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円盤領域における熱方程式 38

ドキュメント内 II ( (ページ 39-43)

境界条件は同次の場合を考える。

4.1 円盤領域での Dirichlet 境界値問題

2

次元の単位円盤領域

Ω := { (x, y) R

2

; x

2

+ y

2

< 1 }

における熱方程式の初期値境界値問題

(4.1) u

t

= u, u(x, y, t) = 0 ((x, y) ∂Ω), u(x, y, 0) = u

0

(x, y) ((x, y) Ω)

Fourier

の方法で解いてみよう。

いつものように、熱方程式と境界条件を満たし、u(x, y, t) =

η(t)ζ(x, y)

という形をしてい る非自明な

u

を求めることを目標にする。まず熱方程式に代入すると

ζ(x, y)

ζ(x, y) = η

(t) η(t) .

これは定数なので

λ

とおくと、

η

(t) = λη(t), ζ(x, y) = λζ(x, y).

一方、境界条件に代入すると

ζ(x, y) = 0 ((x, y) ∂Ω)

を得る。

こうして、

における

Laplacian

の固有値問題が登場する。

は、1次元区間の直積ではないから、このままでは

Fourier

の方法は適用できないが、極 座標を用いて問題を変換するとうまく解けるようになる。

x = r cos θ, y = r sin θ

により変数を

(x, y)

から

(r, θ)

に変換し、

Z(r, θ) := ζ(x, y)

とおくと、

− △ ζ = λζ

2

Z

∂r

2

+ 1 r

∂Z

∂r + 1 r

2

2

Z

∂θ

2

= λζ (0 < r < 1, θ [0, 2π])

という方程式に変換される。ここで

Z (r, θ) = R(r)Θ(θ)

とおいて、代入すると

R

′′

(r)Θ(θ) + 1

r R

(r)Θ(θ) + 1

r

2

R(r)Θ

′′

(θ) = λR(r)Θ(θ).

両辺を

R(r)Θ(θ)

で割って、

R

′′

(r) R(r) + 1

r R

(r)

R(r) + 1 r

2

Θ

′′

(θ)

Θ(θ) = λ.

移項すると

r

2

R

′′

(r) + rR

(r) + λr

2

R(r)

R(r) = Θ

′′

(θ) Θ(θ) .

(

いつものように

)

この式の値は定数であることが分る。それを

α

とおくと、

Θ

′′

(θ) + αΘ(θ) = 0, r

2

R

′′

(r) + rR

(r) + (

λr

2

α )

R(r) = 0.

Θ

は周期

の関数であるから、

Θ(0) = Θ(2π), Θ

(0) = Θ

(2π).

こうして

Θ

についての固有値問題が導かれた。これは

α = n

2

, n N ∪ { 0 } , Θ(θ) = A cos + B sin (A, B

は任意定数) と解ける。一方

R

については、境界条件も考慮して

R

(r) + 1

r R

(r) + (

λ n

2

r

2

)

R(r) = 0, R(1) = 0, R(0)

は有限

.

ここで

ρ =

λr, W (ρ) := R(r)

とおくと

R(r) = W

( λr

)

より、

R

(r) =

λW (ρ), R

′′

(r) = λW

′′

(ρ)

であるから、上の方程式に代入して、

W

′′

(ρ) + 1

ρ W

(ρ) + (

1 n

2

ρ

2

)

W (ρ) = 0, (4.2)

W (

λ )

= 0, W (0)

は有限

. (4.3)

(4.2)

Bessel

の微分方程式である。一般解は

W (ρ) = AJ

n

(ρ) + BY

n

(ρ) (A, B

は任意定数)

である。ここで

J

n

n

次の

Bessel

関数、

Y

n

n

次の

Neumann

関数である。

J

n

(z) :=

k=0

( 1)

k

k!(n + k)!

( z 2

)

n+2k

, Y

n

(z) = (

結局は使わないのでここでは省略

).

原点で

W

は有界であることから

B = 0

でなければならない。

W (ρ) = AJ

n

(ρ).

ゆえに

R(r) = AJ

n

( λr).

R(1) = 0

であることから、

λ

J

n の零点である必要がある。

J

n の正の零点は小さい方から順に並べることができる

(

どこかに集積したりはしない

)

。そ れを

µ

1,n

< µ

2,n

< · · · < µ

m,n

< · · ·

とおくと、

m N s.t.

