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処 置 方 法

1) 本剤は、細胞性免疫反応を調節するTNFα(腫瘍壊死因子α)の生理活性を抑制するので、

感染症に対する宿主免疫能に影響を及ぼす可能性がある。そのため本剤の投与に際して は、十分な観察を行い、感染症の発現や増悪に注意すること。

また、他の生物製剤との切り替えの際も注意を継続すること。

患者には、感染症のリスクについて情報を提供し、感染源への接触を避けるようにすること。ま た、患者に対し、発熱、倦怠感等があらわれた場合には、速やかに主治医に相談するよう指 導すること。さらに、真菌症が流行している地域に居住又は渡航した患者が、重篤な全身性 疾患を発現した場合には、流行性、侵襲性真菌感染症を検討すること。

2) 本剤を含む抗TNF製剤で、悪性リンパ腫、白血病等の発現が報告されている。本剤を含む 抗TNF製剤の臨床試験において、抗TNF製剤投与群の悪性リンパ腫の発現頻度は、コント ロール群に比較して高かった。

また、関節リウマチのような慢性炎症性疾患のある患者に免疫抑制剤を長期間投与した場 合、感染症や悪性リンパ腫等のリスクが高まることが報告されている。さらに、抗TNF製剤を使 用した小児や若年成人においても、悪性リンパ腫等の悪性腫瘍が報告されている。

本剤との因果関係は明確ではないが、悪性腫瘍等の発現には注意すること(「臨床成績」の 項参照)。

3) 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェ ロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核 感染の有無を確認すること。結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合に は、結核の診療経験がある医師に相談すること。下記のいずれかの患者には、原則として本 剤の投与開始前に適切な抗結核薬を投与すること。

(1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者

(2)結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者

(3) インターフェロン-γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑われ る患者

(4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者

また、本剤投与中も、胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現 には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には 速やかに担当医に連絡するよう説明すること。なお、結核の活動性が確認された場合は本剤 を投与しないこと。(「禁忌」、「慎重投与」の項参照)

4) 本剤を含む抗TNF製剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者

(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)において、B型肝炎ウイルスの再活性 化が認められている。報告された症例の多くは、免疫抑制作用をもつ薬剤を併用していた症 例である。本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。B型肝炎ウイ ルスキャリアの患者又は既往感染者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイル スマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注 意すること。また、B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者においては、B型肝炎に関 して専門知識を持つ医師に相談することが望ましい。

5) 本剤投与中は、感染症発現のリスクを否定できないので、生ワクチン接種は行わないこと。

6.重 要な基 本 的 注 意 と そ の 理 由 及 び

処 置 方 法

(つづき)

8) 充填済み注射器の注射針部分のカバーは、乾燥天然ゴム(ラテックス類縁物質)を含むため、

ラテックス過敏症の既往歴あるいは可能性のある場合はアレルギー反応を起こすことがある ので注意すること。

9) メトトレキサート製剤による治療に併用して用いる場合、メトトレキサート製剤の添付文書につい ても熟読し、リスク・ベネフィットを判断した上で本剤を投与すること。

10) 本剤とアバタセプト(遺伝子組換え)の併用は行わないこと。海外で実施したプラセボを対照と した臨床試験において、抗TNF製剤とアバタセプト(遺伝子組換え)の併用療法を受けた患 者では併用による効果の増強は示されておらず、感染症及び重篤な感染症の発現率が抗 TNF製剤のみによる治療を受けた患者での発現率と比べて高かった。また、本剤と他の生物 製剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので併用を避けること。

(解説)

1) 本剤は、細胞性免疫反応を調節するTNFαの生理活性を抑制するため、感染症に対する宿主 免疫能を低下させることがある。そのため、本剤の投与に際しては、十分な観察を行い、感染症 の発現や増悪について十分注意すること。

また、他の生物製剤から変更する場合は、感染症の徴候について患者の状態を十分に観察す ること。

患者には、感染症のリスクについて情報提供し、感染源への接触を避けるよう指導すること。

患者に対し、発熱、倦怠感等の感染症を疑う症状があらわれた場合には、速やかに主治医を 受診するよう指導すること。

本剤において、真菌感染症の報告もあることから、真菌症が流行している地域に居住又は渡航 した患者が、重篤な全身性疾患を発現した場合には、流行性、侵襲性真菌感染症を検討する こと。

なお、真菌症が流行している地域については、CDC(米国疾病予防管理センター)の情報等を 参考にすること。(http://www.cdc.gov/)

2) 本剤を含む抗TNF製剤において、悪性腫瘍(悪性リンパ腫、白血病、小児悪性腫瘍等)の発現 が報告されている。特に関節リウマチのように長期にわたって免疫抑制療法を行うことで、感染 症や悪性リンパ腫等のリスクが高まることが報告されている。本剤との因果関係は明らかではな いが、悪性腫瘍の発現には十分に注意すること。

