(1) 副作用の概要
●気管支喘息
本剤を維持療法として定期吸入する治療法を検討した国内臨床試験において、安全性評価対象314 例中58例(18.5%)に副作用が認められた。主な副作用は嗄声17例(5.4%)、筋痙攣9例(2.9%)、動悸8 例(2.5%)、咽喉頭疼痛4例(1.3%)であった(承認時)。
本剤を維持療法として定期吸入することに加え、発作発現時(咳嗽、喘鳴、胸苦しさ、息切れ等の喘息 症状)に頓用吸入する治療法を検討した国際共同臨床試験において、安全性評価対象1049例(日本 人201 例含む)中41例(3.9%)に副作用が認められた。主な副作用は、口腔カンジダ症5例(0.5%)、動 悸5例(0.5%)であった。日本人患者では201例中18例(9.0%)に副作用が認められ、主な副作用は、動 悸3例(1.5%)、口腔咽頭痛2例(1.0%)、口腔咽頭不快感2例(1.0%)であった(用法・用量追加承認 時)。
本剤の追加投与時の忍容性を検討した国内臨床試験において、安全性評価対象25例中8例(32.0%)
に副作用が認められた。主な副作用は振戦3例(12.0%)、血中カリウム減少2例(8.0%)であった(用法・
用量追加承認時)。
●慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)
国際共同臨床試験において、安全性評価対象636例(日本人147例含む)中27例(4.2%)に副作用が 認められた。主な副作用は、嗄声10例(1.6%)であった。日本人患者では147例中20例(13.6%)に副作 用が認められ、主な副作用は、嗄声10例(6.8%)であった(追加効能・効果承認時)。
国内臨床試験において、安全性評価対象130例中33例(25.4%)に副作用が認められた。主な副作用 は嗄声5例(3.8%)、肺炎5例(3.8%)であった(効能・効果追加承認時)。
<解説>
承認時までに実施された国内臨床試験及び国際共同臨床試験時の副作用発現例数・頻度については、
「Ⅷ. 安全性 (使用上の注意等) に関する項目 8. 副作用 (4) 項目別副作用発現頻度及び臨床検査値異 常一覧」に示した。
(2) 重大な副作用と初期症状
1) アナフィラキシー(1%未満) :アナフィラキシー (呼吸困難、気管支攣縮、全身潮紅、血管浮腫、蕁 麻疹等) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与 を中止し、適切な処置を行うこと。
<解説>
承認時までに実施された国内臨床試験及び国際共同臨床試験(日本人を含む)において、アナフィラキ シー等の症例は報告されていないが、本剤による薬剤アレルギーと思われる過敏症は、薬疹1例
(<0.1%)、喉頭浮腫1例(<0.1%)、発疹1例(<0.1%)、斑状丘疹状皮疹1例(<0.1%)、耳そう痒症1例
(<0.1%)が報告されている。また、外国において、アナフィラキシー反応、アナフィラキシー様反応、アナ フィラキシーショックの報告があるため記載した(代表的な症例については下表の症例報告を参照のこ と)。
このような過敏症状が疑われる症状が発現した場合には、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行う こと。
また本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者には、本剤を投与しないよう注意すること。(【禁忌】
の項参照)
症例報告 (海外)
No 患者
性・年齢
使用理由 [合併症・既往歴]
1日投与量 投与期間
副作用 経過及び処置
1 女
33歳
喘息
[アスピリンアレルギー、
食物アレルギー]
320 μg/9 μg (ブデソニド/ホル モテロール) ×2回/日 [総投与量:640 μg/18 μg]
アナフィラキシー様反応
シ ム ビ コ ー ト タ ー ビ ュ ヘ イ ラ ー (640
μg/18 μg) 投与2時間後、口唇浮腫が
発現。他の症状はラ音、嘔吐、血圧が 95~100 mmHg。ステロイド及び抗ヒス タミン剤による対症療法施行。6時間後 に回復。
2 女
38歳
慢性の咳嗽 投与量不明 アナフィラキシーショック
シムビコートタービュヘイラー初回投与 約 30分後アナフィラキシーショック発 現。コルチゾン筋肉内注射、アドレナリ ン皮下注射の投与により回復。
2) 重篤な血清カリウム値の低下(1%未満):β2刺激剤による重篤な血清カリウム値の低下が報告され ている。また、β2刺激剤による血清カリウム値の低下作用は、キサンチン誘導体、ステロイド剤及び 利尿剤の併用により増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意すること。さらに、低酸素 血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。このような場合には血 清カリウム値をモニターすることが望ましい。
<解説>
β2刺激剤の一般的注意事項として記載している。
承認時までに実施された国内臨床試験及び国際共同臨床試験(日本人を含む)において、血中カリウム 減少2例(0.1%)、低カリウム血症2例(0.1%)が報告されている。
β2 刺激剤は、β2 受容体刺激作用により細胞内のc-AMP濃度を上昇させる。このc-AMP がNa+/K+ ATPase 活性を亢進させ、血中カリウムの細胞内への取り込みが促進され5)、その結果、血中のカリウムが減少する 可能性がある。
