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具体例の検討

ドキュメント内 main.dvi (ページ 35-38)

参考のため、さらに別の具体例でも解析を見ておくことにする。今度は別々の 場で真空のエネルギーを作り、inflationを終わらせる。この様なタイプを考えてみ よう:

W = Λ2Z(λ λφ2) (4.23)

v2Z(1 2). (4.24)

ここで、Zとφがchiral superfieldで、λ,λおよびgはcouplingである。Λ2は何 らかの起源(次節参照)で出てきた、重力スケールに比べて小さなスケールである。

引き続きreduced Planck scaleを1にする単位系を使っているので、Λ2は1より オーダーとして小さい。少し書き直し、v2という風にcouplingをとり込んで、真 空のエネルギーを前述の表記と一致させた。このようなsuperpotentialを考える。

次にK¨ahler potentialであるが、以下のようなものを自然と考える:

K = |Z|2 + |φ|2 + k1|Z|2|φ|2 k2

4|Z|4 + · · ·. (4.25) 最初に自乗の項があるが、今度はZφそれぞれについてのものである。それと そのmixing termや、それ自身の4乗の形での4次の項がある。ここで、k1k2 は適当にオーダー1と想定されるようなcouplingである。

このようにsuperpotentialとK¨ahler potentialを与えられると、これらで

super-gravityにおけるポテンシャルが求められる。それは、場が一般の多成分の場合に

拡張した次のような形である:

V = eK(KABFAFB∗ 3|W|2). (4.26) ここで、F は本質的に一成分の場合と同じで、大体superpotentialの微分である:

FA ∂W

∂φA + ∂K

∂φAW. (4.27)

(4.26)でKABという添字が付いたものがあるが、これは、K¨ahler potentialを2階 偏微分した

2K

∂φA∂φB, (4.28)

これの逆行列をとったものである。従って、field が1個しかない場合は、単に逆 数になっていた。

このように成分がたくさんあると、ポテンシャルの形などを見るのはだんだんやっ かいになってくるわけだが、今の場合は比較的に簡単である。なぜならsupergravity のポテンシャルから、Wの微分とW自体の値が共にゼロだと、そこはポテンシャ ルの停留値であるということが計算によりわかる:

∂W

∂φA = W = 0 = ∂V

∂φA = V = 0. (4.29)

あるいはもっと一般には、F がゼロであればそこが停留値になる。そして、gravity が入っていないrididなsupersymmetryのときに、F がゼロならV がゼロなので、

そこが真空になっているのと同じく、supergravityを考えているとき、F がゼロ かどうかということがやはりsupersymmetryが自発的に破れているかどうかとい

うorder parameterになるのである。形は多少かわったのだが、このようなrigid

supersymmetryと共通する性質を、実は保っているということが分かる。

ポテンシャルにそのような性質があるので、どのような所が真空であるのか、ま た、どのような形であるのかということを、割とややこしいポテンシャルである のに、すぐに見てとることができるのである。そこで、実際に式(4.24)の super-potentialを使ってこれを見てみると、superpotentialの偏微分は次の形になって いる:

∂W

∂Z = v2(1 2), (4.30)

∂W

∂φ = 2v2gZφ. (4.31)

これがゼロになるところを探す。すると、Zがゼロでφの方が適当にcondenseし たところで満たされる。Zがゼロだと、superpotentialの値もゼロになるので、前 に述べたようにそこが停留値になるという条件を満たしている。すなわち、次の ような真空期待値が得られる:

Z = 0, (4.32)

φ = ± 1

√g. (4.33)

一方、平らな原点付近での形はどうかというと、具体的に前に述べた superpo-tentialとK¨ahler potentialをsupergravityでのポテンシャルの形に入れて、原点付 近でベキ展開してみれば良いわけである:

V v4|1 2|2 + (1 k1)v4|φ|2 + k2v4|Z|2 (4.34) v4 κ

2v4ϕ2. (4.35)

ここで、

κ 2g + k1 1, (4.36)

ϕ

2Reφ. (4.37)

また、Z はゼロ付近であるとして固定して考えた。Zが大きいところでも平らに なったりして、そちらでinflationを起こす(hybrid inflation)こともあり得るのだ が、ここでは簡略化して解析するためにZは効かないことにした。

以上のような考察から、φのみが転がってinflationを起こすような状況をとる と結局、真空のエネルギーとして主にv4という値が出てきて、そして、少し平ら ではないという効果がϕ2の形として出てきている。今度の場合、平らではないと いう効果を決めているのは、K¨ahler potentialのcouplingもあるが、それ以外の

couplingも効いている。それぞれが自然にオーダー1とすると、全体としてもオー

ダー1であると期待される。

ϕをinflatonとするslow-roll inflationが起こるとすれば、原点付近から転がっ て、その間に宇宙が急速に膨張してゆく。やはり、supersymmetryがある状況で はそういうことが起こっても不思議ではないわけである。

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