問4(2)
2 児童生徒質問紙調査の結果からみた生活実態及び特徴
佐久市では全国学力学習状況調査における児童生徒質問紙調査の結果から、特に全国平均と比較して 特徴が見られる「自尊意識について」、「自己表現力について」の2点について、また、教科に関する調 査(テスト形式)とのクロス集計で見たときに大きな相関関係が見られる「電子メディアとの接触状況」
について毎年考察し、各校の取り組みの一助としています。
(1)自尊感情について
自尊感情とは、自分の長所も含め、「私はこれでいい」「これで十分幸せだ」と思える気持ちであり、自 分のことをかけがえのない大切な存在だと思える感情です。自尊感情が高ければ、積極的な行動や社交的 な対話も行いやすくなり、一般に社会適応が良くなり課題を達成できる確率も高くなってくると言われて います。実際に社会性のある子は、学校・学級での集団生活にもうまく適応し、学習の能率にも効果が見 られます。
佐久市では、小学校において2009年の全国学調で「自分には良いところがある」と答えた児童が全国平 均を大きく下回った結果を受け、認め励まし、自信を持って自らを高めていこうとする意欲や態度の育成 に取り組んできています。毎年少しずつ改善が見られますが、全国比ではまだ自尊感情が低い傾向が続い ていました。しかし、2016年度の結果は「当てはまる」「どちらかというと当てはまる」の合計が、小学校、
中学校共に全国を上回るようになりました。特に中学校においてはここ2年間で大きな改善が見られてい ます。それに伴うように、中学校における佐久市全体の全国学調、CRTの結果が共に向上してきていま す。自尊感情の醸成には、学習、部活、学級の人間関係など学校生活の様々な活動の中で不安や悩みを抱
35 36.3 36.2 32.8
33.9 32.8
41.1 40.1 40.1 43.2
42.5 45.1
16.7 16.1 16.2 17.7 17.8
15.7
7 7.5 7.4 6.4
5.7 6.2
2014年全国 2015年全国 2016年全国 2014年佐久 2015年佐久 2016年佐久
小学校【自分にはよいところがある】
当てはまる どちらかというと当てはまる どちらかというと当てはまらない 当てはまらない
26.2 27.4 17.7
19.7 26.7
41.9 41.9 43.8
46 45.6
22.3 21.3 29
25.8 21.2
9.5 9.3 9.5 8.3
6.3
2015年全国 2016年全国 2014年佐久 2015年佐久 2016年佐久
中学校【自分にはよいところがある】
当てはまる どちらかというと当てはまる どちらかというと当てはまらない 当てはまらない
え「孤立感」等を感じる児童生徒が、集団の中で自分の居場所を持ち、集団の中での社会性・所属意識(自 己有用感)を高め、自分に自信をつけ、日々の生活を過ごしていかれるための配慮・工夫が必要です。
そのことと関連があると思われる問いが「先生はあなたのよいところを認めてくれていると思いますか」
ですが、佐久市内の小中学校では「認めてくれている」と感じている児童生徒が全国比で明らかに多いこ とがわかります。自尊感情、そしてその感情を膨らませる教師の姿勢は、次期学習指導要領で求められる「自 ら学び続ける姿勢を持つ児童や生徒の育成」に欠かすことができない要素であることから、今後も各校で大 切に扱っていきたいものです。
(2)自己表現力について
自己表現力とは自分が思っていること、感じていることを的確に相手、周囲の人に伝える力です。自己 表現力を単に「表現する力」として捉えず、児童生徒が自分で考え,自分の考えを持ち,自分で判断して、
それを自分の言葉等で表現する力と捉えることが大切です。
「友達の前で自分の考えや意見を発表することは得意ですか」の問いに対して「得意」と答えた児童生 徒は、小中どちらも全国比で少ない傾向があります。1年前の2015年の結果も同様な傾向が見られており、
「友達の前で」「発表する」というところに抵抗感があるようです。「友達の前」で「発表する」には裏付 けに基づいた自分の考えや根拠を持っている必要があります。この問題を解決していくには、単に表現す る力を伸ばせばよいのではなく、自分で考えて、判断して、それを自分の表現方法で伝えるという総合的 な力としての捉えをして、その力を伸ばしていく必要があります。
17 17.6 12.3
14
32.6 32.6 30
30.9
35.1 34.7 41.5
39.7
15.2 15 16.2 15.2
2015年全国 2016年全国 2015年佐久 2016年佐久
