各工法とも共通。(P-2参照)
以上
製管工法の施工管理に関するマニュアル
《 共通項目 》 1.工法概要
各工法別マニュアルに記載。
2.適用範囲
各工法別マニュアルに記載。
3.使用材料の種類と物性
各工法別マニュアルに記載。
4.施工前現場実測
各工法とも,以下の内容は共通とする。
更生材料発注の前に,当該現場の実態を把握するべく各種実測を行う。
更生材料の誤発注を防ぐために,既設管径,管体延長等を実測すると共に,現場施工時 に問題となりそうな点について検討を行う。
施工前現場実測・ 実施内容及び留意点
①既設管径の実測
②管体延長の実測
地上でマンホールの芯々間を実測し,マンホール寸法分を除く。
管きょ内に人が入れる場合には、実延長を実測する。
③マンホールの形状寸法確認
上,下流マンホールの径,深さ,インバート形状,流入管管径,その他施工時に 支障となりそうな要因が無いかどうかの確認。
④供用中施工の場合、水深と流速を測定する。
⑤その他,現場周辺の状況を確認し,工事車両の配置等の検討を行う。
5.施工前管きょ内調査
各工法とも,以下の内容は共通とする。
施工に先立ち管きょ内の TV カメラ調査,もしくは目視調査を行い,施工に支障のある障害 物等の有無を確認し,事前処理工の必要がある場合には処理方法の検討を行う。
施工前現場実測・ 実施内容及び留意点
①取付管位置の計測
管口から取付管芯までの距離を実測し,本管への接続角度を記録する。
②段差,隙間,屈曲等の確認
施工適用範囲内であることを確認。適用範囲外である場合は,施工方法を検討す る。
適用範囲・・・建設技術審査証明の証明範囲による。
③事前処理工の検討
事前処理を行う必要のある,モルタルの堆積,取付管の突出,鉄筋の突出,多量 の浸入水等の有無を確認し,それらが認められた場合は事前処理方法等の検討を行 う。
6.事前処理工
各工法別マニュアルに記載。
7.施工前管渠内洗浄工
各工法とも,以下の内容は共通とする。
更生工の直前に管きょ内の洗浄を充分に行い,出来形に悪影響を及ぼす可能性の有る土砂,
小石,管壁破損片等を完全に除去する。
洗浄後に TV カメラまたは目視にて,管きょ内が充分に洗浄されているかどうかの確認を行い,
管きょ内に施工に支障を来たしそうな異物が残留している場合は,再度管きょ内洗浄を行う。
管きょ内に人が入って作業をする場合は、流下する下水の水量や酸欠空気・硫化水素濃度等,
安全面に充分注意して作業を行う。
8.製管工
各工法別マニュアルに記載。
9.充填材注入工(裏込め注入工)
各工法別マニュアルに記載。
10.性能確認試験用テストピース採取
各工法別マニュアルに記載。
既設管 0°
180°
270° 90°
充填材 接合用嵌合部材等
D1
D2
11.出来形管理
各工法とも,以下の内容は共通とする。
外観検査及び出来形検査を行い,管きょの機能を損なうような欠陥,異常個所が無いこ とを確認する。
(1)外観検査
①TV カメラもしくは目視により,更生管内の外観確認を行って,ビデオテープ等に記録 する。
②人が入れる径であれば、打音検査等で充填材の充填状況を確認する。
(2)出来形検査
①更生管内径計測
上下左右の充填材を含めた更生材の厚さが 異なることから、右図に示す2箇所(更生 管の内側中央高さと幅)の仕上り内径を測 定し、その検査基準は、平均内径が設計更 生管径を下回らないこととする。
SPR工法
1.工法概要
SPR工法は硬質塩化ビニル製プロファイルを既設管内で螺旋状に巻回することにより更 生管を製管し,既設管と更生管の間隙に特殊裏込め材を注入・硬化させ,既設管・更生管・裏 込め材の三者が一体となった強固な複合管を構築する工法である。
適用管径は円形管の場合,小口径から大口径まで非常に広く,また矩形きょ・馬蹄形きょ 等の非円形断面もその断面のまま更生ができる。また下水供用中でも施工できる等の特長が ある。
2.適用範囲
項 目 適 用 範 囲 備 考 管 種 鉄筋コンクリート管,陶管
管 径 円 形 管:φ250 mm ~φ4,750 mm
非円形管きょ:高さ900 mm 以上,幅6,000 mm 以下
段 差
元押し式製管方式
既設管呼び径 段差
500 mm 以下 20 mm
600~1,200 mm 50 mm
1,350~1,500 mm 100 mm
自走式製管方式
既設管呼び径 段差
1,350 ㎜以下 50 mm
1,500 ㎜ 90 ㎜
1,650 ㎜以上 100 ㎜
曲 が り
元押し式製管方式 5°以下 自走式製管方式
曲率半径5D以上の曲がり部D:既設管内径(円形管), 既設管内幅(非円形管きょ),および5Dの曲率で製管 できる屈曲以下の曲がり部
継手隙間 120 mm 程度(元押し式製管方式の場合)
下水供用下の施工 水深 既設管径の30%かつ60 cm 以下,流速1.0m/sec 以下
勾配補正 既設管きょ寸法800 mm 以上の管きょで可能 建設技術審査証明 取得年度・・・・・1993年5月
更新年度・・・・・2014年3月
建設技術審査証明以外の適用範囲および最新データ等については工法協会,メーカーの仕様 を確認する。
