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ITIL® に基づく効果的な問題管理の取り組みは、高いレベルのサ ービス可用性と一貫して高品質な IT サービスを提供しようとす る IT 組織には欠かせないものです。しかし、残念ながら、大多 数の IT 組織が問題管理の取り組みに費やした時間と労力に比べ て注目に値するメリットを得ていないのが実情です。今回の記事 では、効果的な問題管理を整備し維持するのに役立つ、簡単で実 践的な 5 つのアドバイスを紹介します。

アドバイス 1:

問題管理の労力は恒久的な解決策 の発見に集中しなさい

 一時的な解決策を見つけ出すのに問 題管理を使用するという発想は捨てて ください。

 問題管理で有形の真の価値を実現し たいのであれば、恒久的な解決策を見 つけ出すことに集中した問題管理プロ セスを整備しなければなりません。

 問題管理活動を恒久的な解決策に集 中させなければ、インシデントの量を 大幅に減らすことはできません。つま り、問題管理の真の価値は、インシデ ントの量の削減にこそあります。

 ここで重要なのは、恒久的な解決策 と一時的な解決策の違いを明確にする ことです。

・恒久的な解決策とは、インシデント の根本原因がインシデントの再発を 防ぐような形で対処された場合を言 います。

・一時的な解決策とは、ユーザが(「可 能な限り早く」)作業を再開できるよ う採られる策で、必ずしも将来にお けるインシデントの再発を防ぐもの ではありません。ユーザを一時的に 別の印刷キューに割り当て直すこと などがその例です。

 私は「ワークアラウンド」という用

語の使用をあえて避けていますが、そ れには理由があります。誰もがそれで 混乱してしまうからです。恒久的な解 決策にも一時的な解決策にも適用でき るため、紛らわしいのです。そのため、

この用語は避けるのが最善です(誰に でもわかる恒久的または一時的な解決 策という言葉の使用を貫きましょう)。

要するに、問題管理から真の価値を得 る秘訣は、恒久的な解決策を見つけ出 すことに集中するプロセスを構築する ことなのです。

 それができてこそ、問題の調査やそ の後の恒久的な解決策の展開に投じら れた時間、労力、およびリソースを正 当化する価値(インシデントの量の削 減)を実現できます。

アドバイス 2:

整備した問題管理プロセスで確実 に真の価値を実現しなさい

 ITIL® をよく知る組織はほとんどが 何らかの形で問題管理を取り組んでい ます。そして、ごくわずかな例外を除 いて、時間を無駄にしています。それは、

整備した問題管理プロセスが、真の(有 形で、意味があり、測定可能な)価値 を何らもたらすことがないからです。

 整備した問題管理プロセスが実際に 価値をもたらすかどうかは、どうすれ ばわかるでしょうか?それにはまず、

よく言及されるさまざまな(関係のな

い)測定基準をすべて忘れ去る必要が あります。例えば、根本原因分析を完 了するためにかかった時間や未処理の 問題件数などがそうです。実のところ、

これらは問題管理に取り組んでいる価 値を示しおらず、反映しておらず、ま た測定してもいません。

 実際には、問題管理プロセスが価値 をもたらしているかどうかの真に有形 で意味のある指標は 1 つだけです。そ れは何かと言えば、インシデントの量 の削減です。これが実現すれば、価値 ある問題管理プロセスだということで す。そうならない場合は、有り体に言 えば、単に時間を無駄にしているので す。それほど簡単なことなのです。

 問題管理プロセスを定期的に(3 ヵ 月に 1 回などの頻度で)レビューし、

価値をもたらしているか、インシデン トの量が減少しているか確認しなけれ ばなりません。そうなっていない場合 は、現在行っていることを中止し、変 更する必要があります。プロセスを変 更するのです。改善し、より効果的に しましょう。

 必要なら、さらに踏み込んで何らか の具体的な目標を設定してもよいでし ょう。例えば、優先度 1 のインシデン トを 3 ヵ月以内に 40% 削減する(最も 悪影響を及ぼすインシデントに対応す ることになりますから、これは非常に

