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北上市の将来像

1.まちづくりの基本理念

 北上市のまちづくりを展開する上での基本理念(基本的な取り組み姿勢)を次のとおり定めます。

 まちづくりの主役は一人ひとりの北上市民です。まちづくりの原動力となるのは市民や地域からの 発想であり、まちづくりを実現していくのは市民や地域の熱意と行動力にほかなりません。私たち一 人ひとりがこのまちへの誇りと愛着を持ち、未来を見据えた共通の目標を掲げることで、住みよいまち、

理想のまちづくりへの道が開けてきます。

 これからのまちづくりに当たっては、「自分たちのまちは自分たちの手で創りあげていく」という主 体性と自立性を持ち “ 自ら創造する ” という姿勢のもとに取り組んでいくことを基本に考えます。

 価値観やライフスタイルの多様化に伴い、市民が求める公共的サービスの内容は多様で質の高いも のになり、あわせて地方分権の進展により、地方自治体ではそれぞれの特色を活かしたまちづくり、“ 北 上らしいまちづくり ” が必要となっています。

 多様化した市民ニーズへの対応や特色あるまちづくりを進めるため、市民と企業と行政がそれぞれ の特性を活かし、責任あるまちづくりの担い手として主体的に活動していくとともに、お互いに信頼 し手を携えあい役割分担しながら、共通の目標に向かって連携と協働をもとにした、活力と活気あふ れるまちづくりを展開します。

 私たちの願いは、すべての市民が笑顔で日々の暮らしを送り、“ しあわせ ” を感じ、安全・安心と豊 かさを感じられるまちを築き上げることです。そこでは、子どもからお年寄りまで、誰もが心あたた かく暮らし、桜の花が満開に咲きほこるように、まち全体に喜びが満ちています。

 こうしたまちづくりに向け、人と人がつながり、お互いの知恵と力を出し合いながら、“ いきいきと

自ら創造し、

         いきいきと支えあい、

       笑顔咲きほこるまち

2.将来の都市像

 「まちづくりの基本理念」を踏まえ、北上市の目指すべき姿として、将来の都市像を次のとおり掲げ ます。

 北上市は、奥羽山脈と北上高地が相対し、北上川と和賀川が合流する地域に平野が広がり、美しい 自然や肥沃な農地に恵まれています。

 この豊かな自然特性を活かし、私たちの先人によって歴史と文化が育まれ、都市と自然環境の調和 のとれたまちづくりや、農業と工業をはじめとした産業間のバランスのとれた振興が図られてきまし た。

 また、北上市には進取の気風があり、新しいものを受け入れながら創造的な活動を生み出す土壌が あります。この土壌のもとに、先人達の培ってきた伝統と文化を踏まえつつ、新しい技術を取り入れ ながら、常に時代を先取りしていくことが北上市のまちづくりの原点といえます。

 これまでの調和のとれたまちづくりをさらに推し進めるとともに、人口減少・少子高齢社会の進行 や厳しい財政状況といった環境の変化を踏まえ、人口増加を前提とした拡大基調のまちづくりの方向 を見直し、既存ストックや地域資源の有効活用を図りながら、市民・企業・行政の有機的な連携と協 働のもと、将来にわたって持続可能となるまちづくりに取り組みます。そして、市民一人ひとりが心 豊かで未来に希望の持てる暮らしを実現することが、北上市の目指すべき将来の都市像と考えます。

 これから北上市は “ 豊かな自然 ” と産業の調和、そして多様な産業間における “ 先端技術 ” の調和を 図り、北上市のあらゆる地域資源の交流・連携・活用によって、人・地域・産業が結び合い次代を拓 く新たな魅力の創造を目指します。

 こうして地域が活性化することで、人々が心豊かで元気になり、夢を持って暮らすことができます。

 躍動的な北上市を市民が主体となってさらに発展させ、真の豊かさを享受できるまちづくりを進め、

市民をはじめ北上市を訪れる誰もが心の豊かさを感じられるような “ 魅力あふれるまち ” の実現を目 指します。

豊かな自然と先端技術が調和した魅力あふれるまち

3.将来の人口

 北上市の人口は、これまで増加を続け、近年の増加率は安定的で緩やかな傾向となっておりましたが、

平成 20(2008)年度末の住民基本台帳による人口が初めて前年度を下回る結果となっています。

 国立社会保障・人口問題研究所が平成 20(2008)年 12 月に公表した北上市の人口推計では、平成 22(2010)年に 95,399 人、その後は減少に転じ、平成 32(2020)年には、94,260 人になると推計 されています。また、年齢別人口では、高齢化が進み、平成 32(2020)年の老年人口割合(高齢化率)

は、27.2%と推計されています。

 本計画期間において、人口減少とともに高齢化の進行が予想されていますが、将来像の実現に向け、

子育て支援等の拡充や生活環境の充実、また、産業振興や雇用対策、地域資源の活用による北上市の魅 力の発信、創造など、各分野における施策の積極的な取り組みにより、人口維持を図ることとし、本計 画の目標年次(平成 32(2020)年)の人口目標を、95,000 人とします。