中学校【友達の前で自分の考えや意見を発表することは得意ですか】
当てはまる どちらかというと当てはまる どちらかというと当てはまらない 当てはまらない 20.6
21.2 18.8 17.3
30.6 30.5 27.4 28.6
33 33.5 37 38.6
15.8 14.7 16.7
15.5
2015年全国 2016年全国 2015年佐久 2016年佐久
小学校【友達の前で自分の考えや意見を発表することは得意ですか】
当てはまる どちらかというと当てはまる どちらかというと当てはまらない 当てはまらない 42.2
49.5
40.4 36.3
12.7 11.6
4.5 2.7 2016年全国
2016年佐久
小学校 先生はあなたのよいところを認めてくれていると思いますか
当てはまる どちらかというと当てはまる どちらかというと当てはまらない 当てはまらない
32.2 37.2
45.8 42.7
16.1 14.9
5.7 5.1 2016年全国
2016年佐久
中学校 先生はあなたのよいところを認めてくれていると思いますか
当てはまる どちらかというと当てはまる どちらかというと当てはまらない 当てはまらない
(3) 電子メディアとの接触について
佐久市内の小中学校の2015年児童生徒質問紙調査における「電子メディア機器との接触状況」と教 科に関する調査(テスト形式)とのクロス集計の結果をグラフに表すと以下のようになります。(グラフ 中の“3~4時間”とは“3時間以上4時間未満”を表す。)
電子メディア機器との接触時間について見ると、佐久市内の小中学校全体の傾向としては全国平均と比 べて短い傾向にあり、電子メディアへの依存度は全国との比較では低いといえます。しかし、電子メディ アとの接触時間と教科に関する調査(テスト形式)とのクロス集計の結果をみると、明らかな相関関係が見 られます。ゲームをする時間や、スマホ等でインターネットやSNSに触れる時間が長いほど各教科AB 共に正答率が低くなる傾向があります。「4時間以上接触する児童生徒」と、「ほとんどしない」の児童生 徒との正答率の差は、少ない教科でも10%、多い教科では34%もあります。電子メディアへの依存度
小学校 中学校
0 10 20 30 40 50 60 70 80
国語A 国語B 算数A 算数B 4時間以上 3~4時間 2~3時間 1~2時間 1時間以内 全くしない
0 10 20 30 40 50 60 70 80
国語A 国語B 数学A 数学B 4時間以上 3~4時間 2~3時間 1~2時間 1時間以内 全くしない
1日あたりどれくらいスマホ等でインターネット、メール等をしますか。( )
小学校 中学校
0 10 20 30 40 50 60 70 80
国語A 国語B 算数A 算数B 4時間以上 3~4時間 2~3時間 1~2時間 0.5~1時間 0~0.5時間
0 10 20 30 40 50 60 70 80
国語A 国語B 数学A 数学B 4時間以上 3~4時間 2~3時間 1~2時間 0.5~1時間 0~0.5時間
1日あたりどれくらいゲーム( )をしますか。
中学校 小学校
とが中心となって立ち上げた「Saku Kids メディア Safety」が、児童生徒を対象に実施したアンケート結 果からは、児童生徒やその保護者が、依存による「心配事」を数多く挙げている現状があります。睡眠時 間が短くなる、ゲームや動画視聴等をやめられない、いじめをはじめとしたネット上のトラブルが多い、
といった現状を踏まえ、各校の子どもや親が中心になって電子メディア機器との上手なつきあい方につい て考えている佐久市全体としての現在の取り組みを大切にし、さらに広げていく努力を重ねていく必要が あります。
12% 13%
15% 17% 18%
31% 31%
31% 29% 28%
41%
35%
33%
36%
17%
12%
17%
8%
12%
8%
11%
7%
4%
7% 6% 7% 6% 6%
33%
43%
33%
29% 27%
22%
15%
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
40%
45%
3年 4年 5年 6年 中1 中2 中3
勉強中等にメールなど 生活リズム乱れ 体や心の問題 ネット上のトラブル 課金
スマホ、タブレット、ゲーム機等を使うようになって
心配なことはありましたか?
筋力 = 握力+上体起こし 敏捷性 = 50m走+反復横跳び 柔軟性 = 長座体前屈 持久力 = シャトルラン
筋パワー= 立ち幅跳び+ボール投げ