4. 径方向ブランケット下部削除型炉心の検討
4.4 内側炉心のみ溶融時のプールの再臨界性の検討
4.4.2 内側炉心 LAB 領域の工夫による効果
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これらの解析から、制御棒チャンネルの下部やLAB領域に吸収体を設置しただけでは、溶融炉 心プール形成時の臨界性に対する影響は十分ではなく、未臨界に達するまでの効果は得られない ことが分かった。
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内側炉心下部の金属(SUS)及び中性子吸収体(B4C)は、溶融炉心プール形成時には均質に混合 して溶融プールを形成することを想定した。本検討における下部軸方向ブランケット領域は JSFR と同様 40cmであり、反射体金属部分と中性子吸収体部分の長さの設定についてパラメー タサーベイを実施した。図 4.4-7のB4C長を40cm、30cm、20cm、10cmと変化させて、健全体 系における実効増倍率の上昇を解析で確認した結果、図 4.4-8に示すように、B4C長を減少させ ると溶融プールの実効増倍率が高くなった。
B4C長を20cm(SUS反射体を20cm)にした場合には、未臨界状態を保つが、B4C長をそれよ
りも短くした場合にはプールの実効増倍率が1を超える。また、B4C長が20cmの時が、最も小 さなコンパクション反応度(負で絶対値が大きいもの)となったため、本検討ではB4Cを20cm、
SUSを20cmと設定することとした。
図 4.4-8 内側炉心下部の構造工夫の実効増倍率への影響
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燃料の下部軸ブランケット領域は、通常の燃料ペレットの下部に燃料ピンと同様の形状のSUS ピン、B4Cピンを配置することを想定する。図 4.4-9にピンの下部構造を記載する。
図 4.4-9 LAB部を加工した燃料ピン
反射体金属部分への要件は、通常運転中には炉心燃料と接しているため、炉心燃料からの熱的 影響を受けても変化しないことである。一方で、炉心崩壊時には早期に溶融し、溶融炉心プール の拡大を妨げない物質とする必要があり、溶融炉心プール中に均質混合が可能な低融点合金が望 ましい。通常運転時への熱影響に関しては、この領域の温度は入口プレナム温度程度と想定され ることに加え、SUS上端に薄い熱遮蔽層(アルミナ、劣化ウラン他)を配置することによっても 熱的影響を制限できると考えられる。
さらに低融点合金としては、燃料溶融時には早期にかつ均質にプールに混合することが要求さ れるため、低融点かつ熱容量が小さいことも要件となる。融点の観点で調査した結果Nb-1Zr(融
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点2407℃、比熱0.270J/g/℃)が候補として考えられる。
今回の検討においては、通常の燃料被覆管相当のSUSの断面積データを用いることとする。材 料選定にあたっては、上述の熱的条件に加え、断面積データ、他の炉心物質との親和性や適応性、
その他の炉心性能への影響も踏まえて、適切な材料を選択する必要がある。
図 4.4-7に示す体系で、SUS及びB4Cを用いた、内側炉心下部吸収体導入炉心の実効増倍率の 計算を実施した。ここで、B4CはB10の濃縮率90%とし、燃料ペレットと同形状で燃料ピン中に 装荷されていると仮定した。内側炉心部の溶融炉心プールは、LAB領域に配置されたB4C、SUS の均質混合を仮定するため、健全時は炉心とLABで合計高さが115cmであった部分が、溶融炉 心プール形成時には高さ約80cmとなり、溶融炉心プールが堆積する位置も、これまでよりもLAB に相当する高さ(40cm)分、低い位置となる。
表 4.4-1 に内側炉心下部吸収体導入炉心が、溶融炉心プールを形成した体系での実効増倍率を 示す。
表 4.4-1 内側炉心プールの実効増倍率計算 Average Pu
Enrichment (%)
kintact Pool
Height(cm)
kpool Δρcomp
(%dk/kk’)
RB-less-Case5 17.163 1.0874 80
0.9923
(Covered by Liquid Sodium)
0.9819
(Covered by Gaseous Sodium)
-8.8
-9.9
内側炉心による溶融炉心プールの実効増倍率は、プール上が液体ナトリウムの場合でも 1.0 を 下回り、-8.8%dk/kk’のコンパクション反応度が得られた。この結果から、溶融炉心プールが全炉 心規模に拡大せず、内側炉心のみが溶融した場合でも、内側炉心下部吸収体導入炉心であれば、
中性子吸収体が溶融炉心プールに均質混合する場合に、プールの再臨界が防止できる見通しが得 られた。
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