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共通視聴覚教材第2弾 「ALTIMETER SETTING/高度計規正の方法」 について

ドキュメント内 _2009MAR.ren (ページ 51-92)

3. 「ALTIMETER SETTING/高度計規正の方法」 の骨子

第30回 ATS シンポジウム

① 3つのセッティング

高度計規正の基礎知識として、 QNH, QFE, QNE の3種類の規正方法を紹介している。

② 規則はどうなっているか

航空法施行規則第178条による高度計規正の方法について、 法の趣旨を中心に説明してい る。

③ 管制方式基準はどうなっているか

管制方式として定められているアルティメタ セッティングの運用方法について説明して いる。

④ 現状はどうか

ターミナル管制所によるアルティメタ セッティング運用実態を紹介している。

⑤ 1,000フィートの垂直間隔とは?

垂直間隔の1,000フィートの意味について説明している。

⑥ ヒューマンファクターズの面からの検証

高度計規正の運用では、 ルールベースでは解決できないヒューマンファクターズについて 説明している。

⑦ 望まれるアルティメタ セッティング

着陸時のクリティカルなミスを防ぐために、 望まれる高度計規正のあり方を提案している。

● 結 論 〜エピローグ

パイロットの責任と管制の運用のあり方、 それにパイロットと管制官の信頼関係が大切であ ることを結論として述べている。

第30回 ATS シンポジウム

昨年の ATS シンポジウムでは 「 Go around と Missed approach との意味の違いと、 それ ぞれの言葉が何故まちまちな意味に使われるのか」 を解明し、 言葉の使い分けを明確にするための 研究発表を行った。 この研究発表の結論として、 「復行=Go Around」 を 「航空機が、 着陸または そのための進入の継続を断念して上昇体勢に移ることをいう」 と定義することを提案した。

昨年8月の管制方式基準の改正では、 これまで着陸復行だけを Go around としてきたものを、

計器進入を開始した後着陸するまでのどの段階ででも 「復行を行うことが Go around である」 と 定義した。 つまり、 Go around は着陸の中止だけではなく、 進入の中止も含む言葉としたので、

「着陸復行」 という言葉はなくなり、 すべての 「復行」 が 「Go around」 となった。 一方、 「進入復 行=Missed approach」 は計器進入によって目視物標を視認できなかった場合、 あるいは計器進入 を途中で中止した場合に、 上昇に転じる計器飛行での飛行である。 この場合の飛行方法が、 計器進 入方式に 「進入復行方式 (Missed approach procedure)」 として付随している。

一昨年の ATS シンポジウムでの研究発表に続いて、 今回は 「Go around を行った後の飛行方法」

について、 R/T ミーティングで研究した成果を発表したい。 R/T ミーティングでは、 計器進入中 に行った Go around についても検討を行ったが、 進入方式論や管制間隔等、 非常に広範囲な議論 となったので、 今回はそのうちの 「着陸寸前の Go around」 のみにスポットをあてて発表するこ ととする。 したがって、 以下このレジュメでの 「Go Around」 は 「着陸寸前に行った Go Around」

を指すこととする。

いわゆる 「着陸寸前の Go around」 は、 フライトの基本パターンであり、 かつ日常的に経験す ることであるが、 R/T での検討の結果、 これを IFR で行う飛行方法はフライトの他の部分とは全 く違った特殊な性格を持っていることに気付いた。 「Go around 後の飛行方法」 が特に難しいとい うことはないが、 「特殊な性格である」 ということを認識していないために、 パイロットと管制官 の間に意思の疎通に欠けるトラブルが生じることが解ってきた。

計器飛行方式 (IFR) というのは、 一般に飛行方式として設定された、 あるいは管制官によって あらかじめ明確に示された飛行方法が承認され、 その管制承認に従って行う飛行である。 飛行方式 は、 たとえば計器進入では、 方式に従った計器飛行によって滑走路に近づき、 進入限界点までに目 視物標を視認できれば、 進入方式を離脱して目視による飛行で着陸する。 もし目視物標を視認でき なければ、 進入復行点から進入復行方式に従って計器飛行を継続する。 この飛行方式では、 目視物 標を視認した航空機は目視による飛行で着陸することを想定しており、 Go around することは想 定していない。 この飛行方式を承認している管制承認でも、 方式で目視物標を視認した後は目視に よって滑走路に進入することは想定しているが、 そこで Go around することは想定していない。

