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50 Thickness of leaf (dry \Vcight/lcaf area

mg/cm2

x

1/10,000)

45

Hclalionshin Dclwccn lhc thickncss of leaf and oxygen evolulion in

91

indigenous varictics of rice.

r i g.

Japonica type,

Sinica type

• Â:

斗{j.

type,

type Indica

Javanica E

O

乾物重をいう)が小さいことを明らかにした。 すなわち、 比葉面積が小さいこ

とは葉が厚いことを示す。 葉が厚いことは単位面積あたりのクロ ロ フィル含量 やリブロース二リン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼなどの光合成関連酵 素含量が高いことになる。 葉の厚さと光合成能力との聞にはさまざ、まな作物で 正の相関が得られており(lrvine 1967 、 Dornhoff and Shibles 1976)、 Ma-kino et al. (1983)はイネでRuBPC活性と炭酸ガス交換速度との聞に r=0.968 の高い相関を認めた。 ジャパニカ品種群の酸素放出量が低いのは、 葉身が薄く、

クロ ロ フィル含量や光合成関連酵素含量が少ないためであると推察される。

Cook and Evans (1983)は全部で25品種のアジア栽培イネを用いてジャパニカ 品種群は光合成速度が低いと報告した。 また、 鮫島 (1985)は炭素同位体分 別能(前出)を調べて、 ジャパニカ品種群はジャポニカ品種群と同様にインデ ィカ品種群やシニカ品種群より分別能が低いことを明らかにした。 本実験は生 育期間をとおして湛水して栽培した条件における酸素放出量を測定し、 光合成 能力の評価を行った。 本実験で用いた品種の中には、 焼き畑や天水田に栽培さ れ乾燥や乾風条件に強く、 乾燥適応能力をもっとされる無毛性の品種 (角田 1987)が含まれ、 これらはジャパニカ品種群に分類されている。 成立した環境 条件や栽培条件が他の品種群と大きく異なり、 最大の光合成能力を発揮できな

いよう な条件で測定した品種が含まれていることも考えられる。

Kulshresta and Tsunoda (1981)および菊池ら(1985)は、 それぞれコムギ とイネにおいて半倭性と光合成能力との関係を論じ、 半媛性品種は高い光合成

能力をもつことを明らかにした。 在来品種のみを扱った本実験で酸素放出量と 稗長、 穂長との聞にはそれぞれr=-0.424本政、 r=一0.389*取という有意な負の相関 が、 また

酸素放出量と1株穂数との聞には r=0.420*本という有意な正の相関 が観察された(Table 10)。 すなわち、 稗長、 穂、長が短く、 1株穂数が多い品 種は酸素放出量が高い傾向があることが明らかになった。

本実験から、 91品種の酸素放出量には大きな変異があることがわかり、 品種

群間差も存在することが明らかになった。 ここで得られた 最高値/最低値比 1. 79は村田(1957)や秋田(1980)が報告した比より高かった。 すなわち、 村 田(1957)はわが国の早中晩水稲川品種の炭酸ガス交換速度を最高分けっ期に 測定し、 最高値/最低値比1.61を報告した。 秋田(1980)は日本 品種 21、 I RR I 品種2など合計40品種の炭酸ガス交換速度を測定して最高値/最低値比が1.70 の変異があることを報告した。 また、 IRRIでは6万ルックスの条件で50品種 を 用いて本実験とほとんど同じ値の1. 80という 最高値/最低値比が報告されてい る(Anonyrnous 1968)

本実験で得られた 最高値/最低値比1.79という比の大きさから判断して、 在 来品穫を利用して高能率酸素放出量系統を育成できる可能性が高いと結論した。

本実験で得られた比はトウモロ コシ :3.03 (27品種系統、 Hei chel and Mus­

grave 1969)、 トマト: 2.64 (31品種、 Augustine and Stevens 197 6)、 サト ウキビ :2.51 (10品種、 Irvine 1967)および ダイズ:2.0 (36品種、 Curti s et al. 1969)で報告された 値より低く、 エンバク:1.94 (20品種、 Cri swell and Shible s 1971)、 コムギ:1.74 (18品種、 Murthy and Singh 1979)とほ