血中カリウムの低下はキサンチン誘導体、ステロイド剤、利尿剤の併用により増強されることがある(「相互 作用」の項参照)。また、低酸素血症により低カリウム血症が心リズムに及ぼす作用を増強することがある。
このような患者に本剤を投与する場合には血清カリウム値をモニターすることが推奨される。
(3) その他の副作用
1~5%未満 1%未満
過敏症注1) 発疹、蕁麻疹、接触性皮膚炎、血管
浮腫等の過敏症状
口腔・呼吸器 嗄声 咽喉頭の刺激感、口腔カンジダ症、
味覚異常、咳嗽、感染、肺炎、気管 支痙攣注2)
消化器 悪心
精神神経系 頭痛、振戦、神経過敏、激越、情緒
不安、めまい、睡眠障害、抑うつ、行 動障害
循環器 動悸、不整脈 (心房細動、上室性頻
脈、期外収縮等) 、頻脈、狭心症、
血圧上昇
筋・骨格系 筋痙攣
内分泌 高血糖
その他 皮膚挫傷
注1) このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注2) 短時間作動型吸入β2刺激剤を投与するなどの適切な処置を行うこと。
発現頻度は国内臨床試験及び国際共同臨床試験(国際共同臨床試験は日本人患者を含む:効能・効果追加承認 時)より算出し、これらの試験で認められなかった副作用については1%未満に記載した。
<解説>
承認時までに実施された国内臨床試験及び国際共同臨床試験(日本人を含む)における副作用発現状 況、及びブデソニド吸入剤(パルミコートタービュヘイラー、パルミコート吸入液)の使用上の注意を基に記 載した。
過敏症
承認時までに実施された国内臨床試験及び国際共同臨床試験(日本人を含む)において、本剤による薬 剤アレルギーと思われる過敏症は、薬疹1例(<0.1%)、喉頭浮腫1例(<0.1%)、発疹1例(<0.1%)、斑状 丘疹状皮疹1例(<0.1%)、耳そう痒症1例(<0.1%)が報告されている。
このような過敏症状が疑われる症状が発現した場合には、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行う こと。
また本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者には、本剤を投与しないよう注意すること。(【禁忌】
の項参照)
口腔・呼吸器
承認時までに実施された国内臨床試験及び国際共同臨床試験(日本人を含む)において、嗄声36例
(1.7%)[嗄声(MedDRA/J 基本語:発声障害)35例(1.6%)、失声症1例(<0.1%)]、咽喉頭の刺激感13 例(0.6%)[口腔咽頭不快感6例(0.3%)、口腔咽頭痛5例(0.2%)、口腔内不快感1例(<0.1%)、咽喉刺 激感1例(<0.1%)]、口腔カンジダ症13例(0.6%)[口腔カンジダ症11例(0.5%)、中咽頭カンジダ症2例
(0.1%)]、感染12例(0.6%)[細菌性上気道感染3例(0.1%)、上気道感染2例(0.1%)、ウイルス性上気道
感染2例(0.1%)、喉頭炎1例(<0.1%)、鼻咽頭炎1例(<0.1%)、咽頭炎1例(<0.1%)、アデノイド咽頭炎1 例(<0.1%)、細菌性気管支炎1例(<0.1%)]、肺炎7例(0.3%)、咳嗽2例(0.1%)が報告されている。
○ 口腔カンジダ症、咽喉頭の刺激感、咳嗽、嗄声
一般に吸入ステロイド剤では、吸入という物理的刺激や咽喉頭周囲へのステロイド剤の沈着による影響 として口腔カンジダ症、咽喉頭の刺激感、咳嗽、嗄声がみられる。
口腔カンジダ症は、ステロイド剤による局所の免疫能低下によって発生すると考えられており、多くの場 合、本剤を中止することなく抗真菌剤の投与により改善がみられる。
嗄声は、ステロイド剤の喉頭への沈着により喉頭筋が萎縮して生じると考えられており、多くの場合、減 量や短期間の休薬等、喉頭周囲へのステロイド剤の沈着による影響を少なくすることで嗄声の改善が 期待される。
また、これらの症状は本剤吸入後うがい等を行うことにより発現率を減少させることが期待される。 (「適 用上の注意 」の項参照)
○ 感染
局所投与である本剤は、全身投与に比べ感染防御機能の抑制は少ないと考えられるが、感染症の症 状を増悪させる可能性があるため記載している。 (「慎重投与」の項参照)
○肺炎
承認時までに実施された慢性閉塞性肺疾患を対象とした国内臨床試験及び国際共同臨床試験(日本 人を含む)において、肺炎が報告されている。
○気管支痙攣
本剤による「気管支痙攣」の副作用は非常にまれであり、原因は「吸入過程での迷走神経反射による気 管支収縮」または「薬剤によるⅠ型 (即時型) アレルギー反応」であると考えられる。このような症状があ らわれた場合は、短時間作動型吸入β2刺激剤を投与するなどの適切な処置を行うこと。
消化器
承認時までに実施された国内臨床試験及び国際共同臨床試験(日本人を含む)において、悪心1例
(<0.1%)が報告されている。
精神神経系
承認時までに実施された国内臨床試験及び国際共同臨床試験(日本人を含む)において、振戦9例
(0.4%)、頭痛4例(0.2%)、易刺激性2例(0.1%)、不安1例(<0.1%)、浮動性めまい1例(<0.1%)、不眠 症1例(<0.1%)が報告されている。
○振戦 10,11)
β2受容体刺激作用による薬理学的副作用と考えられるが、一過性であり、継続使用しているうちに慣れ
(耐性)が生じて次第に減少もしくは消失するとされている。
骨格筋はたえず軽く強縮 (個々の収縮が融合して大きな収縮となること) し緊張を保っているが、筋線 維のβ2受容体を刺激すると個々の筋線維収縮の融合が抑制され、筋の張力が減少する。その結果、
個々の収縮が顕在化するため、振戦が増強される。また、筋の長さを一定に保つフィードバック機構に