3.使用材料の物性
名 称 表面部材:SPR工法用プロファイル 金属部材:スチール補強材
充 填 材:SPRモルタル 材 料 構 成 表面部材:硬質塩化ビニル樹脂
金属部材:溶融亜鉛メッキ鋼板
(スチール補強材一体型の場合)
充 填 材:樹脂系モルタル 基 本 物 性
項 目 性 能 備 考 表
面 部 材
引張強さ 37.2 N/mm2(23℃) JIS K6741 耐摩耗性 新管と同等以上 JIS K7204 耐薬品性 合 格 JSWAS K-1 金
属 部 材
溶融亜鉛メッキ鋼板(JIS G3302)と同等
充 填 材
比 重
1.30以上 2.10以上 2.00以上 1.90以上
SPRモルタル2号の場合 SPRモルタル3号の場合 SPRモルタル4号の場合 SPR封入モルタルの場合
圧縮強度
(材齢28日)
21.0 N/mm2 35.0 N/mm2 55.0 N/mm2 35.0 N/mm2
JSCE-G521 SPRモルタル2号の場合 SPRモルタル3号の場合 SPRモルタル4号の場合 SPR封入モルタルの場合
ヤング係数
6,600 N/mm2 22,000 N/mm2 28,400 N/mm2 19,500 N/mm2
SPRモルタル2号の場合 SPRモルタル3号の場合 SPRモルタル4号の場合 SPR封入モルタルの場合
SPR工法の更生断面図
(金属部材を用いた場合)
既設管 充填材 表面部材 金属部材
4.施工前現場実測
共通項目参照。
5.施工前管きょ内調査
共通項目参照。
6.事前処理工
施工前管きょ内調査工の結果に基づき,必要に応じて処理方法を決定し,製管前に事前処理 を行う。
《事前処理工・実施内容および留意点》
①高圧洗浄による処理
高圧洗浄によりモルタル等の除去を行う場合には,完全に除去ができるよう,TV カメ ラ等で監視しながら作業を行う。
②管内ロボットによる処理
管内ロボットを用いて,モルタル,取付け管突出および木根等の除去を行う場合には,
TVカメラで監視しながら行う。(既設管呼び径 800 mm 未満)
③多量の浸入水の仮止水
充填材に悪影響をもたらすような多量の浸入水がある場合は,仮止水を行う。
方法については,パッカー注入,部分補修等による方法を検討し,当該現場に最も適した 方法で行う。
④管きょ内に人が入っての事前処理作業
管きょ内に人が入ってモルタル除去等の作業が可能な場合は,流下する下水の水量,流 速等に充分注意して作業を行う。また,使用する機器は感電の恐れのない圧縮空気や高圧 水を用いたものを使用するようにする。
⑤マンホール内の事前処理
マンホール内に障害物等があり,製管機等が設置できない場合は,除去して正しく設置 できるようにする。
7.施工前管きょ内洗浄工
共通項目参照。
8.製管工
製管工においては,製管内径を管理するとともに,嵌合状態に注意しながら行う。
《製管工 実施内容および留意点》
製管工の管理方法
・製管内径が設計通りに製管できていることをプロファイル周長および内径を測定すること により確認した上で製管を開始する。
・嵌合部に不純物が無いか,絶えず確認しながら製管を行う。
①元押し式製管方式と自走式製管方式について
元押し式製管方式:マンホール内に製管機を設置し,嵌合した更生管を既設管内に挿入 する。基本的に作業員が管内に入ることのできない小口径管(円形 管)に適用する。
自走式製管方式:製管機が既設管内を自走しながら更生管を製管していく。作業員が管 内に入ることのできる口径の円形管および非円形管に適用する。
②製管速度
製管速度(プロファイル送り込み速度)は適正速度以内で行う。製管速度は標準的には
5m/min~10m/min 程度とするが,これを超える異常な速度で送り込まないようにする
必要がある。
③更生材料の傷付け防止
更生材料の取り扱い時には傷付けないよう充分に注意し,必要に応じ当て板等で保護す る。
9.裏込め注入工
裏込め注入工については,充填材の性状確認,注入圧力および注入量等について管理を行う。
《裏込め工 実施内容および留意点》
裏込め施工条件
外気温が 5℃~30℃での施工を原則とし,やむを得ない場合は混練水等の温度調節を行 う。
充填材性状の管理方法(SPRモルタル2号の場合)
管理項目
・配合比 配合前に粉体・エマルジョン・水の重量を測定し記録する ただし,比重・フロー値を確認し,水の量を調節する。
・比重管理 1.30以上
・引き抜きフロー試験 330 mm ± 40 mm
・圧縮強度試験 12.0N/mm2以上(材齢7日) 21.0N/mm2以上(材齢28日)
管理頻度
・配合比/比重管理/引き抜きフロー試験 注入日毎に1回
・圧縮強度試験 既設管径800 mm 未満 :施工延長100m毎に1回
既設管径800 mm 以上 :注入日毎
注入圧力の管理方法
注入圧力は注入口付近で圧力計を用いて,随時計測し記録する。注入圧力の上限値は注入
口付近で 0.05MPaを標準とするが,管径・支保点数・プロファイルの種類等により上限
圧力が異なるため,メーカー仕様などに基づき上限注入圧力を決定し,その値内で管理す る。