つまり、 管制官とパイロットの間に、 あらかじめ 「こういう場合はこうする」 という約束が全くな

【はじめに】

【Go around 後の飛行方法の法的根拠と管制承認の問題点】

=研究発表=

Go around 後の飛行方法

第30回 ATS シンポジウム

いのが Go around 後の飛行方法である。 これが先に述べた 「Go around 後の飛行方法は非常に特 殊な性格である」 という一つ目の意味である。

飛行方式としても、 また管制承認としても想定していない飛行方法となると、 何を根拠に IFR での飛行方法が決まるのかが問題となる。 それは 「航空法による IFR の定義」 でしかない。 航空 法では IFR を 「管制圏における IFR」 と 「情報圏における IFR」 の2種類に分け、 管制圏での IFR にのみ 「……かつ、 その他の飛行方法について第96条第1項の規定により国土交通大臣が与 える指示に常時従って行う飛行の方式」 と定義している。 (情報圏での IFR の定義には、 この部分 がない)。 この定義による 「第96条第1項の規定により国土交通大臣が与える指示に常時従って行 うその他の飛行」 は、 「管制承認および管制官があらかじめ指示した飛行方法」 以外の飛行方法と して定められているので、 その一つが Go around 後の飛行と考えられる。 つまり、 「Go around した後の飛行は、 航空法に従って管制官の指示がないと IFR で飛行することができない」 という ことである。

航空法第96条第1項の規定は概略 「パイロットは管制区・管制圏においては管制官の指示に従っ て飛行しなければならない」 という内容である。 Go around 時以外の通常の IFR でのフライトで は、 基本的に管制承認に従って飛行しているので、 それをオーバーライドする管制官の指示があれ ばそれに従わなければならないが、 管制官の指示がなければ敢えて管制官の指示を求める必要はな い。 ところが Go around 後の飛行に関しては、 管制官の指示がなければ IFR では飛行できないの だから、 第96条第1項の規定の考え方も特殊な性格をもってくることになる。 これが 「Go around 後の飛行方法の特殊な性格」 の二つ目の意味である。

他の飛行方法でも同じだが、 Go around 後の飛行でも 「飛べるか、 飛べないか」 は最終的には パイロットが決めることである。 しかし、 その飛行方法を指示するのはあくまでも管制官である。

そして重要なことは 「管制官が指示しなければ IFR では飛行できない」 ということである。 この 仕組みを理解していなと、 管制官は 「要求されなければ黙っていれば良い」 と誤解しやすい。

Go around 後の飛行方法は、 パイロットが要求してそれにそって管制官が指示するのか、 管制 官が飛行できる方法をパイロットに聞いて指示するのか、 それとも管制官が指示した飛行方法にパ イロットが同意できない場合に別の飛行方法を要求するのか、 いずれにしても 「想定していないこ と」 なので様々な手順が考えられるが、 Go around は突然発生して直ちに処置しなければならな い緊急性の高い事態なので、 管制官とパイロットがどんな 「共通の認識」 を持てるかが今後の課題 と言えよう。

管制圏の飛行場では、 管制官の指示が得られるからまだ良いが、 管制官の指示が得られない情報 圏での Go around は深刻である。 VMC であれば IFR をキャンセルすることで問題がなくなるが、

IMC であればそれもできず、 ルールベースでの対応は非常に困難である。 15年前の第15回 ATS シ ンポジウムでは、 この点にスポットを当てた問題提起を行っている。 そこでの結論は、 「次善の策 として、 管制官が管制承認として想定していた飛行方法に最も近い飛行を行うこと」 としている。

行い得る Go Around 後の飛行方法は、 開始する場所 (どの滑走路か、 騒音対策の問題はないか) や気象状態、 それにトラフィックの状況などによって多様である。 大きくは 「直線進入での Go

