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分 14.8分/人

ドキュメント内 HOKUGA: 講義経営史 (ページ 181-200)

・除 外 772分 193.0分/人

休憩時間以外の休み時間。この中には一番 人車で出坑しているので,在坑外時間 21分 も含まれて居る。この時間内に出来る作業量 としては,実測値そのままを使用して見るな らば,1車運搬するに 51.7分なので,2車 運搬し荷卸 し を 行 い{ 51.7×2 + 0.57×

50}131.5分の費消となり,1番人車で出 坑しても 193−131.5−21=40.5分の余裕が 出ることになる。以上の如く,各要素作業毎 に内容を検討し,タイムスタディーの註釈を 加えて見た。

是等内容と,標準作業量算定方式で出す実 働時間の数値と対比するならば

標作算定法に準ずる実働時間の算定は次の ようになる。

番 割 10.0分 標作算定基準時間

人 車 待 32.0 入坑は3番,出坑は1番人車という実測勘案 人 車 11.0 標作算定基準時間

徒 歩 64.3 標作算定基準時間で計算

職場余裕 30.0 標作算定時頭初より除外する時間 昼 食 60.0

在坑外除外時間 21.0 1番人車で出坑後3時迄の在坑外時間 計 228.3≒230.0

拘束 480−230=250 実作業時間

実測値を入出坑,職場余裕,実作業,連継待,其の他,除外に大別すると 人 出 坑 398.0分/方 99.6分/方 20.8%

職場余裕 55.6 13.9 2.9 実 作 業 391.4 97.8 20.4

連 継 待 63.0 15.7 3.3 其 の 他 240.0 60.0 12.5 除 外 772.0 193.0 40.1 計 1920.0 480.0 100.0

といった形に大別出来る。連継待を含めた 実作業時間は 112.5分よりなく,如何に温 度・湿度が幾分高い同方面の作業とはいえ,

実働時間 250分の 45%の作業時間という事 は論外である。この時間値を昂める為の対策 に鋭意の要あり。保安方のみに止らず日役作 業者にえてして云える事であるが,朝番割り の時指示した作業が量に関係なく一日と判断,

巡回時に追加作業を指示すると作業員の不平 多く問題惹起の傾向強くなるので,朝番割時 にあっては,追加作業の為の余韻を必ず残し て置き,巡回時に作業進行状態判断の中から 追加作業を指示し,実作業時間拡大に努力さ れんことを希う。この事から実作業時間の2 倍にも匹敵する除外時間の縮少に通ずること になる。

⑶ タイムスタディーの考察

ブロック密閉時のタイムスタディーにあっ ては実働時間の 68%,今次資材運搬にあっ ては 45%といった実績で誠実なる8時間労 働の精神からは程遠い結果である。之らの作 業時間拡大の為前述の様な一方法も考えたが,

抜本的且恒久的対策としては誠に貧弱なもの である。日常この種問題の討議を深め,技術 研究会などの全体会議の中で結論を出すなど 考慮の中に入れるべきであろう。この様な判 断から,今回は実測値の展開に止めることに した。

3節 採炭切羽の磐圧対策と落磐防止作業の タイムスタディー

はじめに

採炭切羽の磐圧と一口に云うが,炭層や上 下盤内に働いている応力を指すものか,切羽 の支柱に働らいている荷重を指すものかはっ

きりしないが,この両者には緊密な関係を有 し,一方が大きくなれば,他方が小さくなる ことが大体うかがえる。例えば,採炭切羽に 於いて支柱密度をあげ,且個々の支柱に作用 の荷重を大きくすれば天盤が良くなって,切 羽のコントロールが楽になる事は経験上より 知って居るところである。

然し,それならばこの両者の間の量的関係 については,わかって居らない点が多い。特 に近年に於ける重装備化により岩盤・炭壁が 肉眼や手で触れる事が少なくなって来た為,

益々盤圧現象を身近に感ずる機会が少なく なって来て居る。その為,以前の様なキメ細 かな観測を主体にしたデーターにもとづく論 議よりも,模型実験の様な実験室的観測,コ ンピューター利用の理論的研究等が主流と なって来つつある。この事は,或る意味で進 歩かも知れないが,自然と人間の隔りを益々 大きくし非人情な取扱い方に走るおそれなし と云い切れない。この感覚が公害として,何 時のまにか人間のごうまんさが反対に人間自 身を滅ばす脅威になりつつあるので古典的盤 圧論もあながち無駄ではないと考え,タイム スタディーを中心に次のように検討する。

⑴ 採炭切羽の静と動

採炭切羽を取りまく環境は,上下の岩盤,

炭壁近くの支柱の林立する空間,放棄された 採掘跡であって,これら総てのものは,大き く分けて2種類の動きをして居る。その1は 切羽面進行の為に発生する動きと,もう1つ は切羽面が進んでも進まなくても常に生じて いる動きであって,前者を動的な動きとすれ ば後者は静的な動きといえる。

