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(略)市は「協定を結んでいる施設の受け入れ態勢が整わなかった」と説明する。(略)

としているが、記事では続けて

(略)内閣府が今年4月にまとめたガイドラインには、福祉避難所に指定された施設 などの場所を、あらかじめ要支援者や住民などに周知するよう明記されている。(略)

とする。

※注釈:〝内閣府が今年4月にまとめたガイドライン〟とは、今年4月に内閣府(防 災担当)より出された〝福祉避難所の確保・運営ガイドライン〟を指す。これについ ては、若干後述したい。

また、同記事では、福祉避難所を事前に確保していた、とした後で、

だが、16日の本震を受けて市が福祉避難所を開設できたのは、受け入れ先とされて いた176施設のうち34施設。

とする。実際の発災時に既存の福祉施設は、その施設の被害の状況如何に関わらず、目 の前にいる人への対応で、手一杯になるなど、現実的ではない福祉避難所としての締結 がなされていたのではないかとうかがえる。

◎障害者を孤立させない 支援センターが発足、熊本市で初会合 [熊本県](西日本新 聞 2016 年 04 月 26 日)

東日本大震災の被災地で支援活動に取り組んできた全国組織「日本障害フォーラム」

(JDF)は25日、熊本障害者支援センター(仮称)を発足させ、熊本市で初会合 を開いた。(略)

全国から支援が始まった。そして、各障害、個別の課題も明らかになっていく。

◎聴覚障害者を孤立させない 熊本地震、避難所の連絡体制 (日本経済新聞 2016 年 4 月 27 日)

◎発達障害者つらい避難所 物音、不規則な生活にパニック 行き場失い車中泊 (西日 本新聞 2016 年 4 月 30 日)

◎熊本地震 介護に片付け、医療機器破損… 重度障害者の厳しい避難生活 (産経 新聞 2016 年 5 月 1 日)

◎発達障害者「配慮を」=避難所入れず物資困窮~家族ら、無理解を痛感・熊本地震

(時事ドットコムニュース 2016 年 5 月 8 日)

◎熊本地震 高齢者、障害者らの対応追いつかず 熊本・益城町 (神戸新聞 2016 年 5 月 8 日)

と続き、障害のある人の置かれている状況を垣間見ることができ、胸が痛む。

さらに、障害のある人達を支援する側にも厳しい事態がある。

◎福祉施設職員167人不足 熊本地震、全国から応援(中日新聞 2016 年 5 月 2 日)

しかし、これらの事態は初めて見聞きすることではない。阪神淡路大震災の時には同

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様のことが起きて大きな問題となり、課題となった。その教訓等を踏まえて「災害時要 援護者の避難支援ガイドライン(2006 年・平成 18 年)」や「「福祉避難所設置・運営に 関するガイドライン(2008 年・平成 20 年6月)」が出されたであろうにもかかわらず、

その後に起こった東日本大震災の時にも変わらず同様のこと等が起き、阪神淡路で起こ ったことが教訓化され、課題が少しでも解決できた、とは言えない状況となった。

<より安心を求める根拠と防災に関わってのこの間の動きから>

そして、何度もの大きな犠牲等をふまえて 2013 年(平成 25 年)に災害対策基本法が 改正されたが、特に重要な改正点として、

第三節 避難行動要支援者名簿の作成等 (避難行動要支援者名簿の作成)

第四十九条の十 市町村長は、当該市町村に居住する要配慮者のうち、災害が発生し、

又は災害が発生するおそれがある場合に自ら避難することが困難な者であつて、その 円滑かつ迅速な避難の確保を図るため特に支援を要するもの(以下「避難行動要支援 者」という。)の把握に努めるとともに、(略)避難行動要支援者について避難の支援、

安否の確認その他の避難行動要支援者の生命又は身体を災害から保護するために必要 な措置(略)を実施するための基礎とする名簿(以下この条及び次条第一項において

「避難行動要支援者名簿」という。)を作成しておかなければならない。(下線、枠囲 みは筆者、以下同様)

として、市町村に避難行動要支援者名簿の作成を義務とした。さらには、

第五節 被災者の保護 (避難所における生活環境の整備等)

第八十六条の六 …略…災害が発生したときは、…略…遅滞なく、避難所を供与する とともに、当該避難所に係る必要な安全性及び良好な居住性の確保、当該避難所にお ける食糧、衣料、医薬品その他の生活関連物資の配布及び保健医療サービスの提供そ の他避難所に滞在する被災者の生活環境の整備に必要な措置を講ずるよう努めなけれ ばならない。

また、

(避難所以外の場所に滞在する被災者についての配慮)

第八十六条の七 (略)やむを得ない理由により避難所に滞在することができない被 災者に対しても、必要な生活関連物資の配布、保健医療サービスの提供、情報の提供 その他これらの者の生活環境の整備に必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

とする等、一定の前進があった。

災害対策基本法改正を受けて、2013年(平成25年)8月には「避難行動要支援 者の避難行動支援に関する取組指針」が内閣府から出され、特に、

第4個別計画の策定…(略)…全体計画に加え、避難行動要支援者名簿の作成に合わ せて、平常時から、個別計画の策定を進めることが適切である。

とするなど、一人一人の支援を具体化することを求めている。

さらに、同時に「避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」も内閣府 から出され、一般の避難所の中に、一定の配慮がなされた「福祉避難室」を設置するこ

