第2章 各種実用化学強化ガラスにおける化学強化前のクラック発生率並びに強化で形成され
2.3 結果
2.3.4 加傷後にイオン交換した試験片の4点曲げ試験
化学強化前のクラック発生率と化学強化後の強度との関係を調べるために、実験方法で述べた
ように、ビッカース圧子での加傷後に強化をした試験片を準備し、4 点曲げ試験により強度を調べ
た。強度試験の結果を図 2-14(4.9 N)および図 2-15(9.8 N)に示す。
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100 1000
F ra ctu re p rob a b il ity (% )
4-point bending strength (MPa)
ALBS (41 μm, m = 33.3) ALS-1a (39 μm)
ALS-1b (55 μm, m = 6.5) SLS (12 μm)
99.9
1
0.01 10
0.1 90 50
500
図 2-14 化学強化前に4.9 Nで圧子による加傷後にイオン交換した試験片の4点曲げ強度
100 1000
F ra ctu re p rob a b il ity (% )
4-point bending strength (MPa)
ALBS (41 μm, m = 21.5) ALS-1a (39 μm)
ALS-1b (55 μm) SLS (12 μm)
500 99.9
1
0.01 10
0.1 90 50
図 2-15 化学強化前に9.8 Nで圧子での加傷後にイオン交換を行ったガラスの4点曲げ強度
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図 2-16、図 2-17、図 2-18に9.8 Nでのビッカース圧子圧入試験後に強化した試験片の4点曲
げ試験後の写真を示す。破壊後の試験片を確認したところ、ALBS の破壊起点は全て端部であっ
た。一方、SLSの全ての破壊起点は圧痕であった。ALS‐1bに関しては、4.9 Nでの加傷試験片は
端部から破壊され、9.8 Nでの加傷試験片の半分は圧痕からの破壊であった。4.9 Nでの加傷試験
片のALS‐1aの破壊起点は端部が約80%であり、9.8 Nで試験片の約70%は圧痕からの破壊であ
った。
図 2-16 9.8 Nのビッカース圧子圧入後に強化した試験片(SLS)の強度試験後の写真
図 2-17 9.8 Nのビッカース圧子圧入後に強化した試験片(ALS-1)の強度試験後の写真
図 2-18 9.8 Nのビッカース圧子圧入後に強化した試験片(ALBS)の強度試験後の写真
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強度試験の結果から分かるように、図 2-14のALS-1b、図 2-14、図 2-15のALS-1aのデータは
折れ線状になっている。ガラスの破壊起点となるクラックの発生原因が1種類なら1本の線になる。
よって、これらの試験片には複数の起源によるクラックが含まれていることが示唆される。そのため、
単純に一つの近似直線で表すことはできない。
事前加傷をしていないALS‐1bは高い強度を示したが、9.8 Nで圧子圧入し加傷したガラスの強
度低下は顕著であった。圧子圧入による加傷では、ALS-1b にはメディアンクラックが生じ、ALBS
上の圧痕にはクラックが発生していない。それぞれの圧痕の断面写真を図 2-19に示す。荷重 9.8
Nのビッカース圧子圧入によってALSに生じた約74 μmのメディアンクラックは、DOLである55 μm
よりも深い。圧縮応力層を超えると、逆に引張りの中心応力が存在しているため、クラックの伸長は
圧縮応力によって抑制されるのではなく、引張りの応力によって促進されることになる。一方で
ALBSの圧痕の推定深さは、9.8 Nの圧子圧入荷重で11 μmである。ALBSのDOL(41 μm)は、こ
の圧痕を覆うのに十分であり。それが、本試験においてALBSが高いワイブル係数を示した理由で
あると考えられる。
DOL = 41μm
DOL = 55μm
図 2-19 ALBS(左)とALS(右)の圧痕の断面写真
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