(4)地域の将来像と目標
緑が映える段丘崖や豊かな歴史文化資源を活かし 世代を超えて生活が輝くまち
地域の
将来像
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①都市骨格を活かしたまちづくり
●生活道路への通過交通の侵入を防止す るとともに、防災拠点施設などへのア クセスを確保し地域の防災機能を高め るため、(都)御殿山小倉線の整備を進 めます。
●牧野駅周辺のにぎわいとゆとりある 地区拠点の形成
●牧野駅周辺は、にぎやかで魅力的な駅 前の顔としてにぎわいとゆとりの空間 を創出するため、市街地再開発事業を 促進し駅前空間の高度利用化を図りま す。また、駅前広場の整備など交通結 節機能の強化を図ります。
●枚方市民病院や国家公務員枚方合同宿 舎の建替えにあわせて(都)渚禁野線の 整備を進めます。
●都市計画道路の整備促進
市街地再開発事業(イメージ図)
(都)枚方藤阪線の未整備区間
(5)まちづくり方針
●国土軸へのアクセス機能を有する淀川 渡河部の(都)牧野高槻線などの整備を 促進し、北摂地域との交流・連携を図 ります。
●(都)枚方藤阪線は歩道の未整備区間の 整備を進め、安全な歩行者空間の確保 を図ります。
全 体 構 想
理 念 と コ ン セ プ ト は じ め に
基 本 方 針
課 題 と 方 向
地 域 別 構 想
南 西 部 地 域
南 部 地 域
東 部 地 域 中 東 部 地 域 北 部 地 域
中 南 部 地 域 中 部 地 域
都 市 づく り の 実 現 に向 け て
付 属 資 料
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②土地利用の方針
●牧野駅、御殿山駅、宮之阪駅周辺の 商業・サービス機能の集積
宮之阪駅周辺
利便性の高い都市居住ゾーン
●牧野駅、御殿山駅、宮之阪駅周辺は地 区拠点としてふさわしい、生活に身近 な商業・サービス機能の集積を図りま す。
●国道1号沿道における産業の集積
●国道1号沿道は沿道産業集積ゾーンと して、商業施設や自動車関連施設など の集積を図るとともに、広域的な幹線 道路にふさわしい沿道景観の形成を図 ります。
国道 1 号沿道
●生活利便性の高い住環境の形成
●地域南部の住宅地は、都市居住ゾーン として、居住機能と商業サービス機能 が共存した生活利便性の高い住環境の 形成を図ります。
●工業集積ゾーンにおける周辺住宅地 と協調した環境の形成
●地域中央の工業集積ゾーンでは、周辺 道路の整備とともに周辺の住宅地と協 調した環境の形成を図ります。
●淀川沿いの農地の保全・活用
●みどりの都市環境ゾーンとして農地の 保全に努めるとともに、農とのふれあ いや広域避難地の淀川につながる防災 空間としてなど、農地の持つ多面的な 機能の活用を図ります。
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③生活環境の質の高いまちづくり
●芸術や枚方の歴史を感じられる 散策道の整備
●御殿山駅から御殿山生涯学習美術セン ター、渚院跡、殿山百済寺道、中宮平 和ロードなどをネットワークして、芸 術や枚方の歴史を感じられる散策道の 整備を推進します。
●快適な住環境の保全・整備
●京阪本線沿線の戸建住宅地では敷地細 分化などがみられることから、地区計 画や建築協定などの活用により、良好 な住環境の保全・整備に努めます。
中宮平和ロード
●良好な都市景観の形成
●国道 1 号沿道では景観の向上のため、
街路樹や敷際のみどりの充実を図ると ともに、沿道の建築物や屋外広告物の 色彩や配置・デザインについて配慮を 促します。
百済寺跡
●百済寺跡や渚院跡などの歴史や文化に 配慮した景観形成を図ります。
良好な住環境
全 体 構 想
理 念 と コ ン セ プ ト は じ め に
基 本 方 針
課 題 と 方 向
地 域 別 構 想
南 西 部 地 域
南 部 地 域
東 部 地 域 中 東 部 地 域 北 部 地 域
中 南 部 地 域 中 部 地 域
都 市 づ く り の 実 現 に 向 け て
付 属 資 料
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④安全・安心のまちづくり
●広域避難地に通じる避難路および 沿道の安全性向上
●災害時に誰もが安全かつ速やかに広域 避難地まで避難することができるよう に、(府)京都守口線、(府)杉田口禁野線、
(都)枚方藤阪線沿道において、建築物の 不燃化および緑化の促進に努めます。
●牧野駅、御殿山駅、宮之阪駅周辺を 中心としたバリアフリー化の促進
●誰もが安心して快適に利用できるよう に、宮之阪駅のバリアフリー化を図り ます。また、牧野駅、御殿山駅、宮之 阪駅周辺の生活関連施設やそれらを結 ぶ主要な経路のバリアフリー化を促進 します。
●災害に強い住環境の形成
●家屋が密集し、狭あいな道路網が形成 され、防災面などに課題のある地区に ついては、共同建替や敷地内での壁面 後退によるオープンスペースの確保に 努めます。また、生活道路や小公園の 整備を図るなど、災害に強いまちづく りの誘導を推進します。