SPRING 2014 SERVICE TALK

効果的な問題管理のための 5 つのアドバイス

有効な目標です)、ネットワーク印刷関 連のインシデントを 6 ヵ月で 60% 削減 するなどです。

 インシデントの量が他の要因に左右 されうることは重々承知しています。

多くの組織がこの点を、問題管理の有 効性の指標にインシデントの量を使用 しない口実にしていることもわかって います。インシデントの量は多くの要 因に左右され、優れた問題管理を整備 しても場合によってはインシデントの 量が(一時的に)増加する可能性があ ることは、私も認めます。

 このような潜在的な課題があるにし ても、やはりインシデントの量が問題 管理プロセスの有効性の唯一最も重要 な指標であることに変わりはありませ ん。他のことはすべて忘れてください。

これを確実に達成するようにし、そう ならない場合は何とか手だてを考える のです。

アドバイス 3:

サービスデスク/インシデント・マネ ージャを問題マネージャとしなさい  もちろん、わかっていますよ。ITIL®

ではやってはいけないとされているこ とですね。ITIL® でそのようにアドバ イスされている理由も知っていますし、

理解もしています。しかし、この場合 は ITIL® が間違っていると思います。

 サービスデスク / インシデント・マ ネージャを問題マネージャとするのが よいと言える正当な理由は実際にあり ます。ただ、それを説明する前に、問 題マネージャの実際の役割が何かを明 確にしておきましょう。

 問題マネージャは技術的な役割では なく、問題調査に取り組んだりはしま せん。問題調査(根本原因分析と解決 策の特定)は、適切な対象分野の専門

家(SME)が実施します。

 問題マネージャの主な責任は、実際 には運営管理、調整、および推進にあ ります。具体的な活動としては、次の ものなどがあります。

・問題調査の要求に正当性があるかど うかについてレビューする

・各問題調査について、その調査に必 要なリソースを正当化するためにビ ジネス・ケースを作成する

・適切な SME リソースが利用でき、関 連する問題調査に割り当てられるよ うに手配する

・問題調査を実施する各 SME が準拠す るべき委任事項を作成する

・SME によって実施される調査を監督 する

・根本原因分析と提案された恒久的な 解決策の妥当性を確認する

・展開された恒久的な解決策の有効性 をレビューする

 大半の組織では、専任リソースが問 題マネージャの役割を果たす正当な理 由など、ほとんどありません。そのた め、別の役割と兼任させることがしば しばです。まず行うべき非常に重要な ポイントは、この役割に誰かを任命す ることです。誰かが(効果的な)問題 マネージャの役割を果たさないことに は、効果的な問題管理に取り組むこと はできないでしょう。

 では、ここで話を元に戻しましょう。

なぜ私が ITIL® に反対し、サービスデ スク / インシデント・マネージャと問 題マネージャの役割を兼任させるよう 推奨するのかという話です。

 その理由は簡単です。問題管理プロ セスの主な目標は、インシデントの量 を削減することです(アドバイス 2 を 参照)。それならば、最大のメリットを もたらす、つまりインシデントの再発

を最大限に減らせる(または最も「損 害の大きい」インシデントをなくす)

問題に調査の優先度を置きたいもので す。ここまでは異論ありませんよね。

 では、どの問題調査が最大のメリッ トをもたらすかを決定するうえで最も 良い立場にあるのは誰でしょうか?調 査に必要なリソースを正当化できるの はどの問題であるかを決定するうえで 最も良い立場にあるのは誰でしょう か?

 それは明らかに、(IT 組織の中で)

インシデント量の削減で最も恩恵を受 ける立場にある人であり、現在のイン シデントの傾向と量を最もよく把握し て理解している人であるに違いありま せん。

 それがサービスデスク/インシデン ト・マネージャであることは明白です。

実際のところ、この IT の役割は、効果 的な問題管理に取り組んでいることに 最も大きな関心を常に持っています。

つまりこれが、前述の役割を同じ人が 担うべきだと考える理由です。

 これらの役割の間には「対立」があ りません。共有された目標とメリット があるだけです。ですから、これらの 役割は兼任させてください。これが唯 一賢明な選択肢です。

アドバイス 4:

とにかくやってみなさい。専門的 なリソースもツールも不要

 問題管理に取り組むための「リソー ス」、つまり必要な人材および統合され たインシデント / 問題管理システムが 不足しているという考えから、問題管 理の導入に消極的な組織があります。

 これはナンセンスです。効果的な問 題管理に取り組むのに何も特別なリソ

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