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とや、避難所外での避難者への支援についても記載された。

そして本年(2016年4月・平成28年)4月に内閣府から「福祉避難所の確保・

運営ガイドライン」がだされた。これは、

(略)本ガイドラインは、平成25年8月に策定された「避難所における良好な生活 環境の確保に向けた取組指針」を受けて、東日本大震災の教訓を考慮し、「福祉避難所 設置・運営に関するガイドライン(以下、新ガイドライン)」(平成20年6月)を実 質的に改定・修正する形で作成したものである。(略)[〝はじめに〟より]

としてあり、「福祉避難所設置・運営に関するガイドライン(以下、旧ガイドライン)」

の改訂版であることがわかる。

しかし、旧ガイドラインの中で大きく疑問に感じていた、福祉避難所の対象者のとこ ろについては、

1.1.3 福祉避難所の利用の対象となる者 身体等の状況が特別養護老人ホーム又は老 人短期入所施設等へ入所するには至らない程度の者であって、避難所での生活におい て、特別な配慮を要する者であること(略)

と、基本的には旧ガイドラインと基本的には変わっておらず、「重度」の障害のある方 は対象とせず、「重度」の障害のある人の対応ができる施設にて、

(略)適切に対応されるべきであるため、原則として福祉避難所の対象者とはしてい ない

としている。但し、新ガイドラインのその後の記述では、

上記を原則としつつも、地域や被災者の被災状況に応じて、さらに避難生活中の状態 等の変化に留意し、必要に応じて適切に対処する必要がある

としており、結局は各市町村の判断に委ねられているように思われる。更に、その具体 的な中身でもあると思われるところでは、以下の記述が見える。

3.2 福祉避難所における支援の提供

市町村は、福祉サービス事業者、保健師、民生委員等と連携を図り、福祉避難所に避 難している要配慮者に対して必要な福祉サービスを提供する。

として、その下の、「実施にあたってのポイント・留意点」には、

福祉避難所におけるホームヘルパーの派遣等、福祉各法による在宅福祉サービス等の 提供は、福祉各法による実施を想定している。(災害救助法による救助としては予定し ていない。

としている。その続きには、

東日本大震災においては、要配慮者のニーズにきめ細かく対応することが難しく、支 援が行き届かなかったといわれている。過去の他の災害においても、多様なニーズを もつ要配慮者への支援には課題が指摘されている。このため、災害時に医療や福祉ニ ーズが想定される要配慮者を可能な限り平時に把握して対応を検討することが重要と

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なる。また当事者と、その家族や支援者等による自助・共助の取り組みに寄り添い、

多様なニーズに応えるための配慮に平時から取り組む必要がある。

と記述されてはいるが、その責任と費用については明確に読み取ることはできない。

また、「自助・共助の取り組みに寄り添い」とはどのような意味合いなのか、理解に 苦しむ。発災時、その直後に直接的な「公助」を求めることは現実的では無いとは考え るが、自らが他の人と同様に(この場合は、発災時に命を守り、避難行動をとること)

行うという意味での「自助」ができない、もしくはできにくい人であり、「共助」を求 めることも、周りの人を組織することも自らではできにくい、もしくは、できないであ ろう人が大半を占める人が対象である。せめて、事前に、「その人」にとっての「自助」

につながる用具やバリアフリーの環境、そして、人的な支援等の確保等により『自助』

ができる仕組み作りや、実態を反映する避難行動要支援者名簿の作成の基、一人一人の 実情に合った個別計画を作成する中で、支援する側自身が命を守り、支援することを無 理強いしない「共助」をしっかりと位置づける必要があると考える。

しかし、いずれも、時間も経費もかかることであろう。それも、全て市町村任せであ るとしたら、財政規模や考え方の違いにより、中身は大きく違うであろうし、この間の

「かけ声」の結果の一つとしての熊本の状況があるとしたら、同様のことが起こるであ ろうことは想像に難くない。

改めて、熊本のことや、阪神淡路、東北でのことを想起し、災害対策基本法、その後 のいくつかの取組指針やガイドライン、また、憲法や障害のある人の権利に関する条約、

差別解消法等にも学び、そして、我々が求めていることに対しての根拠としたい。そし て、この間起こっていること、そして、このアンケートから見えてくるものを合わせて 検討し、少なくとも一人一人があきらめずに何らかの形で見通しを持つ事ができる様、

現状では先の見えない大きく開いている溝を埋めていく作業を行っていく必要がある と考える。もちろん先述の様な根拠を基に「公」に求めていくことはしながらも、その 一方で自らができること-命を守り、今ある健康の状態を維持していくために最低限必 要なことを準備しておくこと-を、何からでも、防災を意識した取り組みを一歩でも進 めていく必要もあると考える。

繰り返し起こってきたことに対して、繰り返し『対策』が行われてきた(はずである)。

しかし、また、同様の事が起こってしまっている。「天災」だから仕方がないのか。障 害があるから仕方がないのか。大きな災害が起これば、命まであきらめなければならな いのか。

「天災は忘れた頃にやってくる」と言ったとされる戦前の物理学者寺田寅彦は、「災 難雑考」において、〝「地震の現象」と「地震による災害」とは区別して考えなければ ならない。現象のほうは人間の力でどうにもならなくても「災害」のほうは注意次第で どんなにでも軽減されうる可能性があるのである。〟としている。

※防災を意識して、何か一歩を踏み出すことが、日常に防災(命をあきらめないために できることして)を位置づける為に重要ではないか。そのために、とりあえずできる こととして考えられることを以下に列挙する。

・地域の防災マップやハザードマップを確認する。土地の歴史を知る。自宅の地 質等を確認する。(いずれもネットでも可。図書館等も利用)それにより、自

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