い。さらに光を均一に取り込む必要があるため、薄明時に望遠鏡上部にデフューザーとい う半透明の板を乗せ撮影している。
分光データ用のフラットフィールドは、望遠鏡が設置されているスライディングルー フ内に白熱球を2個配置し、さらにデフューザーを使って光が均一に取り込まれるように して撮影している。また測光・分光ともに、使用するフラットフィールドにはダークノイ ズが含まれるため、補正に使用する際はダークノイズを取り除いておく必要がある。
向の広がりを見積もることができ、抽出したいスペクトルの積分範囲を決定する。さら に、スカイバックグラウンドの値を引き算し取り除くために、スカイの範囲も同時に見積 もっておく必要がある。これは観測した画像データには夜光や光害起源となる輝線も記録 されているためである。Fig. 30は岡山理科大学上空ににおけるスカイバックグラウンド のスペクトルである。
x
pixcel
y
pixcel
Fig. 28: 観測された星のスペクトル画像データの例.
y pixcel number
Fig. 29: スペクトルの空間方向の広がり. 抽出したいスペクトルの範囲とスカイ
バックグラウンドの範囲を見積もる.
-100 400 900 1400
3500 4000 4500 5000 5500 6000 6500 7000 7500 8000
wavelength ( )
relative intensity Hg
Hg Hg Hg
[O
]
Fig. 30: 岡山理科大学上空のスカイバックグラウンドのスペクトル. 主に光害起源
である水銀の輝線や、夜光起源である酸素の禁制線が見られる.
このようにスペクトルの積分範囲とスカイの範囲が決まれば、積分範囲からスカイを 引き算しながらスペクトルを抽出することが出来る。Fig. 31は抽出したスペクトルの例 である。縦軸はカウント値(相対強度)、横軸はx軸方向のpixcel numberとなっている (Fig. 28のx方向に相当する)。
0 100000 200000 300000 400000 500000
0 100 200 300 400 500 600 700 800
pixcel number
relative intensity
Fig. 31: 抽出(1次元化)されたスペクトルの例.
6.3.2 比較光源と波長較正
1次元化されたスペクトルは、横軸をpixcel numberから波長(Å) へ較正しなけれ ばならない。本研究ではアメリカのEdomond社から発売されている水素とヘリウムの放 電管を比較光源として用い、波長較正を行った。水素とヘリウムに現れる輝線は、理科年 表に波長が記載されている。Fig. 32はDSS-7で取得した水素とヘリウムのスペクトル 画像である。
Hydrogen
Helium
6562.76 (H ) 4861.33
(H
) 4340.47
(H)
7281.35 7065.19 6678.15
5876.65 5015.68
4471.48
Fig. 32: 水素(上)とヘリウム(下)のスペクトル画像. 同定した波長(Å)は理科年 表より引用[41].
この同定した波長の輝線を計9本用いて、pixcel numberと波長の関係式を求めるた めに、最小二乗法でフィッティングを行うと
λ =−2.086(±0.021)×10−4n2−5.237(±0.006)n+ 8305(±1) (6) となった(Fig. 33)。ここでλは波長(Å)、nはpixcel numberである。本研究では2次 の項まで求めている。1次のフィッティングでは長波長側でズレが大きくなる傾向があっ たが、2次の項まで考慮することで分解能15Åの範囲内でズレは解消した。
4000 4500 5000 5500 6000 6500 7000 7500 8000
0 100 200 300 400 500 600 700 800
pixcel number
wavelength ()
Fig. 33: 水素とヘリウムの計9点で最小二乗法によるフィッティングを行った結果.