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1958  1960  1962  1964  1966  1968  1958  1960  1962  1964  1966  1968. 

(注) Deakin, ibid.,  p. 200,  Fig. 23による。左が往航,右が復航。

ディーキン著『海運同盟』 (東海林)

表14 極東運賃同盟加盟船社における往復航運航費の変化 状況:1966年1月に対する1968年12月の変化率

(859)  241 

(%) 

加盟船社 荷 役 費 (港航ス料エをズ運除河く通費

) 

) 

燃 料 費 修 紹 費

A  i7.4  12.8  45.5  0.4  25.0  B  14.4  3.7  10.5  1.0  17.5  C  8.3  18.0  13.8  9.5  17.0  D  11.8  7.8  16.0  Nil  17.3  E  14.2  10.3  17.7  11.5  10.5  F  6.0  10.3  ‑ 3.1  10.9  ‑ 7.9  G  4.8  0.1  24.6  11.3  2.9  H  24.0  11.0  33.0  Nil  13.0  I  19.1  ‑ 4.6  1.4  ‑ 5.1  ‑ 1.0  J  10.0  6.0 21.0  Nil  18.0  K  7.7  10.8  ‑ 3. 3  7.1  7.5  L  9.0 

8.0  20.0  9.6  16.0 

単 純 平 均 12.2  7.9  16.4 

4.7  11.3 

同盟の平掏 12.5  6.5  15.5  5.5  10.0 

(注) 1. Deakin,  ibid, p. 82,  Table 4. 2による。

2.  同盟事務局の調査は,コストの変化をドルで表示するよう要求していた。

ボンドで表わすと, F社のマイナス項目はそれぞれ十12.9と十7.4に, K社 のマイナス項目は+12.9となる。 1社のマイナス項目も,同じ理由 (1967年 のボンド切り下げ)によって生じたものと推定される。

3.  ここにあげられた船社の国籍としては,イギリス,オランダ,フランス,

西ドイツおよび日本の船社が含まれている。

242 (860)  ディーキン著『海運同盟』 (東海林)

7

社について個々に調べてみると,たとえば

BIL

トン当たり純利益につ いては図5のようであって,その間の較差はきわめて大きい。著者はここ で,収益性の指標として,総収入に対する粗利益および純利益の割合につい ても数字をあげ,これらについて較差の程度をさまざまな角度から詳細に分 析している。しかしその紹介を割愛して,直ちに結論的な部分に移れば,す

(68) 

なわちつぎのようである。

(1) 個々の同盟メンバー相互間において,純利益率の分散の度合いは,分散係数に よって大きいことが分かる。また,平均値に対して最高と最低との開差はとくに はなはだしく,運賃形成に関していえば,この後の点の方がより重要である。

(2) 純利益率の分散度は,平均値の高い好況時よりも,反対の不況時においてより 大きい。

(3) 純利益率の分散度は,往航においてよりも,復航においての方がより大きい。

このことは, 1つは,復航においては B/L‑Iン当たりの運賃収入のバラッキが 大きいことによる。往航では,そのような現象は見られない。

それでは,なぜこのような利益率の較差を生ずるのであろうか。港湾作業

(69) 

の能率や料金,あるいは物的資本の利用度等,各社共通ないし近似の要因も

(70) 

多い。著者は,結局のところ,往航の場合には,運賃収入に占める取替費の 割合の相蘊が,考えられる唯一の理由であり,そのことはさらに,各ライン の船令ひいては速力の相遮を反映しているものと考えている(復航は,この

うえにさらに前記の理由が加わっている)。

他方,このような利益率の較差は,同盟の運賃形成に対して,どのような 意義をもつであろうか—いわ<,

(68)  Deakin,  ibid.,  p. 206. 

(69)  英国船社9社について,本航路での(同じ4年)積載率をみると. 1958年の復 航 (5.14%)と1961年の往航 (8.46%)を除いては,その分散係数は5%にみた ない。 Cf. ibid.,  p.171 (Table 8. 5)。

(70)  著者はここで,利益率に較差をもたらす可能性のあるもう1つの要因として,

"scale of operation in the trade"を挙げている。 これこそ, まさしく「ライ ンの規模」ではないか。著者自身は,これについて何の説明も与えてはいない。

Cf.  ibid.,  p. 206. 