なお、海外臨床試験における悪性腫瘍の発現頻度を以下に示す。

悪性腫瘍発現頻度(海外臨床試験)13)

海外における関節リウマチ、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎を対象とした試験において、リンパ 腫の発現は、0.10/100人年であった(曝露期間の中央値:4.9年、被験者数:2228例、延べ投 与:8718人年)。この発現率は、一般集団での推定値の3.85倍であった。その他の悪性腫瘍の 発現は、一般集団での推定値と類似していた。

3) 結核の既往歴のある患者に対するリスクは明らかではないが、本剤は結核菌を含む細胞内細 菌への防御免疫反応を阻害する可能性がある。

本剤の投与に先立ち、以下の方法等により、結核感染の有無を確認すること。

-結核に対する十分な問診

-胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査、必要に応 じ胸部CT検査等

活動性結核の患者には本剤の投与はしないこと。結核の既感染者には、本剤投与前に結核に 対する治療を行うこと。結核の既往歴を有する患者において、過去に適切な治療を受けたこと が確認できない場合には、抗結核剤による治療を検討すること。

下記のいずれかの患者には、結核について診療経験を有する医師と連携の下、原則として以 下に該当する場合には、本剤の投与開始前に適切な抗結核薬の投与を行うこと。

(1) 胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者・・・(注)過去に 肺結核にかかった痕が残っている若しくは既感染が推定される陰影を有する場合

6.重 要な基 本 的 注 意 と そ の 理 由 及 び

処 置 方 法

(つづき)

(2) 結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者・・・(注)過去の結核に対する適切な治療 が確認出来ない場合

(3) インターフェロン-γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑われ る患者

(4) 結核患者との濃厚接触歴を有する患者

本剤投与中及び投与後には、胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど、発熱、

咳、呼吸困難、寝汗等の結核の徴候及び症状に注意し、結核の症状が疑われる場合には、結 核の診療経験のある医師に相談すること。

また、患者に対しても結核の症状が疑われる場合には、速やかに担当医師に連絡するよう説明 すること。

4) 本剤を含む抗TNF製剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs 抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)(特に免疫抑制作用をもつ薬剤を併用していた 患者)において、B型肝炎の再燃が報告されている。本剤投与前にB型肝炎ウイルス感染の有 無の検査を行うこと。B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者に本剤を投与する場合 は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行い、B型肝炎ウイルスの再活性化 の徴候や症状に注意すること。

また、B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者においては、B型肝炎に関して専門知識 を持つ医師と相談すること。

5) 本剤は免疫抑制作用を有することから、本剤による治療中に生ワクチンを接種した場合には、生 ワクチンによる二次感染の可能性を否定できない。従って、本剤による治療中は生ワクチンの接

種は避けること。

6) 本剤を含む抗TNF製剤において、中枢神経系(多発性硬化症、視神経炎、横断性脊髄炎等)

及び末梢神経系(ギラン・バレー症候群等)の脱髄疾患の新規発現や悪化が報告されている。

従って、脱髄疾患及びその既往歴のある患者には本剤は投与しないこと。また、脱髄疾患が疑 われる患者や家族歴のある患者には、神経学的評価や画像診断等の検査を行い、リスク・ベネ フィットを十分に検討の上、本剤適用の妥当性がある場合にのみ、慎重に投与すること。投与後 も十分な観察を続けること。

7) 本剤を含む抗TNF製剤において、新たな自己抗体(抗核抗体)の発現が報告されている。本剤 投与後に抗核抗体陽性のループス様症候群を発現した場合は本剤の投与を中止すること。

8) プレフィルドシリンジの針カバーには、乾燥天然ゴム(ラテックス類縁物質)が含まれている。

ラテックス過敏症の既往歴あるいは可能性のある場合には、アレルギー反応を起こす可能性が あるので、注意すること。

9) メトトレキサートとの併用で本剤を用いる場合には、メトトレキサート製剤の添付文書についても熟 読し、リスク・ベネフィットを考慮の上、本剤を投与すること。

10) 本剤は抗TNF製剤であり、アバタセプト(遺伝子組換え)の併用により重篤な感染症の発現の 可能性があるため、本剤とアバタセプト(遺伝子組換え)の併用は行わないこと。

プラセボを対照とした海外臨床試験において、抗TNF製剤とアバタセプト(遺伝子組換え)の併 用により、効果の増強は示されず、抗TNF製剤のみによる治療を受けた患者と比べて感染症及 び重篤な感染症が多く発現したとの報告22、23)がある。

(「効能・効果に関連する使用上の注意」の項(P.11)を参照すること。)

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