ぼ同じであり、 ダイズ:1.44(38品種、 小島19 71 )より高かった。 これらの 光合成能力はいずれも炭酸ガス交換速度で測定されている。 このように多くの 作物で光合成能力の遺伝変異が報告されているが、 いずれの実験も供試された 品種数は少なく、 本実験のような供試点数を扱った実験はなし1。 光合成能力の 種内変異を明らかにするためにはその種の変異を代表するように材料を広く選 ぶ必要があろう。

イネ品種群聞における光合成能力の変異を明らかにした研究は少な い。 鮫島

(1985)は、 前述したように炭素同位体分別能を測定して、 インディカおよび シニカ品種群はジャポニカおよびジャパニカ品種群より分別能が高いことを示 した。 この分別能は葉肉細胞中の炭酸ガス濃度を反映していると考えられてい る(Brugnoli et al. 1988、 Sasaki et al. 1990)。 酸素放出量は高濃度の炭

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素源(炭酸水素ナトリウム)の存在下で測定され、 その炭酸ガスは主として葉 片の気孔を通してではなくて切断面から吸収される(Pitrnan旦ι. 197 5 、 石 原ら1 9 79)。 すなわち、 葉身から放出される酸素量は 光呼吸が抑制された状 態で行われる炭酸ガ、ス固定の潜在的能力を示すと考えられ、 Rubiscoの潜在的 能力を反映するものと考えられる。

本実験および鮫島(1985)の実験からジャポニカ品種群は酸素放出量が高く、

一方、 炭素同位体分別値が低いことが明らかになった。 すなわち、 この品種群 はRubisco の濃度は高い(酸素放出量が高い)が、 葉肉細胞中の炭酸ガス 濃度 が低い(炭素同位体分別値が低い)ことが明らかになった。 これは気孔抵抗が 高いことを意味する。 外気から葉肉細胞までの炭酸ガス拡散過程に関する形質 を改良することによりジャポニカ品種群の光合成能力を向上させる可能性があ る。

Cook and Evans (1983)もジャパニカ品種群が炭酸ガス交換速度が他の品種 群より低いことを報告した。 ジャパニカ品種群の光合成能力が低い結果は本実 験や鮫島(1985)の実験でも観察されており、 測定方法は異 なっても同じ結果

が得られた。 この品種群が持つ特徴と いえるかも知れない。

第2節 酸素放出量の種内分化

第1節では、 北は日本から南はスリランカあるいはインドネシアまでのアジ アの広い地域から在来品種を選んで酸素放出量の種内変異および品種群間の変 異を調査した。 第1節で用いた材料は日本原産の品種がすべてジャポニカ品種 群であったように、 地域により特定の品種群に偏っている場合があった。 品種 群は各地域の気象 ・ 環境条件のうえに成立しているので、 光合成能力も品種が 立地する地理的条件に大きく影響されて遺伝的に変異したと考えられる。 そこ で、 酸素放出量に関する遺伝的変異を調べるため地理的lこ同所的に存在する品

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種群についても第1節で観察されたような酸素放出量の品種群間変異が見られ

るのかどう かを検討した。

イネの遺伝子中心地の一部と推定される中華人民共和国雲南省およびその南 に隣接するラオスにはさまざまの品種が存在している。 イネ品種群の分類方法 の一つにイネ葉身のエステラーゼアイソザイム遺伝子型(Nakagahra 1978)が ある。 分析 に用いた遺伝子はEst-1、Est- 2、Est-3の3座である。 それぞれ

