第 5 章 発光デバイス試作
5.4 デバイス作製
エッチングを行った試料に電極として
Fig. 5.5に作製したデバイス
台につけた。
0 30 0
0.5 1.0 1.5 2.0 2.5
膜 厚 ( µ m )
66
Fig. 5.4 エッチング時間に対する膜厚の変化
エッチングを行った試料に電極としてAuを150Å蒸着しデバイス試作を行った。
に作製したデバイスの写真を示す。p-Siの方には銀ペーストを電極代わりにつけ
Fig. 5.5 試作したデバイス
30 60 90 120 150 180 210 エッチング時間 (min)
Å蒸着しデバイス試作を行った。
の方には銀ペーストを電極代わりにつけ
240
67 5.5 I-V特性評価特性評価特性評価特性評価
試作した試料に対してI-V測定を行った。理論的には、p-Si側に+、n-ZnOナノワイヤ ー側に-として電流を流す事でダイオード特性が現れるはずである。Fig. 5.6とFig .5.7 は普通の発光ダイオードを作製した試料のI-V特性の測定結果である。発光ダイオードに はダイオード特性が見られるが、試作した試料にはみられない。これは自然酸化膜が邪 魔している事や成長したナノワイヤの密度が足りないことから、ナノワイヤを通してで はなくp-Siから直接導通してしまっていると考えている。
Fig. 5.6 試作デバイス Fig. 5.7 市販LED
5.6 今後の課題今後の課題 今後の課題今後の課題
第一にナノワイヤーの密度上昇、成長方向の均一性が求められる。よって作製条件の 再現性の向上が必須であると考えている。また、絶縁体として使用したレジストの膜厚 をさらに薄くするため、OBER-1000をクロロベンゼンにて薄める必要がある。さらには、
成長させる基板の自然酸化膜を念入りに除去する必要があり、デバイス作製をスムーズ に行う事が重要であると考える。
参考文献参考文献参考文献 参考文献
1) S. W. Lee, H. D. Cho, G. Panin, and T. W. Kang, Vertical ZnO nanorod/Si contact light-emitting deiode, Appl. Phys. Lett. 98, 093110(2011).
2) Micro Chem Corp, : .ano PMMA and Copolymer, Micro Chem. (2012).
3) K. Moriwaki, K. Satoh, H. Fukud, and T. Yotsuya, 「大阪府立産業技術研究報告」No. 21, 23 (2007).
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第 第 第
第 6 66 6 章 章 章 章 結論 結論 結論 結論
ガス輸送気相成長法によりZnOナノワイヤーを作製し、走査型電子顕微鏡
(FE-SEM)観察、X線回折(XRD)測定、フォトルミネッセンス(PL)測定、カソードルミ
ネッセンス(CL)測定、光吸収測定により、構造的、光学的評価を行った。第2章では、
SEM、PL測定、XRD測定、CL測定、光吸収測定の基本原理を述べた。第3章では、
ZnOナノワイヤーの作製方法を、成長機構と電気炉装置を交え述べた。第4章では、
本研究で作製したワイヤーについて、構造解析・光学測定した結果を示した。まず作 製条件に関しては、ソース材料をZnO + C粉末、Zn(shot)と綿状のナノワイヤーの3 パターンに大別し、作製を行った。作製条件1,2では、成長温度、成長時間、キャリ アガス流量、金の膜厚をそれぞれ系統的に変化させ、それぞれの条件がワイヤーに与 える影響を検証し、より高密度、広範囲にワイヤーを作製できる最適条件を検証した。
作製条件3では作製条件1,2の過程で得られた綿状のナノワイヤーについて構造的、
光学的に評価した。
結果は、バルク量に及ぶ大量かつ高密度のZnOナノワイヤーの作製に成功した。光 学測定に関しては、得られた各試料に対し、PL測定を行いフィッティングによる解 析や発光起因を調べた。PL測定で得られたスペクトル2.4 ~ 3.4 eVの範囲であり、バ ンドエッジ付近の3.3 ~ 3.4 eVについてガウシアンフィッティングを行い詳しい発光 起因を調べた。綿状試料ではシャープなエッジエミッションが T = 20 Kで観測され
た。2.4 eV ~ 3.8 eVにディープな発光、D0X、DAP、酸素欠損による発光ピークが観
測され、励起子ポラリトン、Surface exciton、TESなどのピークも観測された。また、
高品位な東京電波のバルク試料と比較する事でその結晶性のよさが証明された。
本研究では、ガス輸送気相成長法によるZnOナノワイヤーの作製に成功し、構造と 光学測定の両面からその基礎物性を明らかにすることができた。ワイヤーの成長に一 定の成果が見られたことや大量のナノワイヤが成長した事、高品位な結晶が作製でき たことは、任意の大きさで形成する技術の確立に繋がり、次世代ZnO発光デバイス の開発に向けた大きな一歩である。しかしながら、サイズの均一化・縮小化や再現性 の点からワイヤーの形状へ与える成長条件の影響や最適条件の絞込みなどの更なる 検証が必要である。また光学的評価の面においても、結晶性の評価、不純物準位の評 価、ワイヤー構造特有のバンド構造(電子エネルギー準位)を調べる必要がある。