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医療救護活動

ドキュメント内 第1節 応急活動体制 (ページ 64-70)

第3章 風水害応急 第8節 医療救護活動

第3章 風水害応急 第8節 医療救護活動

3 医療救護チームの編成

健康福祉班は、多数の傷病者が発生した場合は、宗像医師会に医療救護チームの編成・派遣を 要請する。また、広域的な応援が必要な場合は、県に支援要請を行う。

宗像医師会は、宗像歯科医師会、宗像薬剤師会と連携し、医療救護チームを編成する。災害の 規模、状況によっては、市外の公立病院その他の応援を要請する。

なお、救護チームには、以下の他に歯科医師や精神科医等も配置するなど、被災者への多様な 対応が可能な体制を整える。

名 称 編成機関 チームの構成 備 考

医療救護チーム 宗像医師会 医 師:1~2名 看護師:1~4名 薬剤師:1名 補助員:1名

必要に応じて運転手:1名

第2 医療救護所の設置

健康福祉班は、次の点に留意し、医療救護所を設置する。

医療救護所は、原則として指定避難所に設置するが、状況に応じて災害現場に近い公民館、集 会所等の公共施設、一般診療機関にも設置する。

また、病院等と協力して医療救護所の医療環境を整える。

なお、医療救護所には、医師、看護師、薬剤師のほか、歯科医師や精神科医等を配置し、被災 者への多様な対応が可能な体制の整備に努める。

※ 資料編 11-2 医療救護所開設状況報告 ■医療救護所設置の留意点

○ 被災傷病者の発生及び避難状況

○ 医療救護チームの配備体制及び医療スタッフの派遣体制

○ 被災地の医療機関の稼働状況

○ 医療資機材、水、非常用電源等の確保の見通し

○ 搬送体制、情報連絡体制の確保の見通し

第3 医療救護活動

医療救護チームの活動内容は、次のとおりである。

第3章 風水害応急 第8節 医療救護活動

■医療救護チームの活動内容

○ 傷病者の傷病度合の判別(トリアージ、トリアージタッグの活用

○ 傷病者の応急処置

○ 後方医療機関への搬送の要否及び搬送順位の決定(トリアージタッグの活用)

