前章で、配管の劣化診断手法の標準的フローを紹介しましたが、実際の診断作業では劣化に関する 要因が複雑に関連しあうため、図式の様に単純に判定することは出来ません。例えば、配管の内部腐 食量を決定する最大の要因は、腐食因子を含んだ流体の通過総量と考えられます。従って、一人当た りの使用量が多いホテル・病院と一般的な事務所ビルでは、同じ管材を使用しても耐用年数が変わり ます。また、腐食形態が、広く浅い全面腐食か、局部的な孔食か、など腐食形態等により判定が大き く異なるため、管材と水質条件、用途、使用条件、継手部の接合条件、配管部位など、配管の経年劣 化と耐用に係わる因子を総合的に見定める必要があります。現在、これらの各因子の影響度について は研究が始められたばかりであり、より的確な診断のためには、更なるデータの集積が必要であると 考えます。
この様な見地から、当社では、流山技術研究所内に腐食/防食実験室を設置し、配管の腐食劣化とそ の対応について全国ベースでの事例研究や、従来、あまり重視されなかった継手構造、施工技術レべ ル等の要因を含め、総合的な調査研究実証を推進しています。
当社は、建築設備の専門業者として早くから診断技術の開発に取組んで来ております。お客さまの 要望に応えて、現況調査、非破壊検査、サンプリング検査、データ分析、判定など一連の診断作業を 熟練した技術者チームにより実施しておりますので、保全計画立案時や改修計画立案時には是非御利 用願います。当社の長年にわたり蓄積された配管技術と最新のデータにより、的確な診断と対応が提 供出来るものと信じております。
尚、腐食の水質因子に関しては研究所付設分析セクション(環境計量証明事業所)で、高度な分析調 査が可能です。
写真-27 顕微鏡による観察
須賀工業株式会社 43
表-6 腐食/防食実験室 計測機器設備概要
機器名 メーカ名 型番
管内視鏡(ビデオスコープ) オリンパス工業 IPEX MX
管内視鏡(ファイバースコープ) ニスコ PS11-3000A,PS6-3000A
同上用光源装置 ニスコ L-75X2
同上用ビデオ装置 ニスコ MTC-9000
超音波厚さ計 日本パナメトリクス Model22DL
超音波流量計 富士電気 FLB10002
デジタルゲージ 小野測器 DG-920
ポテンションスタット/
ガルバノスタット 北斗電工 HA-303
防錆管理計 共亜計測 KCM-1
エレクトロメータ 北斗電工 HE-104
無抵抗電流計 北斗電工 HM-104
高感度記録計 東亜電波工業 EPR131A
簡易水質分析計 ハック DR2000
溶存酸素濃度計 セントラル科学 UC-12 ハンディ pH 計 電気化学計器 HPH-110
電気伝導率計 オルガノ AB-6
実体顕微鏡 ニコン SMZ-2T
試料切断機 ラクソー U-32
試料琢磨機 丸本工業 5629
写真-28 研究所付設分析セクション
須賀工業株式会社 44
参考引用文献リスト
引用文献
(1)設備配管研究会編、設備配管の腐食と対策、理工評論出版
(2)三村 絆著、配管材料の腐食、日本建築設備士協会
(3)種田 稔 ほか著、設備配管の改修と耐久設計、彰国社
(4)ステンレス協会配管システム普及専門委員会編、建築設備用ステンレス配管の水質指針
(5)栗田工業、鹿島建設編 配管防食マニュアル、日本工業出版
(6)(財)建築保全センター編、建築設備の耐久性向上技術、オーム社
参考文献
・官庁建物修繕修繕措置判定手法・同解説、(財)建築保全センター
・給水管改修に係る工事仕様書の策定に関する調査研究、(財)日本住宅総合センター
・建築保全、No76、(財)建築保全センター
・日根文男著、腐食工学の概要、(株)化学同人
・H.ユーリック・R.W.レヴィー著、岡本 剛監修、松田精吾・松島巌訳、腐食反応とその制御(第 3 版)、
産業図書