λ = µ

m,n 以上から

Z(r, θ) = J

n

m,n

r) (A cos + B sin nθ) .

ゆえに円盤における熱方程式に対する変数分離解として

e

µ2m,nt

J

n

m,n

r)(A

mn

cos + B

mn

sin nθ)

が得られる。

初期値境界値問題

(4.1)

の解は

u(r cos θ, r sin θ, t) = 1

2

m=1

A

m0

e

µ2m,0t

J

n

m,0

r)+

n=1

m=1

e

µ2m,nt

J

n

m,n

r)(A

mn

cos nθ+B

mn

sin nθ).

係数

A

mn

, B

mn は、定理

2.4.4

より

A

mn

= 2

πJ

n+1

mn

)

2

1 0

rJ

n

m,n

r)dr

π

π

f(r, θ) cos nθ dθ,

B

mn

= 2

πJ

n+1

mn

)

2

1 0

rJ

n

m,n

r)dr

π

π

f (r, θ) sin nθ dθ.

余談

4.1.1

公式の書き方だが、n

= 0

とそうでないのを分けるのは面倒なので、

u(r cos θ, r sin θ, t) =

n=0

m=1

e

µ2m,nt

J

n

m,n

r)(A

mn

cos + B

mn

sin nθ), A

mn

= ε

n

πJ

n+1

mn

)

2

1

0

rJ

n

m,n

r)dr

π

π

f (r, θ) cos nθ dθ, B

mn

= ε

n

πJ

n+1

mn

)

2

1

0

rJ

n

m,n

r)dr

π

π

f (r, θ) sin nθ dθ, ε

n

=

{

2 (n ̸ = 0) 1 (n = 0)

くらいがよいだろうか?それとも

ε

n

2 δ

n0 と書くか?

4.2 円盤領域での Neumann 境界値問題

(

工事中…卒研でのチャレンジャー募集中

)

金子

[4]

Neumann

境界値問題についての言及がある

(

熱方程式ではなく、波動方程式だ

が、固有関数はまったく同じわけだから)。

u

t

(x, y, t) = u(x, y, t) ((x, y) Ω, t > 0),

∂u

∂n (x, y, t) = 0 ((x, y) ∂Ω, t > 0), u(x, y, 0) = f (x, y) ((x, y) Ω).

最初の素朴な予想は、式の形は

Dirichlet

境界条件の場合と同じで、

u(r cos θ, r sin θ, t) = 1 2

m=1

A

m0

e

µ2m,0t

J

n

m,0

r)+

n=1

m=1

e

µ2m,nt

J

n

m,n

r)(A

mn

cos nθ+B

mn

sin nθ).

A

mn

= 2

πJ

n+1

mn

)

2

1 0

rJ

n

m,n

r)dr

π

π

f(r, θ) cos nθ dθ.

B

mn

= 2

πJ

n+1

mn

)

2

1 0

rJ

n

m,n

r)dr

π

π

f(r, θ) sin nθ dθ.

ただし

µ

m,n

J

n

(x)

の零点を順番に小さい方から順に並べたものである?

µ

1,n

< µ

2,n

< µ

3,n

< · · · < µ

m,n

< µ

m+1,n

< · · ·

(この µ

m,n をもう少し具体的に書けないかなとも思うけれど、仕方がないのだろうか?) おっと、でも固有値

λ = 0

というのがあるかな?

(4.4) R

′′

+ 1

r R

+ (

0 n

2

r

2

)

R = 0.

に対して、

W (ρ) = R(r/

0)

という変数変換はできないから、これは別途考察を要する、だ

な。

(4.4)

Euler

の方程式か。何だ、円盤で

Laplace

方程式を解くときと同じだ

(

例えば桂

[7]

の第

3

章)。一般解は

R(r) = {

Ar

n

+ Br

n

(n ̸ = 0) A + B log r (n = 0)

これで

R

(1) = 0

を満たすものを求めると、

R(r) = {

A (r

n

r

−n

) (n ̸ = 0)

A (n = 0)

なるほど。これは

m = 0

に対応するものと考えるべきかな。

きちんと計算して解を書き下す、もちろん

µ

m,n の漸近挙動の解析もつけて、というのは、

ちょっとした課題になるだろう。

m, n

が小さい

(

特に一方が

0)

場合の変数分離解を可視化してみたい。

ドキュメント内 II ( (ページ 39-43)