Est-10: Est-11、Est-20:Est-21 :Est-2 2、Est-31:Est-32 の対立遺伝子があり、

それらの組合せで12種類の遺伝子型が理論的に期待される。 エステラーゼの遺 伝子型のみでは品種群の分類を必ずしも確実に行うことはできないが、 品種の グループ分けは可能である。 これが品種群の地理的分布とよく一致するという 現実を利用して、 エステラーゼの遺伝子型で分けた品種群における酸素放出量 の変異を比較してみた。 同所的な材料として、 常に多様性を示す地域、 すなわ ち、 雲南省およびラオスという比較的限られた地域に原産するさまざまな品種 を用いた。

材料および方法

中国雲南省から導入した40品種およびラオスから導入した62品種の合計 102 m種を用いた。 これらはすべて在来品種であった。 1984年5月8日に播種し、

6月11日に圃場に移植し、 7月19日から22日に酸素放出量を測定した。 1品種 あたり4個体を測定して平均した。 エステラーゼ同位酵素は2 "'-' 3葉期の苗葉 身をすりつぶして得た組酵素抽出液を用いて薄層寒天ゲル電気泳動法 (Naka­

gahra et al. 1975)で分析した。

結果および考察

遺伝子型による品種グループ別に酸素放出量の頻度分布をTable 11に示した。

遺伝子型2 、

4 、 7 、 9 、 11型をもっ品種については測定数が少なかったので

'1-8

Variations of oxygen evolution in rice varieties classified by esterase isozyme genotypes

Table 1 1.

1i nHu nhU

Oxygen evolution

(μmol 02/dm之/hr) 350 400 450 500 550 600 650 700 750 800 Total

。 17

。 4

。 4 1

。 18

。 3

Esterase

15 1 1

。 5

6 lsozyme

genotype

number 8 。 。 1 1

。 16

。 1 2 。

88 4

1 1 12 20

Total 1 3

Allele composition of each esterase genotype is as follows;

Esterase Esterase

Allele

Est- 11• Est-21• Est- 32 Est- 11• Est-2o. Est- 31 Est- 1 o. Est-2o. Est- 31 genotype

3

12 Allele

Est- 11• Est-21• Est- 32 Est- 11• Est-2o. Est- 32 Est- 1o. Est-21• Est- 31 genotype

考察から除いた。 また、 供試品種の中には遺伝子型10型をもつものはなかった。

測定した全品種の中で最低値は296μmol 02/dmL/hrで、 最高値は876μmo

1

02/

dm2/hrであった。 Table 11からエステラーゼ遺伝子型でわけたグループ間で酸 素放出量に変異があることがわかった。 インドやバングラデシュ原産のインデ ィカ品種群に多くみられる遺伝子型1型(E s t二11、Est二三1、Est二三りをもっグ ループの酸素放出量は377μmol 02/dm2/hrから 628μm

01

02/が/hrの範囲にあ り、 平均値は518μmol 02/d ν/hrであった (Table 12)。 中国南部のシニカ 品種群に多くみられる遺伝子型である3型(Est二ど、Est二22、Est二32)をもっ グループは314μmol 02/dm2/hrから758μmol 02/dmL/hrの範囲にあり、 比較的 高い平均値566μmol 02/dm2/hrとなった。 同じくシニカ型に多い遺伝子型であ る5型 (Est-11、Est- 20、E立にど)は 385μmol 02/dmL/hrから618μmo

1

02/

dm2/hrで平均値は3型グループ品種よりは低く、

l型品種グループとほぼ同じ

496μmol 02/dm2/hrであった。 日本や北中国原産のジャポニカ品種群に多くみ りれる遺伝子型6型(�にど、hに20、hヒ11)グループは、 酸素放出量の変 異が大きく、 365μmol 02/dm2/hrから876μmol 02/dm:乙/hrで、あった。 平均値は 各遺伝子型の中でもっとも高い588μmol 02/dmL/hrであった。 インドネシアや フィリピン原産のジャパニカ品種群に多くみられる遺伝子型である8型(f_三l二