※ 平成17年数値は国勢調査による。平成22年以降は、国立社会保障・人口問題研究所『日本の市

 区町村別将来推計人口』 (平成20年12月推計、コーホート要因法)による。

4.土地利用の構想   (1) 基本的な考え方

 人口減少や少子高齢化の進行、地方分権の進展と効率的な行財政運営など、北上市を取り巻く社会経 済の環境は大きく変化しています。北上市がこれからも市勢発展を続けていくためには、豊かな自然環 境や交通の利便性などの特性をさらに活かしながら、量的拡大から質的向上を目指した土地利用への転 換を図る必要があります。

 これからの北上市は、都市と自然環境の調和を重視し、市街地の無秩序な拡大の抑制を図るとともに、

既存ストックの活用を図りながら、土地の用途に応じた有効活用を促進します。また、都市的な土地利 用地域と自然と共生する土地利用地域の機能分担や相互の有機的な交流・連携を図り、効率的な土地利 用を進め、持続的に発展できるまちの形成を目指します。

【土地利用の基本方向】

 今後の土地利用に係る基本方向を次のとおり示します。

①都市的な土地利用

 中心市街地及び国道 4 号と 107 号沿いなどの市街化を促進する地域においては、市街地の無秩序な 拡大の抑制を図りながら、良好な市街地整備に向け低利用地・未利用地の有効活用を促進するとともに、

周辺部に点在する優良な農地を維持・保全し、秩序ある土地利用を進めます。

 中心市街地においては、土地利用の高度化によって人口の集積を図るとともに、既存の商業・文化 等の施設をはじめとする都市機能が集積された市街地の有効活用を促進し、複合的な都市機能を誘導 することとあわせ、街なか居住を促進し、魅力ある都市の拠点整備を図ります。工業地については、

周辺環境と調和した工業・流通拠点の形成を進めます。

②自然と共生する土地利用

 豊かな自然環境や農地は、生産と生活の場で あるだけでなく、環境保全や防災機能、美しい 景観を有するなど、市民共有の財産です。

 農林業の持つ多面的機能を活かすため、優良 農地の積極的な確保や遊休農地の有効活用、地 域特性を踏まえた生産基盤の整備、生活基盤の 充実を図るとともに、地域資源の活用により生 活機能を強化しながら、都市地域との機能分担 や交流・連携を促進することにより効率的な土 地利用を図ります。

 また、豊かな自然環境や農村景観の維持活用 など、良好な景観形成を図ります。

③自然環境を保全する土地利用

 北上市の優れた環境の源である西部地区や東部の丘陵地は、森林資源の保全及び育成を図り、水源

  (2) ゾーニング

 市域の地形的な条件や歴史的な背景に基づき、北上市を大きく 4 つの地域にゾーニングし、それぞれ のゾーンにおける土地の利用と将来の姿を次のように見定めます。

①東部地区

 東部地区では、豊かな自然環境と調和した魅力 的な生活環境の整備や、農業の多面的な展開と森 林施業の促進による活気ある地域づくりを目指し ます。また、国見山や展勝地などの優れた資源、

里の豊かな自然環境を生かしながら、自然や歴史 的な遺産に親しむ環境づくりに努めます。

 市中心部に近接する地域においては、優良農地 や自然、景観の適切な保全に努めつつ、住宅地と 自然環境の調和を図った土地利用を進めます。

②中部地区

 中部地区の北の区域は、水田を中心とする農地や県の農業関連研究施設、北上工業団地、北上流通 基地、さらには広域的医療拠点が立地していることから、それぞれ土地の用途に応じた有効な活用を 図り、農地の無秩序な市街化の防止に努めます。

 中央の区域では、賑わいのある中心市街地と快適な住環境を実現した地域づくりを目指します。市 民の文化・スポーツ、医療・福祉、交流などの生活サービスの提供を図るとともに、北上駅前や中心 商店街の活性化を図ります。

 南の区域は、優良農地や自然・歴史的に優れた資源の適切な保全に努めつつ、インターチェンジが 立地する高速交通の利便性などを活かして、産業集積や流通機能の展開を促進し、中核的な産業拠点 の形成を図ります。

③西部地区

 西部地区は、国道 107 号に沿った市街地及び工業地を形成する都市的な土地利用を進めるゾーン以 外は、基本的に農林業を含む自然的土地利用を図る地域として位置づけ、夏油川及び和賀川に沿って 形成された農用地の基盤整備など、高生産性農業の推進による活力ある地域づくりを目指します。また、

水辺の自然や歴史的な資源を保全活用しながら、快適な生活環境を創出します。

④西部森林地区

 西部森林地区は、森林を主体とする区域であり、北本内川流域や栗駒国定公園など手つかずの自然 資源を大切に保全し活用するための地域を目指します。

 このため、森林資源・機能の維持増進、自然環境の保全に努めるとともに、森林資源や温泉資源を

活用した観光レクリエーションの場として、また環境学習、自然体験の場としての活用を進めます。