●新市民病院の整備と防災拠点との ネットワーク化による安心のまちづくり
●災害時における市の医療拠点として新 市民病院の整備を図るとともに、(都) 枚方藤阪線の整備により防災拠点であ る山田池公園とのネットワーク化を図 り、安心のまちづくりの推進に努めま す。
オープンスペース 新市民病院(イメージ図) 宮之阪駅周辺
(府)杉田口禁野線沿道
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⑤環境にやさしいまちづくり
●段丘斜面に残る樹林の保全
●地域の南西部にみられる段丘斜面地に 残る樹林の保全を図ります。
段丘斜面地の樹林
●公共交通や自転車の利用促進
●自動車利用から公共交通などへの利用 転換を図るため、駅前広場や駅への歩 道、自転車走行環境の整備により、公 共交通結節機能の強化を図ります。
●淀 川 な ど の 自 然 的 資 源 を 活 か し た 水と緑のネットワークの形成
●淀川などの自然環境と穂谷川緑道など の自然巡回路を結び、水と緑の歩行者 空 間 ネ ッ ト ワ ー ク の 形 成 を 促 進 し ま す。
穂谷川緑道
自転車利用の促進
全 体 構 想
理 念 と コ ン セ プ ト は じ め に
基 本 方 針
課 題 と 方 向
地 域 別 構 想
南 西 部 地 域
南 部 地 域
東 部 地 域 中 東 部 地 域 北 部 地 域
中 南 部 地 域 中 部 地 域
都 市 づ く り の 実 現 に 向 け て
付 属 資 料
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南西部地域
3.南西部地域
(1)地域の沿革と地域資源 ■ 地域の沿革
「枚方」地区はかつての三矢、岡、岡新町、泥町と枚方村、
伊加賀村の 6 つの村からなり、西北側は淀川に面し、東側は 天野川そして南側は枚方丘陵の段丘崖となっています。
江戸時代には枚方宿が設置され、淀川舟運でもにぎわいま した。また、三十石船の乗客に飲食物を売る くらわんか舟 が名物となっていました。
三矢には明治に入って郡役所が置かれ、その後は枚方町役 場も置かれるなど行政の中心でしたが、昭和前期から徐々に 行政の中心は大垣内町方面に移動しました。
現在「蹉 」地区の中心を国道 1 号と国道 170 号が通過していますが、大正期に国道 1 号(現国道 170 号)沿道に蝶矢シャツが進出し、さらに昭和初期の枚方大橋の架橋により工業・流通業務施設の立地が 盛んとなりました。その後、昭和 40 年以降大阪圏のスプロール化により、集落周辺には住宅地がつく られました。
「蹉 」地区は蹉 神社を中心とした地区ですが、京阪本線によって丘陵部と平野部に分けられてい ます。蹉 神社は 10 世紀に菅原道真が九州大宰府に流される時、京から見送りに来た息女が間に合わ ず会うことのできなかった父をしのんで蹉
あし
跎
ずり
した所で、それにちなんで菅原道真を祀るようになったと 伝えられています。また、15 世紀に蓮如上人により創建された光善寺の境内には府の天然記念物に指 定されているさいかちの木があります。
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(1)地域の沿革と地域資源
(2)地域の現況
(3)地域の課題
(4)地域の将来像と目標
(5)まちづくり方針
全 体 構 想
理 念 と コ ン セ プ ト は じ め に
基 本 方 針
課 題 と 方 向
地 域 別 構 想
南 西 部 地 域
南 部 地 域
東 部 地 域 中 東 部 地 域 北 部 地 域
中 南 部 地 域 中 部 地 域
都 市 づく り の 実 現 に向 け て
付 属 資 料
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■ 地域資源
枚方公園駅の後背地には枚方丘陵がせまっており、京阪本線西側の低地との間に段丘崖がつくら れ、枚方の地形の特徴が最も現れている地域です。丘陵部の万年寺山の緑陰や、旧田中邸のムクの 木などの特徴ある緑も残っています。
(2)地域の現況 ■ 土地利用
地域北部には枚方市の玄関口である枚方市駅があり、その乗降客数は 1 日で約 9 万人にも上ります(平 成 21 年現在)。枚方市の中心地である枚方市駅周辺は官公庁団地や大学病院などの公共公益施設や商業 施設が集まり、地域南部の国道 170 号沿道は物流センターなどの工業系の土地利用となっています。天 気のよい休日には多くの人が訪れる淀川河川公園が整備されており、地域の公園・緑地率は他の地域と 較べて比較的高いものとなっています。
淀川沿川部や地域の南部に市街化調整区域があり、市街化区域は地域全体の約 77%を占めています。
淀川の四季 万年寺山の緑陰 枚方田中邸のむく 光善寺のさいかち 淀川 天野川
歴史文化的 資源 社会的資源
鍵屋 光善寺 枚方宿のまちなみ
淀川河川公園 ひらかたパーク 自然的資源
資源図