○ 軽症患者や転送困難な患者等の治療及び衛生指導

○ 助産救護

○ 死亡の確認及び遺体検案並びに遺体処理への協力

■医療機関の活動内容

○ 被害情報の収集及び伝達

○ 応需情報(診療可能状況)の報告

○ 傷病者の検査及びトリアージ

○ 重症患者の後方医療機関への搬送

○ 傷病者の処置及び治療

○ 助産救護

○ 医療救護チーム、医療スタッフの派遣

○ 死亡の確認及び遺体検案並びに遺体処理への協力

※トリアージ:傷病者の重症度と緊急度を判定し、治療や後方搬送の優先順位を決めること。

※トリアージタッグ:トリアージ区分の識別表で、収容医療機関への連絡事項等を簡単に記した メモのこと。

(注意事項)クラッシュ症候群(手足等の圧迫から起こる全身障害)は一見して重症に見えない ので注意が必要。

第4 広域後方医療機関の確保と搬送

1 広域後方医療機関の確保

健康福祉班は、一般病院等の被災状況と収容可能ベッド数をすみやかに把握し、救護所から搬 送される重症傷病者を収容できる医療機関を確保する。

また、市内の医療機関では収容が困難な重症傷病者については、市外の病院、災害拠点病院及 び近隣の災害拠点病院等に収容する。

なお、市外への転送が必要な時は、県又は近隣市町村へ協力を要請する。

2 被災傷病者等の搬送

災害により被災した傷病者等は、次のように搬送を行う。

搬送手段がないときは、市民の協力を得て搬送するか、又は消防団、警察署、広域後方医療機 関へ搬送要請を行う。

なお、統括部(地域安全課)は、交通の状況により災害拠点病院等への搬送が救急車等では困 難な場合は、県、自衛隊等にヘリコプターでの搬送を要請する。

第3章 風水害応急 第8節 医療救護活動

■傷病者等の搬送先と搬送主体

搬 送 先 搬 送 主 体

被災現場から医療救護所、医療機関等へ 宗像地区消防本部、警察、市、自主防災組織等 医療救護所から広域後方医療機関へ 医療救護チームを派遣した機関

医療機関から広域後方医療機関へ 当該医療機関

第5 医薬品、医療資機材の確保

1 医薬品、医療資機材の確保

健康福祉班は、医薬品、医療資機材が不足するときは、原則として次のとおり医療資機材を確 保する。

また、市の要請で出動した医療救護チームが使用する医薬品等は、市が調達したもので対応す る。

■医薬品等の調達

○ 薬剤師会、医薬品販売業者から調達する。

○ 不足する場合は、医師会が保有する医薬品、医療資機材を調達する。

○ 入手が困難な場合は、県を通じて医薬品業者、他医療機関等に要請する。

○ なおも医薬品等が不足する場合は、医療救護チームが携行したものを使用する。

この場合、費用は市が実費弁償する。

2 輸血用血液の確保

輸血用血液が必要なときは、福岡県赤十字血液センターからの供給を要請する。

また、必要に応じて市民に献血の協力を呼びかける。

第6 被災者の健康と衛生状態の管理

宗像・遠賀保健福祉環境事務所は、被災地の指定避難所、自宅における疾病予防等のため、公 衆衛生保健活動を行う。

健康福祉班は、この活動に協力する。

1 生活環境の整備、確認

宗像・遠賀保健福祉環境事務所は、台所、トイレ等の衛生管理の徹底、手洗い等の衛生習慣の 強化について指導し、必要な支援を行う。

2 健康状況の把握

宗像・遠賀保健福祉環境事務所は、巡回相談等を通じて被災者の健康状態を把握し、新たな健

第3章 風水害応急 第8節 医療救護活動

康問題の発生、慢性疾患の悪化等の防止や早期発見に努める。

健康福祉班は、宗像・遠賀保健福祉環境事務所や医師会等と協議しながら、被災者に対する健 診体制を確保する。

3 相談・指導

宗像・遠賀保健福祉環境事務所は、健康福祉班と協力して巡回相談等の場で必要な指導を行う。

特に、避難生活により発生が危惧される感染症、深部静脈血栓症(いわゆるエコノミークラス 症候群)、高齢者の生活機能低下、PTSD(心的外傷後ストレス障害)等の精神的不安等への対 応を強化し、未然に発生を防止する。

4 医療の確保

医師会を通じて管内医療機関と連携を強化し、医療への依存度の高い慢性疾患患者への医療体 制の確保に努めるとともに、県医療指導課を通じて広域の支援体制を確立する。

第7 個別疾病対策

健康福祉班、宗像医師会は、県の災害医療コーディネーターと連携して、専門医療が必要とな る人工透析、難病、循環器疾患、消化器疾患、血液疾患、小児医療、周産期医療、感染症、アレ ルギー疾患、精神疾患、歯科疾患等の疾病に対する対策を講じ、病院、各専門医会等関係機関と 協力して、それぞれ現地医療活動、後方医療活動等を行う。

1 透析患者への対応

医師会は、日本透析医会災害時情報ネットワークを活用するほか、県透析医会及び災害医療コ ーディネーター等の協力により、透析医療機関の被災の状況、透析医療の可否について情報を一 元的に収集把握し、透析医療機関及び患者からの問い合せに対し、情報を提供するとともに、透 析医療機関からの要請に応じ、水、電気、食料などの供給、患者搬送及び復旧について関係機関 と調整する。

健康福祉班は、医師会等と連携して、透析患者へ利用可能な医療機関等の情報提供に努める。

2 在宅難病患者への対応

難病患者等専門的緊急対応を必要とする被災者の支援のため、災害医療コーディネーター、関 係機関等と連携し、保健活動を行うとともに、在宅難病患者の搬送及び救護について医師会及び 医療機関等と連携し、適切に対応する。

3 在宅人工呼吸器使用者への対応

避難行動要支援者名簿等により、在宅人工呼吸器使用者の安否確認を行い、医師会、災害医療 コーディネーター等と連携して、人工呼吸器使用者及び家族に被害状況、医療機関の開設状況等 の情報を提供するとともに、できるだけ在宅療養が継続できるよう支援する。

なお、在宅療養の継続や避難等に際し、市による支援が困難な場合は、県へ支援を要請する。

4 周産期母子への対応

健康福祉班は、妊産婦や新生児の安否及び体調等を確認し、災害医療コーディネーターと連携・

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協力して、周産期母子医療センター(県内認定医療機関)等と情報共有を図り、周産期母子の健 康を守るとともに、避難生活によるストレスの軽減等に向けた支援を行う。

また、周産期母子医療センターへの搬送が必要な際は、医師会及び周産期母子医療センター等 と連携し対応するとともに、必要に応じて、県へ支援を要請する。

第8 心のケア対策

健康福祉班は、大規模な災害が発生したとき、又は避難生活が長期化する場合は、福岡県精神 保健福祉センター、宗像・遠賀保健福祉環境事務所、精神科医療機関、児童相談所職員等の協力 により、カウンセリングやメンタルケア資料の作成等を行い、被災者や要配慮者のPTSD(心 的外傷後ストレス障害)等の精神的不安への対策を行う。

なお、生活環境の変化によって女性が抱える不安や悩み、ストレス、男性の精神面での孤立(他 人に弱音を吐くことを避ける傾向があるため)などについても配慮する。

そのため、男女共同参画の視点に基づき、メンタルヘルスケアに係る相談体制を整備するとと もに、相談窓口の周知方法を工夫する。

■活動内容

○ 原則として、精神科救護チームを市災害対策本部に設置する。

○ 精神科救護チームは、巡回相談等を行う。

○ 精神科救護チームは、プライバシーの保護に配慮し、相談窓口や電話相談などの相談業 務を行う。

ドキュメント内 第1節 応急活動体制 (ページ 64-70)

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