• 検索結果がありません。

勝又壮平・杉山尚暉 (地域創造学環2年)

報告 4

図2 フィールドワークの年次別到達点設定

図1 コース融合のチーム編成

 一部のフィールドについてご紹介します。まず、浜松の市街地 にある公益財団法人浜松市文化振興財団が運営する浜松文芸館で す。若者の文芸離れをどうやって解消できるか、来館者減少とい う施設の課題をどれだけ抱えているかということを時間をかけて、

文芸館の職員さんと話し合ったり、来場者の声に耳を傾けて理解 を深めていきました。そして、学生たちは浜松文芸館の知名度向 上に取組むことを決め、ポスターを作りました(図3)。画像のビ ジュアルも内容も、学生が考えました。キャッチフレーズも学生 のアイディアです。ポスターに写っているモデルは、大学の関係 者です。着物も自前で、印刷までの段階でお金がかかっていませ ん。学生ができることは限られていますが、大学の資源を可能な 範囲で提供することも、私たちができる地域貢献だと思います。

 もう一つは、静岡市中心部にある浅間通り商店街の活性化をテーマにしたフィールドワーク からです。1カ月ほど前に、頑張っている学生たちのことが毎日新聞に載りました。「もっと簡 単に課題を解決できると思っていた」、「商店街へのヒアリングでは、熱意や反応も店舗ごとに 異なっていた」、「一口で活性化と言っても、昔から商店街にいる人と、最近お店を構えた人で は考え方もまったく違う」という学生のコメントもありました。大学内の授業では伝えきれな いことですが、地域へ出ることによって気付いたのです。活性化は難しいということに気付い てくれたことは、われわれ地域を結ぶクッションの仕事をする者にとって、とてもうれしいこ とでした。

2.松崎商店街の賑わい創出  (遠藤)

 地域創造学環は、松崎町をフィールドワーク先のひとつとして選んでいます。ここではテー マが二つあって、私たちは松崎町商店街について主に活動しています。本当は5人いるのですが、

今日は3人で発表します。地域経営コースの遠藤と本田、スポーツプロモーションコースの吉 澤です。

2-1. 発 見 し た 課 題            私たちは昨年(2016年)から、松崎町でフィールドワークを行ってきました。現在2年生で、

1年後学期からはじまり、昨年半年間の活動としては、3人ずつグループに分かれて聞き取り調

査をしました。昨年は15人いたので、グループがたくさんでき、たくさん聞き取りをしました。

聞き取ったことを模造紙にまとめ、地域の方々の前で発表し、自分たちで意見交換や共有をし たり、商店街の方々に向けて発表したりしました。昨年度の終わりには、私たちが松崎町に入っ て気付いたことを模造紙にまとめ、商店街の一角に掲示しました。

 私たちが発見した地域の課題は、利用客と商店街経営者側の意識の違いでした。聞き取り調 査をして思ったことですが、利用客に商店街をどうしていきたいかと聞くと、現状維持を求め る声が多く、商店街経営者に聞くと、商店街をどうにかしたいという声が多かったのです。現 状を維持したい利用客と、どうにかしたい商店街経営者の意識の違いが、松崎町の中で生まれ ていることに気付きました。そこで私たちは、今後の松崎町の方向性の足並みをそろえて地域 の一体感を出すこと、松崎町の企業と連携することで積極的に住民と商店街が協力し合うこと が大切だと感じました。

図3 浜松文芸館ポスター

2-2.今年度前期に取り組んだこと  (吉澤)

 今年度(2017年度)実際にフィールドワークを行うに当たって、自分たちが求められている ことは何か、について考えました。まず一つ目に、地元の人たち主体の取り組みに参加するこ とです。実際、フィールドワークを通して地域が抱えるさまざまな問題を発見することができ ますが、課題は学生や大学側だけで解決することがほとんど不可能なものが多いです。私たち は地域の方々と一緒に協力することと、地域に元々あるものを生かして諸課題を解決すること が大切だと考えています。地元の方々の取り組みに参加し、しっかり話し合った上で今後の方 向性を決めたいと考えました。

 二つ目に、商店街の活性化をサポートすることです。フィールドワークを行う静大生の大半 が、入学してから松崎町を知りました。授業の一環で松崎町役場の深澤さんから話を聞いたこ とが、松崎町のことを知る一つの要因になりました。しかし、松崎町のことをよく知らない学 生はまだ多いので、商店街の活性化、知名度の向上が求められているのではないかと考えました。

 三つ目に、商店街の店舗の維持です。理由が二つあって、まず主要な道路から離れていたり、

大規模商業施設に利用者が流れるなど、商店街の利便性は決してよいとはいえませんが、ご近 所付き合い的な利用がなされているため、維持していくことは大切です。もう一つは、地元の 声を踏まえると、商店街は地元の人たちのよりどころであり、なくてはならない場所なので、

