害要因分析を行った。ま た、津波浸水モデルや洪水モデルに関する国際ワークショップを開催した。

(源栄正人)

人間・社会対応研究部門

災害情報認知研究分野は、災害時の「生きる力」の科学的解明、人間のリスク認知や災害情報記憶に関する 研究、防災ゲームの開発などを行った。また、「災害・認知・脳科学研究会」を立ち上げ、災害関連諸学術分野 と認知・脳科学の融合研究を推進した。

被災地支援研究分野は、東日本大震災時の交通・通信インフラの被災・復旧状況の整理、自動車避難を考慮 した交通シミュレーション手法の開発、災害緊急対応時の意思決定プロセスと施設のあり方の研究、災害に強 く持続可能な地域の構造に関する研究を行った。

歴史資料保存研究分野は、東日本大震災で被災した歴史資料の救済・保全活動を進め、地域の歴史資料を災 害から守るための技術的・組織的な課題と東日本大震災における教訓を普及した。また、東北地方太平洋沿岸 に襲来した歴史津波の件数や被災状況を様々な史料から再検討した。

防災社会システム研究分野は、災害時等の事業継続計画(BCP)の研究を行い、内閣府の「事業継続ガイド ライン」の改定、解説書の作成を支援した。また、首都直下地震発生時の帰宅困難者の対策、政府・地方自治 体の防災職員への教育プログラムの開発、災害ボランティアの活動環境の整備などについて、立案に貢献した。

防災法制度研究分野は、災害復興・災害予防制度に関するワークショップ、被災自治体や他の自治体での復 興に関するヒアリング調査、住宅耐震化への取り組みや中古住宅の耐震化促進に関する調査などを行い、様々 な具体的な政策提言を行った。

災害文化研究分野は、日本列島各地の自然災害との関わり方について、現地に赴き、歴史資料の収集や生活 文化の聞書きを通して、考察を試みた。また、「地域の歴史・生活文化からの防災」のワークショップにおける 講演を各地で行った。

防災社会国際比較研究分野は、東日本大震災の被災地域における生活再建と復興過程の調査・研究、国内外 での被災コミュニティの再定住に関する計画決定過程の調査・研究、および専門家を交えた復興社会づくりの 国際比較研究・交流活動の3つを柱に活動を行った。

(邑本俊亮)

地域・都市再生研究部門

1 都市再生計画技術分野

東日本大震災被災地域の今後の居住復興策の方向性について検討するとともに地域人口動態モデルの構築 を進めた。陸前高田市、石巻市等を対象に商店街復興、復興計画の策定実態と課題を明らかにした。また、台 風ハイエンの被害状況調査を行った。

2 除染科学研究分野

連続個別非破壊放射能汚染検査システム、放射能非破壊検査装置などの高性能な汚染検査装置を開発し、被 災自治体に設置して生活の復旧の促進に寄与した。汚染植物の調査をPIXE分析し、国際会議において招待 講演として発表した。旧コバルト照射実験室の改修に加えて新たに研究棟を設置し、プロジェクト研究の促進 を図った。

3 地域安全工学研究分野

遡上津波と構造物の相互作用評価手法の開発,斜面災害の危険度評価,構造材料および土木構造物の設計 最適化などの要素技術およびに災害科学研究の成果を3D立体視して各事象を時間・空間的に俯瞰して分析で きるシステムのプロトタイプに関する研究を進めた。また、レジリエンスワークショップの開催や豪雨災害 調査等の活動を行った。

4 災害対応ロボテックス研究分野

災害対応ロボティクス研究分野では、①超小型ヘリと地上走行ロボットによる被災原子炉建屋内調査システ ム②被災下水管路内点検ロボットシステム③老朽化細径配管点検技術④救助犬の情報強化⑤超小型ヘリによ る老朽化プラント点検⑥災害対応ロボットの技術・産業・配備における課題調査と性能評価に関連する政策提 言。に関する研究を実施した。

5 国際防災戦略研究分野

都市および建築空間を災害マネジメントの視点から整理し,防災と復興の空間計画論として体系化した。ま た,インド洋津波と東日本大震災の復興過程を定量的に比較するとともに各地の復興計画や津波避難施設の建 設状況等を整理し課題を抽出した。また、台風ハイエンや2007年ペルー地震などの被災・復興調査および2015 年国連防災世界会議に向けた積極的な活動を行った。

(石坂公一)

ドキュメント内 災害科学国際研究所活動報告書 2013年度 (ページ 49-58)

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