第 2 章 文の基本構造
2.3 動詞述語文
2.3.2 動詞述語文の構造
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① 自動詞
非継続相の自動詞の過去を表す内的系列文(例1)外的系列の文(例2)の構造は同 じく「S+O+V(完)」である。
(1)
私ABS 学校 行く(pf.) 「私は学校に行きました。」
(2)
彼/彼女ABS 学校 行く(pf.) 「彼/彼女は学校に行きました。」
② 他動詞
非継続相の他動詞の過去を表す内的系列文(例3)の構造は「V(完)+」のように 動詞の完了形に、完了を表す助動詞を加えて表す。それに対して外的系列の文(例4)
の構造は「V(完)+」のように動詞の完了形に完了を表す助動詞を加え、さらに 動作主が一人称ではなく三人称であることを表す外的助詞を用いて表現する。
(3)
私ERG 御飯 食べた AUX(完了表す) 「私は御飯を食べました。」
(4)
彼/彼ERG 御飯 食べた AUX AUX(完了表す)
「彼/彼女は御飯を食べました。」
2.3.2.2過去時制・継続相
過去時制の継続相は、具体的には過去において、ある動作、過程が完了した結果とし ての状態、あるいは、過去から現在(発話の時点)まで継続する動作、過程を表す。
① 自動詞
継続相の自動詞の過去を表す内的系列文(例5)の構造は「V(完)+」のように 動詞の完了形に、「ある状態が現在も続いている」ことを表す助動詞を加えて表す。一 方、外的系列文(例6)は「V(完)+」のように動詞の完了形に、「ある状態が現 在も続いている」ことを表す助動詞を加え、さらに客観的な状況を表す助詞を用いて表 現する。
(5)
私ABS 学校 行った AUX(~をしている)
「私は学校に行っています。」
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(6)
雨 降る AUX(~をしている) PAR
「雨が降っていました。」
② 他動詞
継続相の他動詞の過去を表す内的系列文(例7)の構造は「V(完)+」のように 動詞の完了形に、ある動作、過程が完了し、「その結果が現在も続いている」ことを表 す助動詞を加えて表す。一方、外的系列文(例8)は「V(完)+」のように動詞 の完了形に、ある動作、過程が完了し、「その結果が現在も続いている」ことを表す助 動詞を加え、さらに客観的状況を表す助詞を用いて表現する。
(7)
私ERG 日本語 勉強した AUX(~をしている)
「私は日本語を勉強してあります。」
(8)
彼/彼女ERG 部屋 掃除 する AUX(~をしている) PAR
「彼/彼女は部屋を掃除してあります。」
2.3.2.3非過去時制・非継続相
非過去時制の非継続相は、未来の動作、過程、或いは、恒常的な出来事を表す。
①自動詞と他動詞
自動詞と他動詞の非過去を表す内的系列文(例 9、例 11)の構造は「V(未)+
()」のように動詞の未完了形に未完了を表す助動詞を加えて表す。それに対し、
外的系列の文(例10、例12)の構造は「V(未)+」のように動詞の未完了形に 未完了を表す助動詞を加え、さらに外的コピュラ動詞 を用いて表現する。
(9)
私ABS 学校 行く AUX(未完了を表す)
「私は学校に行きます。」
(10)
彼/彼女ABS 学校 行くAUX(未完了を表す) COP
「彼/彼女は学校に行きます。」
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(11)
私ERG 御飯 食べるAUX(未完了を表す)
「私は御飯を食べます。」
(12)
彼/彼女ERG 御飯 食べる AUX(未完了表す)COP 「彼/彼女は御飯を食べます。」
2.3.2.4 非過去時制・継続相
非過去時制の継続相は、現在進行中の動作、過程、或いは、習慣的、反復的な動作を 表す。
①自動詞
継続相の自動詞の非過去を表す内的系列文(例13)の構造は「V(未)+」のよう に動詞の未完了形に「何かをしている」ことを表す助動詞を加えて表す。一方、外的系 列文(例14)は「V(未)+」のように動詞の未完了形に「何かをしている」こ とを表す助動詞を加える上に客観的状況を表す助詞を用いて表現する。
(13)
私ABS 学校 行く AUX(~をしている)
「私は学校に行っています。」
(14)
雨 降る AUX(~をしている) PAR
「雨が降っています。」
②他動詞