1

0、Est-21、Est-31)グループの酸素放出量は 296μmol 02/dmL/hrから507μ mol 02/dm2/hrで、 平均値は各遺伝子型の中でもっとも低い 419μmol 02_/dmL/

hrであった。 同じくインドネシアやフィリピンの品種に多い12型 (ß_三l二10、

旦三ヒf、ESl-31) グループの品種は、 343μmol 02/dm2/hrから 738μmol 02/

dm2/hrで、 平均値は 469μmol 02/dm2/hrでやや低かった。 品種グループ聞にお ける酸素放出量は、 t検定の結果、 遺伝子型1型グループと遺伝子型8型グル ープとの聞には1 %水準で有意な差が、 遺伝子型3型グループと遺伝子型8型 グループとの聞には同じく1 %水準で、 遺伝子型3型グループと遺伝子型12型 グループとの聞には5 %水準で有意な差があった。 遺伝子型5型グループと遺

sv

Table 12. Oxygen evolution of indigenous varieties from Yunnan Province of China and Laos classified by esterase isozyme genotypes

Yunnan Province of China Laos Total

Esterase Oxygen evolution Oxygen evolution Oxygen evolution

genotype Esterase isozyme Number of (μmol 02/dm2/hr) Number of (μmol 02/dm2/hr) Number of (μmol 02/dm2/hr) Max. /Mi n.

number genotype varìetìes Mi n. Max. Mean varìetles Mi n. Max. Mean varìetles Mi n. Max. Mean ra tìo

Est-11Est-21Est-32 4 470 560 530 13 377 628 514 17 377 628 518 1. 67

Est-11Est-22Est-32 420 758 589 314 721 543 18 314 758 566 2. 41

Est-11Est-20Est-32 450 580 512 10 385 618 488 15 385 618 496 1. 61

Est-11Est-20Est-31 11 365 876 588 11 365 876 588 2. 40

Est-10Est-21Est-31 434 434 434 10 296 507 418 11 296 507 419 1. 71 12 Est-10Est-20Est-31 518 738 573 10 343 502 406 16 343 738 469 2. 15

伝子型6、 8型各グループとの聞にはそれぞれ5 %水準で有意な、 遺伝子型6 グループと遺伝子型8グループとの聞には1 %水準で、 同じく遺伝子型12グル ープとの聞には5 %水準で有意な差があった(Fig.

10)

0 Appendix 2に供試

した品種の酸素放出量およびエステラーゼ同位酵素遺伝子型を示した。

以上をまとめると、 ジャポニカ品種群に多くみられるエステラーゼ遺伝子型 である6型グループの品種は、 酸素放出量がもっとも高く、 一方、 ジャパニカ 品種群に多くみられる遺伝子型である8型、 1 2型グループの品種は酸素放出量 が低いことがわかった。 すなわち、 エステラーゼ同位酵素遺伝子型でわけた品 種グループ聞に酸素放出量の差が観察された。 このエステラーゼ同位酵素遺伝 子型による品種グループは、 前節で論じたイネの4つの品種群と完全には一致 しないものの、 本節で得られた結果は前節で述べた 酸素放出量に関する品種群 聞の変異と同じ であり、 中国雲南省やラオスという比較的限られた地域に原産 する品種に焦点をしぼった場合も、 酸素放出量に関して明らかな品種群間変異 が存在することを示す。 した がって、 これらの地域に同所的に存在し 、 分化し ている 栽培品種の光合成能力という形質にもアジア栽培イネの分類によく一致 する遺伝的分化が認められることを示すものである。

第3節 目本のイネ品種における酸素放出量の変異

第1節、 第2節ではアジア栽培イネにみられる酸素放出量の変異を調べ 、 種 内変異が大きく、 また 、 品種群聞にも変異があることを明らかにした。 日本原 産の在来品種ならびに改良品種のほとんどはジャポニカ品種群に属する。 そ の ジャポニカ品種群は、 4品種群の中で酸素放出量がもっとも高 いことが第1節 ですでに明らかになっているが、 第1節で供試した日本の品種はわずかであっ たので酸素放出量に関する変異の詳し い様相は不明である。 そこで、 本節では わが国のジャポニカイネ品種の酸素放出量にどの程度の品種間変異があるのか、

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