①管理アドバイザー派遣
管理者アンケートより、「管理組合を組織していない」が5%弱(39 棟)、「管理規約がない」が 5%(45 棟)、「長期修繕計画がない」が 17%(153 棟)あった。
区は、分譲マンションの適正な管理や計画的な修繕を促進するため、平成 23 年度から管理組合 等に管理アドバイザーを無料で派遣し、これまで 43 件の実績がある。
しかし、管理組合等からの申請に基づく派遣であることから、管理活動が停滞しているマンショ ンや管理組合が組織されていないマンションには、管理アドバイザー派遣が行き届いているとは言 えない状況がある。
そこで、管理状況に課題が見られる分譲マンションについては、区から働きかけを行うなど、管 理アドバイザー派遣の積極的な活用により、適正な維持管理の促進を図ることが考えられる。
(2)耐震化
①耐震診断助成
耐震化を図るにあたっては、まず、耐震診断を実施し、耐震性を満たしているか確認する必要が ある。
旧耐震の分譲マンション約 650 棟のうち、耐震診断の未実施は5割強の約 350 棟あると推計され る。
管理者アンケートによると、耐震診断を実施していない理由として、33%が「調査費用がない」
と答えている。
区は、分譲マンションの耐震診断について、平成8年度から助成を開始しており、平成 24 年度 には助成内容を拡充し、診断に要した費用の2/3、限度額 300 万円の助成を行っている。
特定緊急輸送道路沿道にあっては、東京都の「東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を 推進する条例」(平成 23 年3月制定)を受けて、平成 23 年 10 月以降、全額をベースに助成を行い、
実績を上げている。
これを踏まえると、耐震診断の実施の促進に向けては、区分所有者の合意形成を図ることがまず 必要であり、そのためには耐震診断にかかる費用負担の軽減が必要と考えられる。
そこで、特定緊急輸送道路沿道以外の分譲マンションの耐震診断についても助成制度の拡充を図 ることが考えられる。
②建替え計画案等作成助成
耐震診断の結果、耐震基準に適合していないと判定された場合は、一定の耐震基準を満たすよう 耐震改修か建替えを行うことが必要となる。耐震改修か建替えを行うにあたっては、計画案等を作 成することになる。
区は、分譲マンションの耐震補強設計について、平成 20 年度から設計に要した費用の2/3、
限度額 200 万円(特定緊急輸送道路沿道は、設計に要した費用の5/6)の助成を行っている。
建替え計画案等作成については、平成 18 年度から作成に要した費用の1/3、限度額 150 万円 の助成を行っている。しかし、建替えという方向性が決まってから活用されていることから、実績 が少ない。
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耐震改修か建替えを実施するためには、判断材料となる比較検討案が必要となる。この比較検討 案の作成に向けた区分所有者の合意形成を得るためには、比較検討案作成費の負担を軽減すること が効果的であると考えられる。
また、管理者アンケートより、建替えの課題として、46%が「法制限で希望通り建てられない」、
居住者アンケートの自由意見で最多の 31 件において「建替えの法制限について」が課題となって いるとの指摘がある。
容積率制限や日影規制などの法制限を遵守して建て替えるには、周辺との共同化が考えられるこ とから、共同建替え計画案の作成に対しても支援策を検討することが必要になると考えられる。
③建替え等支援コンサルタント派遣
区は、平成 18 年度から主に単独建替えに際して、建替え等支援コンサルタントを無料で派遣し ている。
今後は、耐震改修、単独建替えと共同建替えの3つの方向を含めて、専門家によるアドバイスが できるコンサルタント派遣を検討することが考えられる。
④建替え助成
旧耐震の分譲マンションの5割以上は、建替えについての検討が見られた。
区は、分譲マンションの耐震改修について、平成 20 年度から助成を開始し、平成 24 年度には助 成を拡充し、工事に要した費用の1/2、限度額 7,000 万円(特定緊急輸送道路沿道は、工事に要 した費用の5/6)を助成している。
建替えについては、平成 24 年度から、工事に要した費用の1/3、限度額 3,500 万円を助成し ている。しかし、実績が無い。
建替えも耐震改修と同様に耐震化を図る結果が得られることから、建替えについても、耐震改修 と同程度の支援策を検討することによって効果を上げることが考えられる。
管理者アンケートでは、耐震改修を実施していない理由として、38%が「設計や工事の費用がな い」と答えている。また、建替え検討にあたっての問題点として、52%が「費用負担が困難」と答 えている。