継続相の他動詞の非過去を表す内的系列文(例15)の構造は「V(未)+」のよう に動詞の未完了形に「何かをしている」ことを表す助動詞を加えて表す。一方、外的 系列文(例 16)は「V(未)+」のように動詞の未完了形に「何かをしている」
ことを表す助動詞を加え、さらに客観的状況を表す助詞を用いて表現する。
(15)
私ERG 日本語 勉強する AUX (~をしている)
「私は日本語を勉強しています。」
1~は文語のが合成され、一つの音節として発音されたものである。
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(16)
彼/彼女ERG 部屋 掃除 する AUX(~をしている)PAR
「彼/彼女は部屋を掃除しています。」
〈真偽疑問文の場合〉
疑問文の場合は、一般に「外的系列」のみを用いる。述語の構造は以下の表のとお りである。
表12
外的系列
過去時制 非継続相 自動詞 +V(完) 他動詞 +V(完)
非過去時制
非継続相 自動詞 V(未)+
他動詞 V(未)+
継続相 自動詞 V(未)+
他動詞 V(未)+
(17)
あなたABS 明日 学校 行く AUX(未完了表す)
「あなたは明日学校に行きますか。」
(18)
あなたABS 手 INTERR 洗った
「あなたは手を洗いましたか。」
(19)
あなたABS 宿題 INTERR 書く(pf.)
「あなたは宿題をしましたか。」
(20)
彼/彼女ERG 本 見る(読む)AUX(~をしている)INTERR いるPAR(疑問)
「彼/彼女は本を読んでいますか。」
2~は未完了を表す助動詞 が母音交替( →)を起こしたもので、疑問の意味を表す。
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(21)
映画 見る に 行く の INTERR いる
「映画を見に行く人はいますか。」
(22)
母 ERG 御飯 作る(impf.)AUX(~をしている)INTERRいるPAR(疑問)
「母は御飯を作っていますか。」
〈疑問詞疑問文の場合〉
疑問詞疑問文場合も疑問文と同様、一般「外的系列」のみ用いる。述語の構造は以下 の表のとおりである。
表13
外的系列
過去時制 非継続相 自動詞 ()+V(完) 他動詞 ()+V(完)
非過去時制
非継続相 自動詞 ()+V(未)+
他動詞 ()+V(未)+
継続相 自動詞 ()+V(未)+
他動詞 ()+V(未)+
(23)
あなたABS どこ に 行く AUX(未完了表す)
「あなたはどこに行きますか。」
(24)
誰 一緒 旅行 行く たい PAR(疑問)
「誰と一緒に旅行に行きたいですか。」
(25)
御飯 何を 食べる AUX(未完了表す)
「御飯は何を食べますか」
(26)
ラマ あの どこ LOC いらっしゃる いる PAR(疑問)
「あのラマはどこにいらっしゃいますか。」
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(27)
あなたABS 車 どこ LOC 停まる ある
「あなたの車はどこに停まっていますか。」
(28)
あなたABS 本 何 見る(impf.) AUX(~をしている) 「あなたは何の本を読んでいますか。」
〈否定文の場合〉
否定文の場合は、過去時制には非継続相のみ存在する。
表14
内的系列 外的系列
過去時制 非継続相 自動詞 +V(完) +V(完)+
他動詞 +V(完) +V(完)+
非過去時制
非継続相 自動詞 +V(未) +V(未)+
他動詞 +V(未) +V(未)+
継続相 自動詞 V(未)+ V(未)+
他動詞 V(未)+ V(未)+
(29) /
私ERG 絵 描く NEG できる
「私は絵を描くことができません。」
(30)
私ERG 今日 の ニュース NEG 見る(pf.)
「私は今日のニュースを見ませんでした。」
(31)
彼/彼女ERG 薬 NEG 飲む AUX(過去表す)
「彼/彼女は薬を飲みませんでした。」
(32)
店 この 中 LOC お酒 売る AUX(~をしている) NEG PAR
「この店ではお酒を売っていません。」
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(33)
私ERG 歌 聞く AUX(~をしている) NEG
「私は歌を聞いていません。」
(34)
彼/彼女ERG 羊 飼う AUX(~をしている) NEG
「彼/彼女は羊を飼っていません。」