どのようにして維持することができるか考えました。

 今年度(2017年度)前期は、松崎をもっと深く知るために体験や施設巡りを行いました。具 体的には、松崎名産の桜葉の収穫体験や旧依田邸、石部棚田、牛原山の見学をしました。

2-3.今後の課題  (本田)

 昨年度(2016年度)は、商店街内の活動が多くあり、商店街の活動について住民の方や学生 同士で考えることができました。その中で、松崎をもっと多くの人に知ってもらいたいという 意見が出たことから、私たちは松崎をより深く知る必要があると思い、今年度(2017年度)前 期は、体験や施設巡りを自分たちが経験しました。そこで分かったのは、松崎には人を魅了す る資源がたくさんあるということです。山海の資源もそうですが、歴史や文化などさまざまな 資源が私たちを魅了しました。

 そして、活動を通じて気付いたのは、観光客は商店街にあまり立ち寄っていないということ です。商店街も松崎町にとって大切な資源です。ここに住む住民の方もとても素敵で、私たち を魅了します。このような商店街に観光客やよそ者を導いて交流する場に変え、住民に刺激を、

商店主にモチベーション(motivation)を与えたいという思いから、今年度の課題として国道と 商店街・港に続く経路の導線づくりを挙げました。

 手段として、後期は松崎町の白地図作りを行っています。昨年度と今年度に訪れた松崎の魅 力を私たちがまず書き込み、住民の方や観光客にも一緒に書き込んでもらって、住民と学生と 観光客が一体となった地図を完成させ、全体の活気を上げたいと考えています。

 後期からは、私たちを含め新たに地域創造学環の1年生が入ってきます。1年生の力を借りな がら、私たちはあくまでも火付け役として松崎町に入り、商店街のにぎわいを創出したいと思 います。

3.松崎町観光と防災  (太田)

 環境防災コースの太田と勝又と杉山です。私たちも同じく松崎町をフィールドワーク先に選 んで、昨年度(2016年度)後期から今まで、1年間取り組みました。

3-1.発見した課題

 まず、発見した地域の課題は大きく三つに分かれると考えました。まず地勢的な部分です。

これは松崎町が抱えているというよりも素因として挙げられる部分が大きいのですが、松崎町 には鉄道がなく、国道136号線が縦貫しています。大きな災害があって、国道がふさがれてし まうと町自体が孤立してしまう恐れがあります。松崎港は非常に地盤が低く、高潮や津波で浸 水してしまうリスクが高いです。

 続いてソフト面の課題としては、松崎町も過疎化が進んでおり、高齢者が非常に増えています。

独居の高齢者が非常に増えている中、高齢化による避難困難者の増加も大きな問題として挙げ られます。

 ハード面としては、非常に道路が狭い上に、亀裂が入ったブロック塀が多いということです。

避難路に指定されている道もあり、実際に地震が起きてブロック塀が倒壊すると、下敷きになっ てしまうリスクも考えられます。

 私たちのフィールドワークのテーマである観光と防災について説明すると、松崎町は駿河湾 に面しており、駿河湾を震源とする南海トラフ巨大地震が発生すると、14mの津波が来ること が予想されています。これを防ぐために防潮堤の建設が議論されています。しかし防潮堤を建 ててしまうと、松崎町の魅力である非常にきれいな海を望む景色が見えなくなってしまうとい う問題があります。しかし、防潮堤を建てないと人命が失われてしまうリスクも上がります。

そうした観光と防災のバランスをどうやって取っていくのかを考えることが私たちのテーマで す。

 松崎町では、津波対策地区協議会という住民が議論に参加できる機会があります。防潮堤を どのぐらいの高さにするのか、デザインをどうするかを考える場です。松崎町内の企業、商工 会、観光関係といった方々や、県、町などさまざまな立場の人が入って話し合っています。説 明会で使われた資料によると、現状は海水浴もできるようなきれいな海岸が広がっていますが、

高さ14mの防潮堤を建てると、商店街からまったく海が見えなくなってしまい、圧迫感を与え

てしまいます。

3-2.今年度前期に取り組んだこと

 私たちが求められていると思うこととしては、まず一つ目に外部からの客観的な視点の提供 です。先ほどの地区協議会では、地区住民の方が中心になって話をしていますが、私たちはあ くまでよそ者なので、こういう方向性もあるという外部からの客観的な視点が求められている と感じました。

 二つ目に、防潮堤を観光面でも生かしていく方策を探ることです。防潮堤はあくまで防潮堤 ですが、あまりに無骨なデザインにし過ぎると観光面で悪影響があると考え、持続的で夢のあ るようなデザインにする方策も探っていくことが求められていると感じました。

 三つ目に、避難困難者を迅速に避難させるための方策を、過去の事例や先行研究等を基に検 討することです。これら三つは、あくまで私たちが学生として学べる立場にあるから挙げまし た。