耐震改修や建替え費用を助成することは、区分所有者の資産形成に対する直接的な支援となるこ とから、区分所有者においても一定の費用負担を前提条件としての助成制度の拡充が考えられる。
29 表4-1 港区の現行の分譲マンション支援策
種別 制度の名称 概 要 施行年 実績件数
H27 まで
適正管理の視点
管理
すまいの専門相談 住まいに関する専門的な無料相談(税務・不動産・
建築・マンション管理) H17~ 2,149 管理アドバイザー
派遣
維持管理や老朽化対策について管理組合に対し
て、10 回を限度に無料派遣 H23~ 43 劣化診断助成 建物・設備について老朽度の調査・診断を実施し
た場合、要した費用の 1/2、限度額 50 万円を助成 H18~ 92 共用部分リフォー
ム融資の債務保証 料助成
共用部分の修繕に資金の融資を受け、管理センタ ーに債務保証料を委託した場合、限度額 150 万円 を助成(耐震改修工事も利用可)
H16~ 22
バリア フリー
共同住宅バリアフ リー化助成
高齢者が多い共同住宅の共用部分のバリアフリー 化に要する費用と段差解消・手すり・床のノンス リップは 70 万円、段差解消機新設は 800 万円、エ レベーターのバリアフリー化は 300 万円、エレベ ーター新設は 2,000 万円の少ない額の 1/2 を助成
H16~ 52
エレベ ーター
マンションエレベ ーター安全装置等 設置助成
戸開走行保護装置は、10/10、限度額 300 万円、
地震時管制運転装置・耐震対策は、1/2、限度額 50 万円を助成
H28~ ―
老朽マンション等の再生の視点
耐震
耐震アドバイザー 相談
診断の必要性及び耐震化の進め方や合意形成に対
するアドバイザーを無料派遣 H21~ 130 簡易診断 アドバイザー相談の結果、簡易診断の必要性が明
らかになったものに対して無料診断 H21~ 72 耐震診断助成
診断に要した費用の 2/3、限度額 300 万円を助成
※H23 までは、6.5/10、限度額 150・200 万円
(特定緊急輸送道路沿道については、延べ面積 3,000 ㎡未満は全額、以上は最大で 5/6)
H8~23 H24~
(H23~)
57 60
(64)
計 181 耐震補強設計助成
補強設計に要した費用の 2/3、限度額 200 万円を助 成 ※H23 までは、1/2
(特定緊急輸送道路沿道については、最大で 5/6 で限度額あり)
H20~23 H24~
(H23~)
5 19
(17)
計 41 耐震改修工事助成
改修工事に要した費用の 1/2、限度額 7,000 万円を 助成 ※H23 までは、限度額 4,000 万円
(特定緊急輸送道路沿道については、最大で 5/6 で限度額あり)
H20~23 H24~
(H23~)
4 12
(10)
計 26
建替え
建替え等支援コン サルタント派遣
居住者がグループで建替えについて話し合いをす る場合、無料で派遣。派遣については、区に登録 しているまちづくりコンサルタントから選択
H18~ 60 建替え計画案等作
成助成
建替えを検討する場合、建替え計画案等作成に要
した費用の 1/3、限度額 150 万円を助成 H18~ 2 建替え助成 工事に要する費用相当額の 1/3、限度額 3,500 万円
を助成 H24~ 0
住宅等優良建築物 環境整備助成
2 以上の敷地又は一団の土地に共同して建物を建 てる場合に最大で約 1,500 万円を助成
(敷地面積の合計が 300 ㎡未満)
H3~5 H6~
不明 0 都心共同住宅供給
事業
優良建築物等整備 事業
2 以上の敷地に共同して建物を建てる場合は約 200 万円/戸、老朽化した共同住宅を建て替える場合は 約 100 万円/戸を助成(敷地面積の合計が 300 ㎡以 上)
H6~ 10 まちづくりコンサ
ルタント派遣
区民等が自主的なまちづくりを目指し、その調査 研究活動を行う場合にコンサルタントを無料で派 遣
S60~ 140
その他の視点
防災
地域防災アドバイ ザー派遣
地域防災協議会、防災住民組織、町会、自治会や 管理組合などが、防災意識の醸成等のための講演 会等に無料派遣
H23~ 242 高層住宅防災アド
バイザー派遣
高層住宅における自主防災組織の結成や防災計画
策定を支援するために無料派遣 H23~ 108 家具転倒防止器具
等助成
家具転倒防止器具等を無償で一世帯に対して 1 回
限り支給 H18~ 18,527
高層住宅への防災 資器材助成
高層住宅 1 棟につき地階を除く 6 階以上かつ 50 戸
以上の共同住宅、防災資器材を助成 H25~ 51 地域コ
ミュニ ティ
町会、自治会への 助成
町会・自治会等の自主的な地域活動を支援するた めの補助
(他に掲示板設置・会館建設等補助)
S52~ 各町会・
自治会
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