ディーキン著『海運同盟』 (東海林) (861)  243 

「海運同盟は,共通の価格を設定し,メンバー間に仕事を割当てるカルテル組織で ある。そこでは,最も弱いメンバーの利益率が,運賃決定に際して相当に重要な要 因となるにちがいない。そのことは,濠州航路のように定められた会計方式を利用 している場合はもちろん,極東運賃同盟のようにラフな推定値を利用している場合

(71) 

にも当てはまるであろう。」

「メンバー・ライン間における純利益率の大巾な較差の存在が,同盟の運賃形成に 対してもつ意味合いは,つぎの点にあるといわねばならない。すなわち,他のメン パーが平均の2 3倍もの高い利益を上げているときに,比較的低い(ときにはマ イナスの)利益率しか上げられないメンバーから,より高い運賃を設定するよう圧

(72) 

力が加えられることである。」

濠州航路の復航で (1966年以来)実施されているような, 「合理化」と併 用したプー)レ制の採用されているところでは,実質上, メンパー間の収益性 の巾は縮少される。それだけ運賃引上げの圧力は弱くなるといえよう。しか し,他方では荷主の側からすれば,船舶選択の巾が減少しまた非運賃競争も 低下しよう。これらは,目に見えない経済的損失である。

「要するに,海運同盟の制度はメンバー相互間に純利益率の幅広い較差を内包して いる。われわれが同盟について調査したこの10年間において,弱体なメンバーも 1 社として脱落したものはない。また,一般的に,同盟のメンバーは,きわめて長い 期間にわたってこの事業を継続しているのであるから,同盟運営の1つの効果は,

弱いメンバーを保護することであり,そうすることによって,同盟の平均利益率は 引下げられている,と結論してよさそうである。しかし,それと同時に,この〔低 い]平均値が,はるかに高い利益率〔をあげているメンバーの存在]をかくしてしま うことも,忘れてはならない。運賃は共通であり, とく t•こ往航では B/L トン当 たりの平均収入も,メンバー間でほとんど相逮がないのだから,一部のメンバーの

(73) 

純利益率が高いのは,単位当たり費用が低いことの証拠である。」

この結論やよし。いかにも著者のいうとおりであろう。だが, そ れ な ら ば,どうして同盟船隊の

AC(LRAC)

は,あのように水平にスムーズに画

(71)  Deakin,  ibid.,  p. 204.  (72)  Deakin,  ibid.,  p. 207.  (73)  Deakin, ibid.,  p. 207. 

244 (862)  ディーキン著『海運同盟』 (東海林)

けるのであろうか。もし,かりにラインの枠を解休して,各船ごとに能率=

コストに応じて並べた(著者の言葉によれば「発航させた」)と考えても,

その場合は

LRAC

は右上りにならざるを得ないのではないか。もちろん,

それにともなって, 著者が限界費用価格形成原理の論点から重視している

LRMC

の形も変わってくるであろう。 (図

4

において,同盟船隊の収支が 均衡するためには,

LRAC

ないし

LRMC

が水平の直線であることを何ら 要しない。)しかし,誤論の実質的な内容には,それほどの変化は生じない

と思われる。

要するに,問題は,このような費用較差のあるライン一一それこそがカル テルを組織する意思決定の主体である一一の存在を無視した形で,同盟の費 用ー供給関数が構想されている点である。著者の分析に対する私の疑問と不 満とは,この一点につきるといってよい。

VJ[ お わ り に

以上にのべたところと若干重複することになるであろうが,最後に全体に ついての所感をのべると,つぎのようである。

1

に,本書の特色は,何よりもその実証的精密さにある。ただこの場 合,実証の方法論的意義については,多少の疑問に感じる点が残されてい る。すなわち,第

2 3

章の同盟発達論や,第

5 8

章のような硯状の事実 分析においては,本書の手法は,いわば応用計量経済学として十分その意義 が認められる。しかし,本書の理論的核心ともいうべく,また著者自身が政 策的論議の基礎にすえている第4章の運賃形成論については,価格理論の応 用が意図されながら,やはり他と同様に「事後的当てはめ論」的性格のつよ いものになっている。応用経済学の正統的なアプローチとしては,とくに供 給関数の導出と検証について,より慎重な取扱いが期待されるのである。

2

に,

Rochdale Report

もいうように,海運同盟一ーとひと口にいっ

ドキュメント内 [資料] ディーキン著「海運同盟」 (ページ 49-54)

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