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児童の発達の支援

ドキュメント内 総則 (ページ 103-127)

第3章  教育課程の編成及び実施

第4節  児童の発達の支援

1 児童の発達を支える指導の充実

(1) 学級経営,児童の発達の支援(第1章第4の1の (1))

(1) 学習や生活の基盤として,教師と児童との信頼関係及び児童相互の よりよい人間関係を育てるため,日頃から学級経営の充実を図るこ と。また,主に集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと,

個々の児童の多様な実態を踏まえ,一人一人が抱える課題に個別に対 応した指導を行うカウンセリングの双方により,児童の発達を支援す ること。

  あわせて,小学校の低学年,中学年,高学年の学年の時期の特長を 生かした指導の工夫を行うこと。

 学校は,児童にとって伸び伸びと過ごせる楽しい場でなければならない。児童 一人一人は興味や関心などが異なることを前提に,児童が自分の特徴に気付き,

よい所を伸ばし,自己肯定感をもちながら,日々の学校生活を送ることができる ようにすることが重要である。

 学級は,児童にとって学習や学校生活の基盤であり,学級担任の教師の営みは 重要である。学級担任の教師は,学校・学年経営を踏まえて,調和のとれた学級 経営の目標を設定し,指導の方向及び内容を学級経営案として整えるなど,学級 経営の全体的な構想を立てるようにする必要がある。

 学級経営を行う上で最も重要なことは学級の児童一人一人の実態を把握するこ と,すなわち確かな児童理解である。学級担任の教師の,日ごろのきめ細かい観 察を基本に,面接など適切な方法を用いて,一人一人の児童を客観的かつ総合的 に認識することが児童理解の第一歩である。日ごろから,児童の気持ちを理解し ようとする学級担任の教師の姿勢は,児童との信頼関係を築く上で極めて重要で あり,愛情をもって接していくことが大切である。

 また,学級を一人一人の児童にとって存在感を実感できる場としてつくりあげ ることが大切である。すなわち,児童の規範意識を育成するため,必要な場面で は,学級担任の教師が毅然とした対応を行いつつ,相手の身になって考え,相手 のよさを見付けようと努める学級,互いに協力し合い,自分の力を学級全体のた めに役立てようとする学級,言い換えれば,児童相互の好ましい人間関係を育て

4児童の発達 の支援 ていく上で,学級の風土を支持的な風土につくり変えていくことが大切である。

さらに,集団の一員として,一人一人の児童が安心して自分の力を発揮できるよ う,日ごろから,児童に自己存在感や自己決定の場を与え,その時その場で何が 正しいかを判断し,自ら責任をもって行動できる能力を培うことが大切である。

 なお,教師の意識しない言動や価値観が,児童に感化を及ぼすこともあり,こ の見えない部分での教師と児童との人間関係にも十分配慮する必要がある。

 学級経営に当たって,学級担任の教師は,校長や副校長,教頭の指導の下,学 年の教師や生徒指導の主任,さらに養護教諭など他の教職員と連携しながら学級 経営を進めることが大切であり,開かれた学級経営の実現を目指す必要がある。

また,充実した学級経営を進めるに当たっては,家庭や地域社会との連携を密に することが大切である。特に保護者との間で,学級通信や保護者会,家庭訪問な どによる相互の交流を通して,児童理解,児童に対する指導の在り方について共 通理解をしておく必要がある。

 全ての児童が学校や学級の生活によりよく適応し,豊かな人間関係の中で有意 義な生活を築くことができるようにし,児童一人一人の興味や関心,発達や学習 の課題等を踏まえ,児童の発達を支え,その資質・能力を高めていくことは重要 なことである。

 このため,児童の発達の特性や教育活動の特性を踏まえて,あらかじめ適切な 時期や機会を設定し,主に集団の場面で必要な指導や援助を行うガイダンスと,

個々の児童が抱える課題を受け止めながら,その解決に向けて,主に個別の会 話・面談や言葉がけを通して指導や援助を行うカウンセリングの双方により,児 童の発達を支援することが重要である。