【Go around 後の飛行方法は誰が決めるのか】

【Go around 後の飛行方法の考察】

第30回 ATS シンポジウム

Around」 と 「サークリングでの Go Around」 に分けられるが、 両者に共通した問題点も多いの で、 それぞれの問題点を洗い出すことにする。

飛行方法の選択にあたっては、 トラフィックの状況によって選択し得る飛行方法が制限される場 合は 「管制官の判断」 が全面的に優先することは言うまでもない。

1. Go around 後の飛行方法:

「着陸のやり直し」 としての Go around 後の飛行方法は、 大きく分類すると 「目視による飛行」

と 「計器飛行による飛行」 の形態に分けられる。 「目視による飛行」 は俗に 「トラフィックパター ンの飛行」 とも呼ばれ、 他のトラフィックとの間隔は管制官の責任で維持され、 そのため左右のパ ターンの指定はあるが、 細かい経路の選定は気象状況に合わせてパイロットの判断で行い、 障害物 との間隔もパイロットの責任で飛行する。 一般に 「Request traffic pattern」、 「Join right traffic」

等の用語が使用される。 効率の良い着陸のやり直しはトラフィックパターンの飛行と考えられる。

「計器飛行による飛行」 は目視飛行による着陸のやり直しが困難な場合に、 計器進入をやり直す (場合によっては待機またはダイバージョンする) ための飛行方法である。 進入復行方式に沿った 飛行が適用される場合 (直線進入での Go Around) と適用できない場合 (サークリングでの Go Around) があり、 進入復行方式に沿った飛行が適用できない場合は具体的な飛行方法 (ヘディン グと高度) の指示が必要になる。 いずれの 「計器飛行による飛行の指示」 も、 ターミナルレーダー が運用されている飛行場であれば、 ノンレーダーによる飛行方法は初動のみで、 速やかにレーダー に引き継ぐことを前提としている。

2. 進入復行方式の適用:

進入復行点を通過するか、 それ以前であっても、 MDA から着陸のための降下を開始した後は目 視による飛行であり、 飛行方式としては、 そこでの Go around には進入復行方式は適用されない。

しかしながら、 直線進入での Go around では、 滑走路進入端で Go around した場合でも滑走路上 を速やかに上昇できるならば、 進入復行方式に沿って飛行しても、 実際にはほとんどの飛行場で障 害物との間隔に問題はなく、 管制間隔も維持されているはずである。 管制方式として、 Go around 後に進入復行方式に沿って飛行することの是非については明確には定められていないが、 管制の実 態として、 Go around 機が MAPt を通過しているのかどうか分からない場合もあり、 実際には Go around 後の飛行方法として進入復行方式に沿った飛行を指示するケースが多い。 ただし、 サーク リング後の Go around では、 どの滑走路に対する進入復行方式なのか、 どのように進入復行方式 に会合がするのかが極めて曖昧になるので、 進入復行方式に沿った飛行の指示は行うべきでない。

3. 進入復行方式以外の計器飛行による飛行方法の指示:

先行出発機が管制官の予想を超えて緩慢な動きをしたために、 後続着陸機に Go around を指示 した場合、 進入復行方式だと先行離陸機と同じ方向へ飛行することになるケースでは、 管制官は Go around の指示の後に、 別の方向へのヘディングと高度を指示しなければならないこともある。

また、 ターミナルレーダーが運用されている飛行場では、 気象状態には関係なくタワーとターミナ ル管制所との間で調整されている場合もある。 あるいは 「あそこの方角にはトラフィックはいない から、 そちらに向けて飛行させれば安全だ」 という経験的な判断での飛行方法の指示もある。 天候 が良ければ管制官の目視間隔によって飛行方法を指示することもできるし、 IMC の時でも実際に はブライトディスプレイ等によって関連機のいない方角への飛行を指示することができるだろうが、

方式論として、 どんな飛行方法を指示することができるのか、 今後検討する必要がある。

ドキュメント内 _2009MAR.ren (ページ 51-92)

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