採炭切羽の進行状態を様々な方法で計測し

てみると次の様なことが見出される。

(イ)上下盤の接近 (ロ)切羽の支柱にかか る荷の増加 (ハ)炭壁の張出し

等である。上下盤接近は,上盤の沈下と下盤 の盤膨れとの和で場所によってはその優劣も つけ難い。特に急傾斜の払等になれば,上下 関係の区別が少なくなるから尚更どちらが大 きいかと云えなくなるけれど,採掘面が進行 していれば切羽周囲は忙しく変改活動をして いる。

さて茲で,一般的説明を少しくして見る。

物体変形の為には,物体内に何らかの力の 変動が生じなければならない。縮むには縮む だけの力,縮んだものが伸びる為には縮ませ ていた力の減少がなければならない。いずれ にしても力の変動である。採炭場に於ける力 は次の図のようになる。

炭層にかかる力の変動は一体何であるかに ついて以下のように触れる事とする。

上の図‑15は,採炭場で炭層 に 盤 圧 の か

かっている有様を示している。

現在若し切羽が進んでいないとしたならば 盤圧の変動がないわけであるが,一旦切羽が 進み始め図に示す所まで炭層が採掘されると

AA

より手前の盤圧が開放されて,この部分 の盤圧はゼロとなる。

然し,はじめにあった盤圧はなくなって仕 舞うのでなく,この部分の盤圧は払跡,地山 炭層内及び上下盤内に移動してゆくことにな る。払跡に移動したものは支柱への荷となり,

上下盤へ移った力は上下盤の接近になり,地 山炭層内に入った力は炭壁の張出しとして変 化して来るわけである。従って理論的には,

切羽の進行がなければ支柱への荷の増加,上 下盤の接近も炭壁の張出しもないわけである。

この事は経験と多少異なると思うが,測定し てみるとこの事の正しさが確かめられる。

只,これらの事は必らずしも完全に変化が 停止して居るわけでなく,切羽が進まなくて も極く僅かではあるが,支柱への荷の増加,

上下盤の接近,炭壁の張出しが認められる。

この事は静的な動きがあるからである。静的 な動きには

(イ)上下盤の非常に緩慢な接近 (ロ)炭壁 の緩かな張出 (ハ)払跡放棄天盤崩落充塡 締り

等である。

この事は,物質の本来持っている性質に由 来し,次のように説明が出来る。例として次 の図‑16のように1本の飴棒を考えよう。

図‑16 急激な力と穏やかな力 図‑15 炭層にかかる力

(A) 急げきに引張れば切れるであろうし,

(B) 緩やかに引張ると伸びるであろう。も う少し見方を変えて見れば,急激に引張ると いう事は力の変化を急に与えること緩やかに 引張るという事は力の変化を緩やかに与える 事で極端な場合を考えれば力を変化させない 時もこれに含まれる。一定の重りを飴棒にか けて居る様なもので,棒は徐々に伸び,やが て切断する。この様な現象は総ての物質につ いて程度の差はあれ必らず見受けられ岩石・

石炭としても例外ではない。

学問的にはクリープといわれるもので,和 訳して匍匐,つまり這うという意味で,這う 様に伸びてくることをいいあらわして居る。

採炭場の上下盤接近の中にもクリープによ るものが含まれていて,切羽が進まない時も 接近量としてあらわれてくる。石炭も勿論ク リープする。これが炭壁の間断ない張出しで,

特に払跡上下盤については,内部に持ってい る応力でクリープを起し,時としてこれが払 跡崩落となってあらわれて来るわけである。

⑵ 支柱の意味

採炭場盤圧統制上最大の意味をもつものが 支柱であり,支柱の役目は図‑15に於いて見 る様に今迄炭層が支持して居った盤圧を肩代 りしてやることにある。然し,炭層は上下盤 に𨻶間なく接しているが,支柱は点で上下盤

に接して居り,炭層と全く同じ力で支持する とみれば莫大な支持力を必要とする。その1 例としての計算例を示す。

条件⑴地表からの深度 600

m

⑵炭層は平 層 ⑶切羽面長 150m ⑷切羽面より払跡最 後列柱迄の幅8m ⑸立柱間隔 1.0m ⑹立 柱列数3

計 算 ⑴ 盤 圧=600÷10×2.5=150

kg

/

cm

⑵ 支 柱 面 積=150×8=1200m=12,000,000

cm

⑶ 全 支 持 盤 圧=150×12,000,000=

1,800,000,000

kg

=1800000

t

⑷ 払 面 立 柱 数=150/1=150本 全 立 柱 数=150×3=

450本 ⑸ 1 本 当 必 要 平 均 支 持 力 = 1800000÷450=4000t

この値を見れば,どんな強い支柱でも支持 は不可能であるし,例え支持しえたとしても 1本の支柱の足を下盤がうける面積に限りが あり膨大な力がかかれば,支柱の下盤へのめ り込みは避けられず到底これだけの支持力は 出てこない。支柱の支持力の数百倍又は千倍 もの力が炭壁の奥や払跡崩落 で受けている し,それよりも大部分の力は上下岩盤内に分 散されていなければならないのであって,支 柱の働らきはこれらの力を減少しない様補助 的な仕事をしていると云って良い。一般に下 の図‑17について見れば,次の様な説明が出 来る。

図‑17

A

の部分は地山炭層にかかっている ドーム圧であるが,それより上部の天盤B・

図‑17 ドーム圧上下方向の分布

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