 第6章特別活動の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」の2(3) において

「学校生活への適応や人間関係の形成などについては,主に集団の場面で必要な 指導や援助を行うガイダンスと,個々の児童の多様な実態を踏まえ,一人一人が 抱える課題に個別に対応した指導を行うカウンセリング(教育相談を含む。)の 双方の趣旨を踏まえて指導を行うこと。」とあるが,このような特別活動におけ る配慮をはじめ,各教科等でもその機能を生かすなど,学校の教育活動全体を通 じてガイダンスとカウンセリングの機能を充実していくことが大切である。

 ガイダンスの機能の充実を図ることは,全ての児童が学校や学級の生活により よく適応し,豊かな人間関係の中で有意義な生活を築くようにするとともに,選 択や決定,主体的な活動に関して適切な指導・援助を与えることによって,現在 及び将来の生き方を考え行動する態度や能力を育てる上で,極めて重要な意味を もつものである。具体的には,学習活動など学校生活への適応,好ましい人間関 係の形成,学業等における選択,自己の生き方などに関わって,児童がよりよく 適応し,主体的な選択やよりよい自己決定ができるよう,適切な情報提供や案

第3章教育課程の 編成及び実施

内・説明,活動体験,各種の援助・相談活動などを学校として進めていくもので あり,単なる事前の説明や資料配布に限定されるものではない。

 各学校においては,計画的・組織的な取組によってガイダンスの機能を充実さ せることによって,一人一人の児童に関し,学校や学級の生活によりよく適応さ せ,これから取り組むことになる諸活動に対して主体的な活動への意欲をもた せ,自己実現に関わって必要とされる資質や能力,態度を身に付けるようにし,

共に学び,活動することを通して存在感や自己実現の喜びの感じられる生活を築 かせる中でよりよい発達を促すことが重要である。

 特に,ガイダンスの機能の充実について配慮の求められる教育活動としては,

例えば,次のようなものが考えられる。

ア 入学時,新学期開始時期において,教師と児童及び児童相互の好ましい人 間関係が生まれるように配慮するとともに,児童自身が学校や学級における 諸活動や集団の意義,内容などについて十分に理解し,自発的によりよい生 活に取り組むことができるよう創意工夫すること。

イ 新たな学習や各種の学習活動の開始時期などにおいて,児童がこれから始 まる学習に対して積極的な意欲をもち,主体的に活動に取り組むことができ るよう各教科等において十分に配慮すること。

 また,カウンセリングの機能を充実させることによって,児童一人一人の教育 上の問題等について,本人又はその保護者などにその望ましい在り方についての 助言を通して,子供たちのもつ悩みや困難の解決を援助し,児童の発達に即し て,好ましい人間関係を育て,生活によりよく適応させ,人格の成長への援助を 図ることは重要なことである。

 カウンセリングの実施に当たっては,個々の児童の多様な実態や一人一人が抱 える課題やその背景などを把握すること,早期発見・早期対応に留意すること,

スクールカウンセラー等の活用や関係機関等との連携などに配慮することが必要 である。

 小学校の6年間は児童の発達にとって大きな幅のある期間であり,低学年,中 学年,高学年の発達の段階に応じて,それぞれの特長があることから,その特長 を生かした指導の工夫を行うことが重要である。

 例えば,低学年では,自分でしなければならないことができるようになるとと もに,幼児期の自己中心性は残っているが,他の児童の立場を認めたり,理解し たりする能力も徐々に発達してくる。善悪の判断や具体的な行動については,教 師や保護者の影響を受ける部分が大きいものの,行ってよいことと悪いことの理 解ができるようになる。このため,行ってよいことと悪いことの区別がしっかり と自覚でき,社会生活上のきまりが確実に身に付くよう繰り返し指導するなどの

ドキュメント内 総則 (ページ 103-127)

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